こんにちは。現役釣具屋店員のみきやです。
青物といえば、釣り人なら誰もが一度は狙いたい人気ターゲット。
しかし「結局いつ行けば釣れるの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
実際、ブリやカンパチ、サワラなどの青物は季節や地域によって釣果に大きな差が出ます。
この記事では、春夏秋冬の季節ごとの傾向や、全国の主要地域別の釣れる時期を詳しく解説。
さらに、青物の魚種ごとのシーズンや、時期を見極めるコツまで、現役の釣具店スタッフとしての実体験をもとにお伝えします。
「今どこで釣れる?」「次の遠征先はいつがベスト?」という疑問にも答えられる構成です。
この記事を読めば、狙う時期を見極めて効率よく青物を釣るための判断力が必ず身につきますよ。
青物が釣れる時期はいつ?|全体の傾向を把握しよう

青物と一口に言っても、実は魚種によって釣れるタイミングが異なるのが現実です。
「春にブリが釣れた」「秋にショゴが爆釣した」など、地域やベイトの状況にもよって変動するため、ざっくりとした“青物シーズン”だけで判断するのは危険です。
このセクションでは、まず「青物の回遊パターンの基本」と「春夏秋冬ごとの全体的な傾向」について、釣り初心者にもわかりやすく整理していきます。
青物の“旬”はいつ?回遊パターンの基本
青物の回遊には水温・ベイト・潮流の3つが大きく関係しています。
特に水温18〜23℃前後を好む魚種が多いため、春と秋に活性が上がる傾向があります。
さらに、産卵期(春〜初夏)や荒食いの秋は回遊が活発になることが多く、釣果が期待できます。
逆に真冬や真夏は水温の変化が激しく、深場に落ちたり沖に離れたりするため、ショアから狙うのが難しくなる場面も。
つまり、釣りやすさと魚影の濃さが重なるのは春と秋。
ただし、カンパチなど一部の魚は夏の高水温でも釣れやすいなど、魚種による差も見逃せません。
季節別のざっくりした傾向(春・夏・秋・冬)
青物は季節によって釣れやすい魚種やタイミングが異なるのが特徴です。ここでは春夏秋冬それぞれの代表的な傾向をざっくりと押さえておきましょう。
- 春(3〜5月):水温が上がり始める時期で、イナダやショゴなどの小型青物が沿岸に接岸し始めます。ベイトが豊富なエリアでは回遊のチャンスあり。
- 夏(6〜8月):水温が高くなりすぎるとショアからは釣りにくくなることもありますが、カンパチやヒラマサなどは比較的高水温でも活発。早朝や夕方の釣行が鍵。
- 秋(9〜11月):一年で最も青物の活性が高くなる時期です。ブリ・サワラ・イナダ・ヒラマサなど様々な魚種が岸寄りしてきます。初心者にもおすすめのシーズン。
- 冬(12〜2月):水温低下で青物は深場に落ち、回遊も減少しますが、サワラや寒ブリなどはオフショアや深場を狙えば好機。ショアからは厳しい季節。
このように、春と秋がショア青物の本命シーズン。
夏と冬はやや難易度が上がりますが、魚種やエリアを見極めればチャンスは十分にあります。
魚種別に見る青物の釣れる時期とは?

青物とひとくくりにされがちですが、実際には「ブリ」「カンパチ」「サワラ」「ヒラマサ」など、それぞれで回遊パターンや釣れやすい時期が異なります。
このセクションでは、特に人気の高い4種の青物について、釣れる季節やタイミングの傾向を詳しく解説します。
狙う魚によって“ベストシーズン”は大きく変わるため、自分の釣りスタイルや地域に合った魚種を選ぶ参考にしてください。
ブリ(ワラサ・イナダ)の釣れる時期
ブリは出世魚として知られ、地域や成長段階によって「イナダ」「ワラサ」「ブリ」と呼び名が変わります。これらは釣れる時期もサイズごとに若干異なりますが、基本的には春〜秋がメインシーズンです。
春(3〜5月)は、小型のイナダやワカシクラスが接岸しやすく、港湾部やサーフなどでも比較的狙いやすい傾向があります。
夏(6〜8月)はベイトが豊富な場所に限り、イナダクラスが回遊することもありますが、水温上昇で深場に落ちる傾向もあります。
秋(9〜11月)はまさにベストシーズン。ブリ族の大型回遊が岸寄りし、ショアジギングやプラッギングでも大型のワラサやブリが釣れる好機です。
特に北陸・東北・関東沿岸部では、大型青物の釣果が集中するハイシーズンとなります。
冬(12〜2月)はショアからの釣果は減少しますが、寒ブリシーズンとしてオフショアでの人気が高まります。水温が安定している深場に落ちるため、ショアでは難易度が上がります。
地域や海況によっても差はありますが、最も熱いのは秋のワラサ・ブリシーズン。この時期を逃さず狙うのが釣果アップの近道です。
カンパチ(ショゴ)の釣れる時期
カンパチもブリと同様の出世魚で、小型のうちは「ショゴ」や「ネリゴ」と呼ばれます。釣れる時期は地域によって差がありますが、全体的には夏〜初秋がメインとされます。
初夏(6〜7月)は、小型のショゴが港湾部や堤防周りで姿を見せ始め、ライトショアジギングでの好ターゲットになります。
ショゴは遊泳力が高く、回遊性もあるため、回ってくるタイミングを見極めれば初心者でも数釣りが可能です。
夏(8〜9月)になると個体のサイズも上がり、潮通しの良い磯場や堤防周辺では、30cm〜40cm級の良型ショゴも狙えるようになります。高水温期でも活性が高いため、朝マヅメや夕マヅメの時合いを狙えばチャンスは十分です。
秋(10月)以降は徐々に釣果が落ち着き、ショアからのヒット率は下がっていきます。ただし水温が高めの地域(九州・南方エリア)では、11月ごろまで釣果が続くこともあります。
ショゴはファイトも強く、夏のショアゲームの人気ターゲット。特に足場の良い堤防や港湾部で狙えるため、ビギナーにもおすすめの青物です。
パターンがハマれば2桁釣果も狙えて、味もよくて、引きも良くて楽しい魚です。
釣り方やおすすめルアーに関して詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

サワラ(サゴシ)の釣れる時期
サワラは水温やベイトの動きに敏感な回遊魚で、春と秋の「二大シーズン」に釣果が集中する傾向があります。
小型の個体は「サゴシ」と呼ばれ、特にショアからのターゲットとして人気です。
春(3〜5月)は、水温が徐々に上昇するタイミングでベイトフィッシュも活発になり、それを追ってサワラが接岸します。
朝マヅメを中心にナブラやサワラジャンプが頻発し、ミノーやメタルジグでの釣果が期待できます。
秋(9〜11月)は、ベイトが岸寄りするもう一つのチャンス。特にサゴシサイズの数釣りが狙えるシーズンで、ショアジギングやミノーイングで広範囲を探ると反応が得やすくなります。
一方で、夏と冬はオフシーズン気味で、釣果はかなり限定的です。
ただし、一部の温暖エリア(九州・南方地域)では年中サワラが釣れる場所もあります。
歯が鋭くラインカッターとしても有名な魚種なので、シーズン中に狙う際はワイヤーリーダーや太めのフロロで対策するのがおすすめです。
サワラ狙いにおすすめのルアーはこちらで詳しく解説しています。

ヒラマサの釣れる時期
ヒラマサは青物の中でも特に人気の高いターゲットで、時期によって釣れるエリアやサイズが大きく変化します。基本的に春と秋が好シーズンとされており、特に大型が狙えるのは春先から初夏にかけてです。
春(4〜6月)は、荒れ気味の海況になる日が多く、ヒラマサが活発に捕食するタイミング。ヒラスズキ狙いと並行してヒラマサがヒットすることもあり、荒れ気味のサラシ周りを攻略するスタイルが有効です。
秋(9〜11月)もベイトが豊富になる季節で、小〜中型の数釣りがしやすくなる時期です。ショアからも十分に狙えるため、堤防や磯場での回遊待ちが主流になります。
なお、真夏(7〜8月)や真冬(12〜2月)は水温や活性の問題で釣果は減少傾向ですが、九州や南方エリアでは年中狙えるポイントも存在します。
日本海側は比較的安定して釣れる傾向がありますが、太平洋側ではそもそも釣れるポイントがかなり限られてきます。
釣れる時期とエリアをしっかり見極めることが、ヒラマサ攻略の最大のカギになります。
地域別に見る青物シーズンの違い

青物の釣れる時期は、地域によって大きく異なるのが特徴です。水温や潮流、地形、回遊ルートなどの要因によって、同じ魚種でもベストシーズンがずれることがあります。
このセクションでは、関東・関西・九州など主要エリア別に、青物が釣れやすい時期の傾向を解説します。ご自身の釣行エリアに合わせて、最適なタイミングを見極める参考にしてください。
関東・伊豆エリアの青物事情
関東や伊豆エリアでは、秋(9〜11月)を中心に青物の回遊が盛んになります。特にイナダ・ワカシ・サゴシといった比較的ライトなターゲットが堤防からも狙える時期で、多くの釣り人で賑わいます。
春(4〜6月)にも回遊がありますが、秋ほど数は出にくく、ヒラマサやワラサなど中〜大型狙いの釣りがメインになります。釣果情報のチェックや、ナブラ・鳥山の有無など、海況を読む力が求められる季節です。
また、真夏(7〜8月)や冬(12〜2月)はややオフシーズン傾向で、青物の活性が低くなりがち。ただし、ショゴやカンパチの幼魚が堤防周りに入ることもあり、ライトタックルでのゲーム性は高い季節ともいえます。
この地域では、堤防・磯・沖堤防などのバリエーションが豊富なため、状況に応じたポイント選びが釣果を大きく左右します。
関西・瀬戸内海の青物シーズン
関西や瀬戸内海エリアは、秋のベストシーズンに加えて春にも好調なタイミングがあるのが特徴です。大阪湾や紀伊半島、播磨灘などでは、ブリ系・サワラ系・カンパチ系の釣果が期待できます。
秋(9〜11月)はベイトの接岸に伴い、イナダ〜メジロクラスの数釣りが盛り上がり、青物初心者でもチャンスが多い時期です。
また、春(4〜5月)も水温が安定してくると、ベイトに付いた個体が狙いやすくなるため、ヒット率が上がります。
特に淡路島や和歌山の地磯は春の実績が高く、ショアジギングでも大型が狙えるため、遠征する価値があります。
九州・沖縄・南方エリアの青物の特徴
九州・沖縄・南方エリアは、水温が高く青物の回遊が長期間にわたって安定しているのが大きな特徴です。
特に九州西部(長崎・熊本・鹿児島)や南部の離島エリアでは、冬〜春にもヒラマサやブリが釣れ続けるケースが多く、通年で狙えるポイントも存在します。
沖縄ではカンパチ(ショゴ)やGT系がメインターゲットで、夏場を中心に高水温でも活性が落ちにくいのが特徴です。また、離島ほど潮通しが良く、ナブラや鳥山が出やすい傾向があります。
遠征の価値が非常に高く、年間を通じて青物を狙いたいアングラーにとって理想的な地域と言えるでしょう。
釣果を伸ばすための“時期選び”のコツ

青物は「群れで回遊する魚」だからこそ、釣れる時期にピンポイントで狙うことが釣果アップの大きな鍵となります。
ここでは、実際の釣り場で役立つ回遊予測のヒントや、ベストシーズンを見極めるためのコツを解説していきます。
ベイトと潮回りの関係を意識する
青物を狙ううえで最も重要なのがベイトフィッシュの存在です。青物は基本的に回遊性が高く、常にベイトを追って動いています。
つまり、ベイトがいなければ青物もいません。
そのベイトの動きと密接に関係するのが潮回りです。
特に大潮・中潮の時期は潮の流れが速くなり、プランクトンが活発に動くことでベイトが動きやすくなります。
この流れに乗って青物が岸に寄ってくることも多く、釣り人にとっては好機となるのです。
反対に小潮・長潮などの潮の動きが鈍いタイミングでは、ベイトがあまり動かず、青物の回遊も減りがち。
「今日はベイトの姿が見えないな」と感じたら、潮回りを見直してみるとよいでしょう。
ナブラ・鳥山・海況から回遊を見極める
青物が釣れるタイミングを見極める上で、ナブラや鳥山、海の状況を観察することは非常に重要です。
ナブラとは、水面近くでベイトが逃げ惑ってざわついている状態のことで、これが見られたらすぐにキャストのチャンス。青物が活性高く捕食している合図です。
また、鳥山(特にカモメやウミネコなどが水面を意識して飛んでいる状態)も、上空からベイトを狙っているため、その下には高確率で青物が回遊しています。
さらに、海況も大事な要素。
うねりや風の強さ、水の濁り具合によってベイトの動きが変わり、それに連動して青物の動きも変化します。
「少し波っ気があるけど濁りが少ない日」などは、ナチュラルにベイトが集まりやすく、好条件となることが多いです。
オフシーズンでも釣れる可能性は?
青物といえば“ハイシーズンに釣るもの”というイメージが強いですが、実はオフシーズンでも釣果が出ることがあります。
特に近年は、温暖化による海水温の上昇や、ベイトの回遊パターンの変化などにより、これまで考えられなかった時期でも青物の釣果報告が上がるケースが増えています。
たとえば冬場でも水温が下がりきらない年には、ワラサやサゴシが居残っていることもあり、湾内や深場を狙うとヒットすることも。
ただし、オフシーズンは個体数が減るため、回遊が非常に読みにくいというのが正直なところです。
そのため、釣行前には釣果情報をしっかり確認し、ベイトの接岸や気温・水温の傾向を参考にして狙いを絞るのがカギになります。
まとめ|狙う時期を知れば、青物はもっと釣れる!

青物は回遊魚であるがゆえに、「釣れる時期」を正しく理解することが最重要です。
本記事では、季節ごとの傾向から、魚種別・地域別の時期の違い、そして釣果を伸ばすためのタイミングの見極め方まで詳しく解説しました。
釣り人の皆さんが狙っている「ブリ」「カンパチ」「サワラ」「ヒラマサ」も、それぞれにベストシーズンが異なります。
また、単に「時期」だけを見るのではなく、ベイトや海況、ナブラの発生状況など、リアルタイムの要素にも目を向けることが、安定した釣果につながるポイントです。
「時期を知る=釣果が変わる」
あなたの次の釣行が、青物との出会いに恵まれたものになりますように。
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