刺身やしゃぶしゃぶ、照り焼きでも美味しい冬の定番魚「ブリ」。
ですが「アニサキスが怖くて生で食べられない…」という声もよく耳にします。
私はこれまでに釣ったブリを100匹以上自宅で食べてきた現役の釣り人ですが、実際に内臓にアニサキスがいたことも何度かあります。
とはいえ、正しい知識と予防法を知っていれば、ブリは安心して食べられる魚です。
この記事では「ブリにアニサキスはいるのか?」という疑問に対し、天然・養殖の違いや感染リスク、安全な食べ方、アニサキスの見つけ方まで詳しく解説していきます。
正しく知れば怖くない!
安心して美味しいブリを楽しむために、ぜひ最後までご覧ください。
アニサキスとは?ブリに寄生するリスクを正しく理解しよう

「新鮮な魚なら安心」──そう思っている方も多いかもしれませんが、実はアニサキスなどの寄生虫リスクは“新鮮さ”だけでは防げません。
とくに近年、天然ブリにもアニサキスが寄生していたという報告例が少しずつ増えており、釣り人や料理する側としては注意が必要です。
ここでは、アニサキスとはどんな寄生虫なのか、ブリとの関係性、さらにその他の寄生虫リスクについても分かりやすく解説していきます。
「刺身で食べても大丈夫なの?」と不安に思った方は、ぜひチェックしておきましょう。
アニサキスってどんな寄生虫?
アニサキスは、長さ2~3cm、幅は0.5~1mmほどの白く細長い寄生虫です。
見た目はまるで白い糸のようで、内臓や筋肉にくるくると巻き付いていることが多く、慣れていないと見落としがちです。
このアニサキス、もともとは海の哺乳類(クジラやイルカなど)を終宿主としている寄生虫で、魚はあくまでその中間宿主。
魚を食べた際にアニサキスの幼虫が人間の胃や腸壁に入り込むことで、激しい腹痛や嘔吐を引き起こす「アニサキス症」を発症します。
寄生が確認される主な魚種は、サバ、イカ、アジ、サンマ、サケなど。
特に生食文化のある日本では、寿司や刺身で口に入る機会が多く、リスクが高くなります。
ブリの場合、寄生率は他の魚よりは低いとされていますが、ゼロではありません。
私自身もこれまでに100匹以上のブリを捌いてきましたが、その中で3匹ほどにアニサキスを発見しています。
頻度としては決して高くはないものの、油断して刺身で食べた時に限って当たる…なんてことも。
また、私自身、過去にアジの刺身でアニサキスに当たった経験があります。
その痛みは「のたうち回るほどの激痛」で、深夜に病院へ駆け込み、内視鏡で摘出してもらいました。
いま思い出しても背筋がゾッとする体験でした。
このように、アニサキスは見た目以上に強い症状を引き起こす危険な存在です。
だからこそ、正しい知識と予防法を身につけて、安全においしく魚を楽しむことが大切です。
ブリに潜むアニサキスのリスクとは?
「ブリにはアニサキスなんていないでしょ?」と思っている方も多いかもしれません。
実際、サバやアジに比べると寄生率は低いと言われていますが、ブリにもアニサキスが寄生する可能性はゼロではありません。
私自身、これまでにブリを100匹以上釣って捌いてきた経験がありますが、その中でアニサキスを目視で確認したのは3匹程度でした。
また、ブリ糸状虫(アニサキスとは別の寄生虫)も6〜7回は見つけたことがあります。
アニサキスはブリの内臓に寄生することが多いですが、魚の死亡後には筋肉に移動してしまうこともあります。
つまり、「新鮮だから安全」とは言い切れず、生食する場合には細心の注意が必要です。
特に天然ブリは、どんな環境で何を食べてきたか把握しきれないため、寄生虫のリスクは常に隣り合わせと考えておくべきです。
アニサキス以外の寄生虫も要注意
ブリに寄生するのはアニサキスだけではありません。
「ブリ糸状虫(ブリヒモムシ)」や、その他の線虫類・寄生虫も見つかることがあります。
中でも注意したいのが、ブリ糸状虫です。
名前の通り、白くて細長いヒモのような見た目で、特に身の中心部(血合い)や内臓周辺に多く寄生します。
私の経験上、極端に痩せ細ったブリや、奇形のブリはこのブリ糸状虫に寄生されてる確率が高いように感じます。
見た目がグロテスクなので、初めて見たときは驚かれる方も多いと思います。
私自身も最初は「うわ、これ食べられるの?」と不安になりましたが、ブリ糸状虫は人体には無害です。
また、赤い虫や黄色い小さな粒状の寄生虫が内臓から出てくることもあります。これらも加熱や冷凍で問題なく処理可能ですが、見た目で嫌厭されがちです。
重要なのは、「見た目にびっくりしても、冷静に判断すること」。
寄生虫は多くの場合、適切な処理でリスクをゼロにできます。大切なのは、正しい知識と対応方法を知っておくことです。
ブリにアニサキスはいる?感染の可能性とよくある誤解

まず最初に気になるのが、「そもそもブリにアニサキスはいるのか?」という点ですよね。
SNSや口コミなどで「ブリからアニサキスが出た!」という声を見かけると、どうしても不安になってしまいます。
結論から言えば、ブリにもアニサキスが寄生している可能性はあります。
ただし、すべてのブリにアニサキスがいるわけではなく、季節・釣れたエリア・魚の状態・種類(天然or養殖)によってリスクは大きく異なります。
この章では、ブリのアニサキス感染の可能性や、一般に広まっている誤解について、釣り人目線で分かりやすく解説していきます。
実際に釣ったブリ100匹以上捌いてわかったこと
私はこれまでにブリを100匹以上釣って捌いてきた経験があります。
その中で実際にアニサキスを目視で確認できたのは、およそ3匹程度でした。
また、「ブリ糸状虫」と呼ばれる、白くて細長い寄生虫を見つけたことも6〜7回あります。
見た目はやや気持ち悪いものの、アニサキスとは別種で人体に害はありません。
このような経験からも分かる通り、アニサキスの寄生率はそこまで高くないものの、ゼロではないというのが正直な実感です。
釣り人や自分で捌いて食べる人は、「絶対にいない」とは思わず、念のための対策を取ることが大切だと感じています。
養殖と天然でアニサキスのリスクは違う?
結論から言えば、養殖ブリのアニサキス感染リスクは極めて低いとされています。
その理由は、餌の違いと生育環境の管理です。
養殖ブリは、工場で加工された冷凍ペレット飼料を与えられて育ち、自然界に生息するアニサキスの中間宿主(オキアミなど)と接触する機会がほとんどありません。
一方で天然のブリは、自然界で直接ベイトフィッシュや甲殻類を捕食するため、アニサキスを体内に取り込むリスクが常にあります。
私がこれまでに釣ったブリ以外に、購入した養殖のブリを捌いた経験も何度もありますが、アニサキスが見つかったのはすべて天然ブリでした。
養殖ブリからは一度もアニサキスを確認したことがありません。
刺身で安心して食べたい場合は、養殖ブリを選ぶのがもっとも安全です。
どの部位にアニサキスが潜みやすい?
アニサキスは主に内臓(特に胃や腸)に寄生していることが多いですが、鮮度が落ちると筋肉部分(身)に移動することもあります。
私が実際に捌いた天然ブリの中では、ほとんどが内臓はその場で処分するか、
身の中で確認できたのは100匹中3匹程度で、いずれも釣ってから処理までに時間が空いた個体です。
なお、もうひとつ注意すべき寄生虫が「ブリ糸状虫」です。こちらは筋肉中にいて白い糸状に見える寄生虫です。
無害ではありますが見た目にインパクトがあり気にする人も多いです。
私の経験では、このブリ糸状虫は100匹中6~7匹の割合で遭遇しています。
調理前に光に透かして見ると白く透けるので、刺身にする前は特に念入りに確認するようにしています。
要するに、「内臓と、時間が経った後の身」には特に注意が必要です。
釣ったらすぐに内臓を取り除き、冷やして保存することでリスクは大幅に下げられます。
ブリを安全に食べるための予防法

天然ブリを生で食べる際は、アニサキスによる食中毒のリスクをゼロにすることはできません。
しかし、いくつかの予防策を組み合わせることで、感染の可能性を大きく下げることができます。
ここでは、自宅でも実践しやすい3つの有効な予防策をご紹介します。
加熱処理
中心温度60℃以上で1分以上加熱すれば、アニサキスは死滅します。
特に照り焼きや塩焼き、ブリしゃぶなどの加熱調理なら、安心して美味しく食べられます。
一方で、表面だけを炙った“炙り刺し”などは、内部に生きたアニサキスが残っている可能性があるため注意が必要です。
冷凍処理
−20℃で24時間以上の冷凍処理も、アニサキス対策として非常に有効です。
特に釣ったばかりのブリや刺身用の柵を冷凍する場合は、家庭用冷凍庫でもこの温度を保てるかを確認することが重要です。
私も過去に釣ったブリを48時間以上冷凍してから刺身にしたことで、安全に楽しめた経験があります。
目視での確認
アニサキスは白く細長い糸のような虫で、実際に目で確認できることもあります。
私がこれまでに釣った100匹以上のブリのうち、3匹は目視できるアニサキスを見つけた経験があります。
見つけた際はピンセットなどで取り除けばOKですが、すべてを目視で発見するのは難しいため、過信せず他の対策と併用するのがおすすめです。
釣ったらすぐに内臓を処理する
アニサキスは、ブリの内臓(特に胃や腸)に多く寄生していることが知られています。
魚が死後時間が経つと、内臓から筋肉に移動するリスクが高まるため、釣り上げたらできるだけ早く内臓を取り除くのが非常に効果的です。
私も釣りを始めた当初は氷締めだけで持ち帰っていましたが、ブリ糸状虫やアニサキスが心配になり、今では現場で必ず内臓を抜いてから持ち帰るようにしています。
これを徹底するようになってから、寄生虫に不安を感じることはほぼ無くなりました。
生食や刺身にする予定がある方は、ぜひ「釣ったらすぐに内臓処理」を習慣にしましょう。
アニサキスを見つけるためのツール

アニサキスは白く細長い虫ですが、筋肉の奥深くに入り込んでいると目視での発見は難しいこともあります。
そんなときに役立つのが、ブラックライト(紫外線ライト)です。
ブラックライトを使うとアニサキスが光る
アニサキスの体表は紫外線を反射するため、ブラックライトを照射すると白く光って浮かび上がることがあります。
とくに刺身にする前のサク取りの段階で照らすと、筋肉内に潜んでいる個体も見つけやすくなります。
私もアニサキスを見つける際には、実際にコンパクトなブラックライトを使ってチェックしています。
安価なもので十分効果があり、1本持っておくと安心です。
私の愛用してるアニサキスライト|ハピソン YF-980
アニサキスを目視で発見するには「紫外線ライト(ブラックライト)」が非常に役立ちます。中でも釣具メーカーHapyson(ハピソン)の「YF-980」は、釣り人目線で作られた本格的な防水ライトとして高評価を得ている製品です。
このYF-980はUV波長約375nmのライトで、アニサキスの体表を白く浮かび上がらせてくれます。
特に切り身にしたブリやサワラなどの白身魚を照らすと、潜んでいたアニサキスが明確に視認できることがあります。
私も実際にこのYF-980を使ってアニサキスを発見したことが何度もあります。
とくに「夜に捌くとき」や「明るい日差しが届かない釣り場の水場」でのチェックに抜群。小型で片手でも扱いやすく、防水性もあるので安心して使用できます。
価格は少々高めですが、その分性能と安心感は段違い。釣った魚を美味しく安全に食べるための“お守りアイテム”として、1本持っておく価値は十分にあります。
✅ まとめ|ブリにアニサキスがいる可能性は低いが、ゼロではない!
・天然ブリには、まれにアニサキスが寄生している場合があります。
私自身もこれまで100匹以上のブリを釣ってきましたが、そのうち3匹ほどでアニサキスを目視確認。
また「ブリ糸状虫」などの寄生虫を6〜7回ほど見かけています。
・アニサキスのリスクを減らすためには、以下の対策が有効です。
- 60℃以上で1分以上の加熱
- -20℃で24時間以上の冷凍
- 釣った直後に内臓を取り除く
- 目視での確認(ブラックライトも有効)
・養殖ブリは比較的リスクが低いとされていますが、100%安全とは限りません。
あくまで「確率が低い」だけであり、調理前の確認は怠らないようにしましょう。
・万が一、アニサキス症の症状が出た場合は、速やかに病院で受診してください。
内視鏡による除去で改善できますが、放置すると痛みが長引くこともあります。
生で美味しく食べるためにも、しっかりと対策をした上で安全に楽しみましょう。
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