こんにちは。現役釣具屋店員のみきやです。
磯釣りを安全かつ快適に楽しむには、専用の「釣り靴(磯靴)」選びが超重要です。
特に、濡れた磯やコケが生えた岩場では、スニーカーや長靴では命の危険もあるほど滑りやすくなります。
そんな過酷なフィールドで安心して立ち回るには、ソールやフィット感にこだわった専用シューズが必須です。
自らの命を守るのは勿論、足場が安定する事によって釣りのしやすさから釣果にも結びつきます。
この記事では、現役釣具店スタッフとして靴を販売しながら、頻繁に地磯に通っている私が、実際の使用感やお客様からの声をもとに「本当におすすめできる磯釣り用の靴10選」を厳選して紹介。
人気のダイワ・シマノ製の本格フェルトスパイクモデルから、コスパ重視の安い入門モデルまで幅広く紹介するので、ぜひ靴選びの参考にしてください!
磯釣りで靴が重要な理由

磯釣りにおいて「靴選び」は命に関わるほど重要な装備のひとつです。
釣りを始めたばかりの頃は「長靴やスニーカーでもいいかな?」と思ってしまう方も多いですが、磯場の岩肌は驚くほど滑りやすく、軽装での釣行は非常に危険です。
また、グリップ力の高い靴を選ぶことで、足場の安定感が増して釣果にもつながるため、安全面だけでなくパフォーマンス面でもメリットが大きいんです。
磯場の危険性と滑落事故
磯場は想像以上に足元が不安定で、滑落事故も毎年発生しています。
特に、コケや海藻が付着している濡れた岩は「立っているだけでも滑る」ほどで、普通のスニーカーでは踏ん張りがきかず非常に危険なので辞めましょう。
実際に私自身も、友人と地磯へ釣行した際に友人の転倒事故を目の当たりにしたことがあります。
濡れた岩場で足を滑らせた友人が岩に膝をぶつけて出血し、その場で釣りを中断せざるを得ませんでした。
幸い大事には至りませんでしたが、改めて磯靴の重要性を痛感した瞬間でした。
釣具店でも「滑って道具を落とした」「竿が岩にぶつかって折れた」「尻もちをついて骨折した」などの声をよく聞きます。
靴代をケチって病院代を払ったり、道具代を払ったりするぐらいなら専用の靴を買った方が安上がりです。
命を守るためにも、滑りにくい専用の磯靴を履くことは必須です。
釣果にも影響する「安定感」
実は、磯場での「釣果」にも靴の性能は大きく関わっています。
例えば、キャスト時に足元が安定していれば体重をしっかり乗せることができ、飛距離アップに直結します。
また、魚とのやり取り中も踏ん張りが効くことでファイトが安定し、バラシ(魚が外れる)を防ぐ効果も。
結果として、「磯でしっかり釣る」には安定感のある磯靴が欠かせないのです。
実際、私自身も「下手に竿やリールより靴等の身につける道具にこだわった方が釣果が伸びる」と感じています。
磯靴は安全装備であると同時に、「釣りのパフォーマンスを底上げするギア」としての役割も担っているのです。
磯靴の種類と選び方ガイド | フェルトスパイクが最強な理由

磯釣り用の靴にはいくつかのタイプがあり、フィールドの地形や足場の状態に合わせて選ぶことが非常に重要です。
「とりあえず安いやつでいいや」と思って選ぶと、滑ったり、足が疲れたり、すぐに買い替えることになってしまうことも。
ここでは、現役釣具屋の目線で「スパイクソール」「フェルトソール」「フェルトスパイク(ハイブリッド)ソール」の特徴や、「シューズタイプ」「ブーツタイプ」の選び方のポイントをわかりやすく解説していきます。
スパイクピンソール|硬くてグリップ力が強い
ゴツゴツとした岩場で抜群のグリップ力を発揮するのがスパイクソール。
スパイクピンが岩にしっかり刺さるため、ハードな地磯や磯場でも安心して踏ん張れるのが大きな特徴です。
ただし、凹凸の少ないテトラや堤防ではピンが刺さらず滑りやすくなるため、使用場所には注意が必要です。
フェルトソール|滑りやすい岩に強い
渓流釣りや、足場の良いテトラ帯や堤防での釣行に最適なのがフェルト素材。
軽量で柔軟性があり、歩きやすくて疲れにくいのが魅力。細かな足場の凹凸にも密着して滑りづらさを発揮します。
一方で、ゴツゴツした磯ではグリップ力が足りず、滑る危険性が高まる点には注意が必要です。
フェルトスパイクソール|滑りやすい岩にも凹凸にも対応
フェルトの密着力とスパイクピンのグリップ力を兼ね備えたハイブリッドタイプ。
磯場での釣りなら正直これ一択だと思ってます。
テトラや堤防などの比較的安定した足場から、荒磯のような不安定な地形まで幅広く対応可能です。
実際、私がお世話になっている地元の渡船屋さんでもこのタイプを推奨しており、比較的軽量で動きやすく、どんな場所でも滑りにくいため、私自身も普段から愛用しています。
実際、私がお世話になっている地元の渡船屋さんでもこのタイプを推奨してます。お客様から靴選びについて相談を受けた際は、迷わずこのフェルトスパイクタイプをおすすめしています。
磯釣り靴はシューズとブーツの2タイプ
磯釣り用の靴には、大きく分けて「シューズタイプ」と「ブーツタイプ」の2種類があります。
釣行スタイルや季節、ポイントの安全性によって適したタイプは異なりますので、それぞれの特徴をしっかり押さえて選ぶことが大切です。
シューズタイプ|軽快に動けて足場のいい磯向き
軽量かつ動きやすいのが最大の魅力。足首の可動域も広いため、テトラや堤防、比較的安全な磯での使用に向いています。
移動距離のある釣り(ランガン)や、夏場の暑い時期にも快適に履けるので、私自身も真夏の釣行ではよく使用しています。
ただし、波をかぶるような荒磯では水が入りやすく、滑りやすさや安全面でやや不安が残るため注意が必要です。
ブーツタイプ|足首までしっかりガード、荒磯向き
ハイカットで足首までしっかり保護できる設計になっており、濡れた岩や不安定な足場でも安心して踏み込めます。
水をかぶる可能性がある荒磯や波打ち際などでは必須アイテムと言っても過言ではありません。
その反面、真夏の釣行ではかなり暑く、長距離の移動があると体力的にきつく感じることも。
ポイントまでのアクセスが短く、波を被るような危険な釣り場での使用に適したタイプです。
釣り用の磯靴おすすめ8選 | 安い入門モデル〜ダイワシマノのフェルトスパイク
これまで数十足以上の磯靴を自分でも試し、実際に釣具店で接客を通じてお客様にご案内してきた中で、信頼できる磯靴8選を厳選しました。
フェルトスパイク・スパイク・ブーツ・コスパ重視・ブランド重視など、さまざまなニーズに対応できるラインナップです。
「どれを選べばいいか分からない」という方も、この中から選べば失敗しません。
ダイワ フェルトスパイク DS-2680-H
数多くの磯靴を試した私がたどり着いた、現在愛用している磯靴です。
ハイカット仕様で水が入りくい上に、軽量素材で履き心地も快適。
フェルトスパイクのソールはグリップ力が高く、テトラやゴロタ場、磯まで幅広いシーンに対応できます。
滑りにくさ・軽さ・安心感のバランスが非常に良く、これから磯靴を選ぶ方にはまず最初の一足として強くおすすめしたいモデルです。
カラーもブラックとモスグリーンの2色展開で、どちらも使いやすく見た目も非常にカッコイイです!
実際に店頭でも購入される方が多く、ダイワブランドの信頼性も大きな魅力のひとつです。
ダイワ フィッシングブーツ(フェルトスパイク)
ルアーフィッシングに重要な“動きやすさ”を追求した、ルアーマンのためのブーツ。
ブーツタイプながら軽量で取り回しが良く、足場の悪い磯場やテトラでもしっかり動けます。
防水性・グリップ力・快適性を兼ね備えており、価格も比較的リーズナブルなのでコスパ重視の方にもおすすめです。
ダイワ ロックショアシューズ ハイカット TGスパイク
その名の通りロックショアに特化したスパイクシューズで、ゴツゴツした磯場での使用に最適。
スパイクピンにはTG(タングステン)を採用しており、従来のステンレス製ピンに比べて疲労を軽減してくれる点も魅力です。
本格的なロックショアゲームを快適かつ安全に楽しみたい方におすすめの一足です。
シマノ(SHIMANO) カットラバーピンフェルトフィットシューズ
こちらも実際に私が所持しているモデルで、非常にオススメの磯靴です。
ソールにはフェルト+スパイクピンに加えて、さらにラバー素材も採用。
合計で3素材が仕様されているおかげで、滑りやすい岩場からテトラ、堤防まで幅広く対応できます。
BOAシステム搭載で、ダイヤルを回すだけで簡単にフィット感を調整可能着脱の手軽さと足への密着性が大きな魅力です。
履き心地も良好で、磯靴ながら通常のスニーカーのような使い心地です。
シマノ(SHIMANO) ジオロックシューズ
同じくシマノの磯靴で、磯釣り用シューズとして高い評価を得ている定番モデルです。
ソールはフェルト+スパイク+ラバーの3素材構成で、滑りやすい岩場・苔のあるテトラ・濡れた堤防などでも安心して使用可能です。
性能の割に比較的価格が抑えられており、ソール交換も可能なので長期的に見ても非常にコスパが良いのが魅力。
はじめての磯釣り靴としても、買い替え用としてもおすすめできるバランスの取れた1足です。
シマノ(SHIMANO) リミテッドプロ ジオロックブーツ
丈のあるブーツタイプを探している方にはまずこの1足。
長靴のような見た目ですが、サイドファスナー付きで脱ぎ履きしやすく、実釣でも快適に使えます。
ベースラバー1.2mm+発泡ラバー1.7mm=計2.9mmの厚手ラバー構造により、磯場やテトラでの耐久性も抜群。
ジオロックシステムにより、ソール交換も簡単。長く使える磯ブーツとして非常におすすめです。
阪神素地 フェルトスパイクシューズ
とにかく安くフェルトスパイクシューズを手に入れたいという方におすすめのエントリーモデル。
価格の割にしっかりとした作りで、軽さと機動性も優秀。
ただし完全防水ではないため、波をかぶるような釣り場では不向き。
防水ソックスとの併用で、コスパ重視の釣行スタイルにマッチします。
阪神素地 フェルトスパイクシューズ ハイカットモデル(マジック)
コスパよくハイカットのフェルトスパイクが欲しい方にはこれがおすすめ。とにかく安価で手に入れやすい一足です。
マジックテープ+内側ファスナー仕様なので、ハイカットながら脱ぎ履きもスムーズでフィット感も調整しやすいのが魅力。
ただしこちらも完全防水ではないため、波をかぶるような磯や荒れたエリアでは注意が必要です。
磯靴を安全に使うための注意点とメンテナンス

磯靴は安全性を高めてくれる頼もしい装備ですが、使い方を誤ると滑落や怪我のリスクが高まることもあります。
また、フェルトソールには寿命があるため、定期的なメンテナンスと交換の意識がとても重要です。
滑らない歩き方と装備
磯場では歩き方ひとつで滑る危険性が大きく変わります。
足を「置く」ように歩くことを意識し、重心を低く保つことでバランスを崩しにくくなります。
また、濡れてコケの生えた岩場は非常に滑りやすく、スパイクやフェルトスパイクでも完全ではありません。
私はフェルトスパイク+フェルトスパイク対応のグローブと杖(磯用ステッキ)を併用して、安全を確保しています。
フェルトソールの交換時期と手入れ
フェルトソールは使い込むごとに摩耗し、グリップ力が大きく低下します。
目安としては、フェルトの厚みが明らかに薄くなった・平らになったと感じた時点で交換を検討すべきです。
また、使用後は真水でしっかり洗って塩分を落とし、風通しの良い場所で乾燥させることも大切です。
私は定期的にソールの状態を確認し、半年〜1年程度での交換を推奨しています。
よくある質問Q&A

磯釣り用の靴について、釣具店でよくいただく質問をまとめました。
これから磯靴を選ぶ方や、実際に使っている中で不安を感じた方はぜひ参考にしてみてください。
磯靴のサイズは普段履きより大きめがいい?
基本的には普段の靴より0.5〜1.0cmほど大きめを選ぶ方が多いです。
特にフェルトスパイクタイプはやや厚手の靴下や防水ソックスを履くこともあり、少し余裕のあるサイズ感がベストです。
実際に私自身も、普段履きの靴より1cmサイズを上げるようにしています。
逆にぴったりサイズを選ぶと、長時間の釣行で足が痛くなったり血行不良を起こすこともあります。
ソールはどれくらいで減る?
使用頻度にもよりますが、週1〜2回の釣行で半年〜1年が交換の目安です。
フェルト部分が平らになったり、スパイクピンが削れてしまうとグリップ力が激減します。
面倒で疎かになってしまいがちな部分ですが、安全面に直結するため、少しでも違和感を感じたら交換を検討してください。
滑らないコツはある?
磯場では装備だけでなく、歩き方や意識も大切です。
私がよく伝えているのは「足を擦らず、置くように歩く」「体の重心を前にしすぎない」こと。
また、濡れた岩や海苔が生えた岩は特に滑るため、歩く場所を選ぶことも重要です。
どれだけ高性能な磯靴でも万能ではないので、安全第一での行動を心がけましょう。
道中でも使える?
地磯に向かう際の山道や岩場などでも磯靴は使えますが、長距離の移動では足が疲れやすく、ソールの摩耗も早いため注意が必要です。
とはいえ、スニーカーや軽装の靴で山道を歩くのはむしろ危険なので、私は短距離の地磯釣行であればそのまま磯靴を履いて移動するようにしています。(オススメはしません)
距離が長い場合は登山靴やトレッキングブーツなどを使って、現地で履き替えるという選択肢もありますが、正直そこまでして釣行するかはスタイル次第です。
まとめ|磯釣りは足元がすべて。安全と釣果を左右する「靴選び」が超重要!
磯釣りでは、竿やリール以上に「靴の選び方」が命運を分けると言っても過言ではありません。
実際に多くの滑落事故が発生しており、フェルトスパイクなどの専用靴が生死を分けるケースもあるほどです。
さらに、しっかりと足元が安定すれば、キャストの飛距離や魚とのやり取りにも差が出て、釣果アップにも直結します。
私は釣具店員として多くのお客様に靴選びのアドバイスをしてきましたが、やはり最終的にフェルトスパイクのハイブリッドモデルを選ばれる方が圧倒的です。
今回紹介した8選は、コスパ重視〜本格仕様まで幅広いニーズに対応しています。ご自身の釣行スタイルに合わせて、ぜひ最適な一足を見つけてみてください。
「滑らない」=「安心して集中できる」。それこそが釣果にもつながる最大の近道です。
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