「小潮は釣れないから行かないほうがいいよ」
釣りを始めたばかりの方なら、一度はこんな言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
確かに潮が大きく動く大潮や中潮のほうが魚の活性が上がりやすく、「釣れる」とされるのが一般的です。
しかし実は、小潮にもちゃんと“釣れるタイミング”や“釣りやすさ”のメリットがあるのをご存じでしょうか?
実際に私は釣行ごとに潮を含む海の状況を記録していて、過去の釣行1000回以上のデータがあります。
ある条件では「大潮」より「小潮」の方が倍近く釣果が出ています。
本記事では、「小潮=釣れない」というイメージの理由や、アジ釣りやエギングでむしろ狙い目になる条件まで、わかりやすく解説していきます。
「小潮だけど釣りに行って大丈夫?」「実際の釣果はどうなの?」と気になる方は、ぜひ最後まで読んでください。
そもそも小潮とは?釣りとの関係をわかりやすく解説

「小潮の日は釣れにくい」とよく耳にしますが、そもそも“小潮”とはどのような潮の状態を指すのでしょうか?
釣果に影響する“潮の動き”は、月の引力によって起きる自然現象。釣りにおいてはこの潮汐リズムが魚の行動パターンや捕食タイミングに大きな影響を与えます。
特に潮の流れの強弱は、ルアーの動き、仕掛けの安定感、そして魚の活性に直結する重要な要素です。
ここでは、「そもそも小潮とは何か?」という基本から、「なぜ小潮が釣れにくいと言われるのか」「どんな釣り方に向いているのか」といった、釣り人目線で知っておくべき知識をわかりやすく解説していきます。
小潮の特徴を知れば、次の釣行がより戦略的で有意義なものになるはずです。
🌊潮の種類(大潮・中潮・小潮・長潮・若潮)の基本
釣りにおける「潮」とは、月や太陽の引力によって起こる海面の上下(潮汐)のリズムを指します。
この潮の動きによって魚の活性やエサの流れが左右されるため、釣果に直結する大切な要素の一つです。
潮の種類は大きく分けて以下の5種類に分類されます:
- 大潮(おおしお):干満差が最も大きく、潮の動きも強い
- 中潮(なかしお):大潮の次に潮位差があり、安定して釣れる日も多い
- 小潮(こしお):干満差が小さく、潮の動きもゆるやか
- 長潮(ながしお):さらに潮の動きが鈍く、停滞感がある潮回り
- 若潮(わかしお):小潮から中潮へと移行する、やや不安定なタイミング
これらの潮の順番は、新月や満月の直後に「大潮」→「中潮」→「小潮」→「長潮」→「若潮」→「中潮」→「大潮」へと、およそ2週間サイクルで繰り返されます。
それぞれの潮には特徴があり、「今日は大潮だから釣れる」「小潮はやめたほうがいい」などの印象を持っている釣り人も多いですが、実際は釣り方や魚種によって最適な潮が異なるのが現実です。
次の見出しでは、小潮の周期や特徴についてさらに詳しく解説していきます。
🌙 小潮の周期・特徴とは?流れが弱い潮ってどういうこと?
小潮とは、大潮・中潮に続く潮回りのひとつで、潮の干満差が最も小さい状態を指します。
通常、新月や満月から数えて4〜6日目あたりにやってきます。
干満の差が小さいということは、潮の流れが非常に緩やかであるということを意味します。
たとえば、満潮から干潮までの潮位差が1メートル以上ある大潮に比べて、小潮では数十センチしか変わらないことも珍しくありません。
この“流れの弱さ”は、釣りにおいては賛否が分かれるポイントです。
潮が動かなければ魚の活性も上がりづらいとされる一方で、仕掛けを安定させたいときや、流れを嫌う魚を狙う場合には好都合となることもあります。
つまり、小潮は一概に「釣れない潮」と決めつけるには早計であり、潮の動きに合わせたアプローチができるかどうかが釣果に大きく影響するのです。
🌊 釣り人にとっての「潮の流れ」の重要性
釣りにおける「潮の流れ」は、釣果を左右する最重要ファクターの一つです。
魚たちは、潮の動きに合わせてエサを探し回るため、潮が動いている=魚の活性が高いという傾向があります。
特にルアー釣りやエギングでは、潮が動くタイミングでベイトフィッシュ(小魚)も動くため、それを追ってくるフィッシュイーター(シーバス・青物・アオリイカなど)が狙いやすくなります。
逆に潮が止まっていると、ルアーに対する反応も鈍くなりがちです。
また、仕掛けの沈み方や動き方にも潮の流れは大きく影響します。たとえば、潮が速すぎると軽いジグヘッドが底を取れず、逆に潮が緩すぎるとルアーのアクションが不自然になるなど、潮によってタックル選びや操作方法も変える必要があります。
ただし、小潮のような「緩い流れ」がプラスに働くケースも確実に存在します。エサが長くその場にとどまるため、居付きの魚をじっくり狙えることもありますし、初心者でも操作しやすい状況になることが多いのも特徴です。
このように、潮の流れを理解することは、釣行のタイミング選びから道具選び、ポイント選定まで、すべてに関わる重要な知識です。「今日は潮が動かないから釣れない」と決めつける前に、その日の潮に合った攻め方を考えることが、結果的に釣果アップに直結します。
小潮は本当に釣れない?釣果が落ちると言われる理由とは

釣り人のあいだでよく語られるのが、「小潮の日は釣れない」という噂。実際に、SNSやブログなどを覗くと、「今日は小潮だったから全然釣れなかった…」という投稿を目にすることも少なくありません。
では本当に、小潮は釣果が落ちる“ハズレ日”なのでしょうか? 実はそこには、小潮特有の潮の動きと魚の習性が密接に関係しています。
ここでは、なぜ小潮の日に「釣れない」と言われがちなのか、その根拠と釣果が下がるとされる理由について、釣り人目線でわかりやすく解説します。
流れが弱く魚の活性が上がりづらい
小潮は潮の動きが最も緩やかになるタイミングのひとつです。この「潮の動きがない」状態こそが、魚の活性に大きく影響します。
一般的に、潮が動くと海水中の酸素が循環し、エサとなるプランクトンや小魚も活発に動きます。それを追ってフィッシュイーターの魚たちも活発になります。つまり、潮が動く=魚も動く=釣れるというわけです。
一方、小潮ではこうした潮の動きが少なく、海中が停滞気味になります。特に回遊性の強い魚種(青物やシーバスなど)にとってはエサを探す動きが鈍くなり、結果としてルアーや仕掛けへの反応も悪くなりがちです。
実際に、アジングやエギングといった繊細な釣りでは、この潮の動きの弱さがネックになり、「アタリが極端に減る」「魚が目の前にいても反応しない」といった現象が起きやすくなります。
つまり、小潮=絶対に釣れないというわけではありませんが、魚のスイッチが入りにくい日であるというのは、経験者の間でも一致した認識です。
潮の変化が少なく“時合い”が読みにくい
釣りにおいて「時合い(じあい)」とは、魚の活性が急に上がり、短時間で一気に釣れる時間帯のことを指します。特に潮の満ち引きの切り替わりタイミング──いわゆる「潮の変わり目」は、魚にとってもエサを探しに動く好タイミングです。
しかし、小潮はその「潮の変わり目」がゆるやか。干満の差が少ないため、魚にとっても「そろそろ動こうかな…いやまだでいいか…」といったように、活性のスイッチが入りにくい状態が続きます。
さらに、時合いそのものが短くなる傾向もあり、朝まずめ・夕まずめといった定番の釣れどきが不発に終わることも珍しくありません。これは、アジやイカといったナイトゲーム系の釣りでも同様です。
経験の浅い釣り人ほど「今日は全然釣れないな…」と感じやすくなり、それが「小潮=釣れない」という印象を強める原因にもなってしまいます。
実際には潮の動き以外にも気温・気圧・水温・風など多くの要因が関係しているのですが、小潮の日は“時合い頼り”の釣りが成立しづらいという点は、しっかり頭に入れておきましょう。
過去の釣行やSNSで「釣れなかった体験談」が多い
小潮に対して「釣れない」というイメージを持っている人は少なくありません。その理由の一つが、SNSや釣りブログなどで“釣れなかった”という体験談が多く見られることです。
実際に私自身、釣行ごとに潮の状況や天候、釣果などをメモして記録しており、これまでに1000回以上の釣行データがあります。その中で傾向を見てみると、やはり基本的には大潮や中潮と比べて小潮は明らかに釣果が落ちる傾向があると感じています。
但し、特定の条件では小潮が1番釣果がいいパターンもあります。
特にシーバスや青物、アジ、イカなど、潮の流れに強く影響される魚種では、その差が顕著です。釣れたとしてもサイズが小さかったり、ヒット数が少なかったりと、全体的に満足度の低い釣行になりやすいのも小潮の特徴といえます。
さらに、X(旧Twitter)やInstagram、YouTubeの釣果投稿を見ても、小潮の日は投稿数自体が少なく、仮に釣れていたとしても“渋かった”というコメントが目立ちます。
こうした情報の積み重ねが、「小潮=釣れない」という印象を作り出しているのは間違いありません。もちろん、条件さえ揃えば釣れる日もありますが、“避けられがちな潮”であることには違いないのです。
小潮は実は狙い目!釣れないどころかむしろ釣れる理由

ここまで「小潮は釣れにくい」というネガティブな意見を紹介してきましたが、実は小潮ならではのメリットや“狙い目”のタイミングもあることをご存じでしょうか?
釣り歴が長い人ほど、経験的に「小潮の日に意外と良い思いをした」なんて話をよく聞きます。潮が緩い=釣れない、とは限らないんです。
実際に、私自身も特定のターゲットや釣法において、小潮がベストだった経験が何度もあります。
この章では、小潮だからこそ得られるアドバンテージや、実際にどんな魚・釣り方で有利に働くのかを詳しくご紹介していきます。
小潮はエサ釣りに最適?潮が緩いことで“狙いが効く”理由とは
小潮は潮の動きが緩やかなため、「仕掛けやエサが流されにくい」という点で、特にエサ釣りにおいて非常に好条件となるケースが多いです。サビキ釣り・フカセ釣り・ぶっこみ釣りなど、コマセや匂いで魚を寄せるスタイルにおいては、小潮の恩恵を大きく受けられます。
大潮のような速い流れでは、せっかく撒いたコマセが一瞬で流れてしまい、狙った層に魚を留めておくのが難しくなることもしばしば。また、付けエサと撒き餌の同調も難しくなり、アタリが遠のく場面もあります。
その点、小潮であればコマセが効きやすく、一定の層に長くとどまるため、魚をピンポイントで狙いやすくなるのです。また、流れが弱いことで仕掛けも安定し、魚の違和感を減らすことができるのもメリットの一つです。
実際に私の釣行データを見ても、アジのサビキ釣りでは大潮より小潮の方が釣果が倍近くあり、大潮より小潮の方が長時間にわたってアジが留まる傾向があります。
潮が緩やかというだけで、これほどまでに結果が変わるのは驚きです。
つまり、小潮は「釣れない」と言われがちですが、特にエサ釣りでは“狙いが効く”絶好のタイミングになることも珍しくないのです。
魚が居つきやすい状況が生まれる
小潮の日は、潮の流れが緩やかな分、海中の環境が安定しやすいという特徴があります。これは釣りにとって実は非常に大きな利点です。
潮が激しく動く大潮や中潮では、海底の砂が巻き上げられたり、濁りが強くなったりすることがあります。こうした不安定な状況では、警戒心の強い魚がなかなか口を使わなかったり、ポイントを離れてしまったりするのです。
一方、小潮のタイミングでは流れの緩さによってポイント内の状況が変化しにくく、魚がその場に“居着く”=滞在しやすい傾向にあります。
特にアジやメバル、カサゴといった根魚・回遊魚の中間的な性質を持つ魚種は、安定した環境を好みます。
こうした魚にとって、小潮はむしろ「居心地の良い」タイミングなのです。
私の経験でも、堤防の内側や港内などの流れが元々穏やかな場所では、小潮の日にこそ高確率で釣果が安定することが多くありました。流れが少ない=魚がいないというのは誤解であり、むしろ“止まりやすい”タイミングとして活用すべきなのです。
エギングや青物釣りに有利な場面とは?
基本的には、大潮の方が潮の動きが活発で魚の活性も上がりやすいため、釣果が期待できる場面が多いです。しかし、すべての釣り場・状況において「大潮が最適」とは限りません。
エギングや青物狙いでは、小潮がむしろ有利に働くケースもあります。
たとえばエギングでは、流れが強すぎるとエギが安定せず、ボトムが取りづらかったり、シャクリのテンポが合わなかったりすることがあります。釣り場によっては潮が緩やかな小潮のほうが、エギをナチュラルにアクションさせやすく、狙ったレンジをキープしやすくなります。
また、春から初夏にかけたアオリイカの産卵期には、大潮では警戒心が強くなり、活性が落ちる傾向があります。実際、私の釣行記録でも、産卵期に関しては小潮や長潮のタイミングの方が釣果が安定していました。
青物に関しても同様で、潮が速すぎるとルアーが流されてアクションしづらく、ヒット率が落ちることがあります。また、大潮の日にはベイトが入りすぎてルアーが埋もれてしまうことがあり、逆に小潮のようにベイトが入りにくいタイミングの方が、ルアーに反応が出やすいケースもあります。
このように、エギングや青物狙いにおいても、小潮には「小潮なりの強み」があります。ポイントや時期、ターゲットに応じて潮の強さを使い分けることが、安定した釣果につながる大きなヒントになります。
釣れない小潮で釣果をあげるためのコツと実践テクニック

小潮は「釣れない」と思われがちですが、実際には条件の工夫次第で十分に釣果をあげることが可能です。潮の流れが弱いぶん、魚の行動パターンを読みやすく、丁寧なアプローチが活きるタイミングでもあります。
ここでは、小潮のタイミングでも釣果を伸ばすための「具体的なコツ」と「実践的なテクニック」を紹介します。
時間帯と潮止まりを味方につける
小潮は潮の動きが緩やかなため、大きな時合い(爆発的に釣れる時間帯)が生まれにくいのが特徴です。しかし逆にいえば、潮止まり前後のわずかな変化が勝負どころになるともいえます。
特におすすめなのは「満潮前後」「干潮前後」のわずかな潮の動きが出るタイミング。この時間帯は、魚が回遊してくるチャンスが高く、かつプレッシャーも少ないことが多いため、集中して狙うべきです。
また、ナイトゲーム(夜釣り)では、光量や潮の動きによって魚の行動が変わるため、常夜灯下など環境が安定した場所での釣行が効果的です。
風や水深など“潮以外”の条件を重視する
小潮で釣果を伸ばすためには、潮の動き以外の条件に着目することが非常に重要です。
特に風向き・水深・水質・ベイト(エサとなる小魚)の有無は、釣果に大きく影響します。
たとえば風が正面から吹くポイントでは潮の動きが強調されやすく、ベイトも寄りやすくなるため、釣果につながりやすい傾向があります。
また、水深がある場所では、表層の潮が緩くても中層やボトムで流れが効いている場合もあるため、水深のある堤防やテトラ帯は狙い目です。
さらに、濁り具合や水温変化にも注目しましょう。
雨の後などは濁りが入りやすくなりますが、アジやシーバスなど一部の魚種には好条件となる場合も。潮に頼れない分、他の自然条件を総合的に判断する力が問われるのが、小潮攻略のカギです。
タックル選び・ルアー選びを変えるだけで釣果UP
小潮の日は潮の流れが穏やかで、水中の変化が少ないため、魚の反応もシビアになりがちです。そんな時こそタックルやルアー選びが釣果に直結します。
たとえばアジングなら、軽量ジグヘッド+極細ラインでナチュラルなアクションを重視することで食わせやすくなります。
シーバスやエギングの場合でも、飛距離よりも繊細な操作性やレンジキープのしやすさを重視したセッティングが有効です。
また、ルアーについても派手なカラーや強い波動より、地味色+小さなシルエットプレッシャーに強いルアー選びを心がけましょう。
普段の“いつものタックル”が通用しづらいのが小潮の特徴。潮に応じたギアの使い分けができる人ほど、安定して釣果を出しやすくなります。
ポイントの絞り方と釣行計画の立て方
小潮は潮の動きが弱いため、潮の流れに頼った回遊待ちの釣りは不利になりがちです。そのため、小潮での釣果を伸ばすには狙うポイントの選定と釣行タイミングの工夫がとても重要です。
具体的には、地形変化がある場所(かけ上がり・ブレイク・ストラクチャー)や、潮がぶつかりやすい堤防の先端・角地など、水中に“変化”がある場所を選びましょう。こうした場所は潮が動きにくい小潮でもわずかに水が動くため、ベイトが溜まりやすく、魚も付きやすい傾向があります。
また、潮止まりの前後1時間が小潮では最も魚の動きが活発になるタイミングです。潮の満ち引きによる大きな変化がない分、「ちょっとした動き」が“時合い”になるため、ピンポイントでその時間帯に合わせて釣行を組むのがコツです。
なんとなく釣りに行くのではなく、地形・タイミング・魚種ごとの動きを事前に調べて計画を立てる。これこそが“小潮でも釣れる人”になるための大きな一歩です。
まとめ|小潮は怖くない!理解と工夫で確かな釣果を狙おう

「小潮=釣れない」というイメージは根強く、実際に流れの弱さや時合いの読みにくさから釣果を落とすケースもあります。
しかし、小潮には流れが穏やかで仕掛けやルアーをコントロールしやすいというメリットがあり、エサ釣りやアジング・エギング・青物狙いなどでも釣れる状況は確実に存在します。
大切なのは、「潮が悪いから釣れない」と決めつけるのではなく、小潮ならではの特性を理解して、戦略を立てることです。
実際に私も1000回以上の釣行データを取る中で、小潮でもしっかり釣果を出せた日が何度もありました。
今回ご紹介したポイントやテクニックを活かせば、小潮の日でも釣りがもっと楽しく、もっと充実したものになるはずです。
潮回りにとらわれすぎず、状況に応じたアプローチを工夫していきましょう!
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