「大潮が一番釣れる」──そんなイメージを持っている釣り人は多いのではないでしょうか?
しかし、1000回以上の釣行データを蓄積してきた私の経験上、実際に“もっとも釣果が安定していた潮”は「中潮」でした。
大潮は確かに魚の活性が上がる反面、潮が動きすぎて釣りにならないことも少なくありません。
それに比べて中潮は、適度な潮の動きと安定した時合が重なりやすく、初心者にも扱いやすいまさに「釣りやすい潮」なのです。
この記事では、中潮の仕組みから実際の釣果データ、さらには他の潮との比較、狙うべき魚種や釣り方まで詳しく解説していきます。
「結局どの潮で釣りに行けばいいの?」という疑問を持つ方のために、現場で役立つ知識を厳選してお届けします。
中潮とは?釣りにおける潮回りの基本

中潮とはどんな潮なのか?釣り初心者にとっては、言葉は聞いたことがあっても詳しい意味や特徴までは分からないことも多いですよね。
中潮は、5つある潮回り(大潮・中潮・小潮・長潮・若潮)の中で、“安定した釣果が期待できる潮”として、多くのベテラン釣り師にも支持されています。
このセクションでは、「中潮とは何か?」という基本から、他の潮との位置づけ・発生タイミングまで、釣り人目線で分かりやすく解説していきます。
中潮の定義と仕組み【いつ発生するのか】
中潮とは、月と太陽の引力によって起こる「潮汐(ちょうせき)」の中間的な状態で、大潮の直後と直前に発生する潮回りです。
月の満ち欠けに合わせて、潮の干満には周期があります。一般的に、
- 🌕 満月や新月の直後:大潮
- 🌓 その後:中潮 → 小潮 → 長潮 → 若潮
- 🌑 再び新月に戻る
中潮はその中で「潮の動きが強すぎず、弱すぎず」という特徴があり、魚の活性が安定しやすい絶妙なタイミングといわれています。
潮の満ち引きが激しすぎる大潮に比べて、潮流が穏やかでコントロールしやすいため、初心者でも釣果が上がりやすい傾向があります。
5つの潮回りの中での位置づけ
釣りにおいては、以下の5つの潮回りが順番に繰り返されます。
① 大潮(おおしお):最も潮の動きが激しい
② 中潮(なかしお):大潮に次いで動きが大きく、安定感もある
③ 小潮(こしお):潮の動きがやや弱くなる
④ 長潮(ながしお):最も動きが少ないタイミング
⑤ 若潮(わかしお):長潮の後に少しだけ動きが戻る
この中で中潮は「最もバランスが取れた潮」として、安定した釣果が期待されるため、多くの釣り人から高く評価されています。
潮が動きすぎて釣りにならない大潮や、逆に潮が動かず活性が上がらない長潮に比べて、中潮は「ちょうど良い」タイミングであるといえるでしょう。
なぜ中潮は釣れる?釣果が安定する“最強の潮”とされる理由

多くの釣り人が「大潮が一番釣れる」と信じていますが、実は中潮こそが最も安定して釣れる潮と考える人も少なくありません。
その理由は、中潮が持つ「程よい潮の動き」と「魚の活性・ベイトの回遊が一致しやすいタイミング」にあります。
ここでは、私自身の1000回を超える実釣データとあわせて、なぜ中潮が“最強の潮”と呼ばれるのかを徹底的に解説していきます。
潮の動きがちょうど良い|活性・ベイトの関係
中潮の最大の魅力は、「潮の流れが程よい」という点にあります。
大潮のように潮が動きすぎて釣りにならないことも少なく、かといって小潮や長潮のように潮が動かず活性が上がらないということも少ない――まさにバランスが取れた状態と言えるでしょう。
この「程よい流れ」は、ベイトフィッシュの動きにも大きく影響を与えます。潮の動きが適度であればベイトも集まりやすく、それを追うフィッシュイーター(シーバス・ヒラメ・青物など)も活性化します。
つまり中潮は、ベイトとフィッシュイーターの両方が動く“ゴールデンタイム”が生まれやすい潮回りなのです。
1000回超の実釣データが示す”中潮が最強な事実”
私はこれまでに1000回以上の釣行データを取り続けてきましたが、その中で最も釣果が多かった潮は「大潮」でした。
ただし、大潮は潮の動きが強すぎて
といった“そもそも釣りが成立しない”状況もあり、こうした「そもそもにならなかった」日はデータから除外して考えています。
それを考慮すると、実際に1番釣れた潮と言えるのは中潮で、安定感は群を抜いています。
潮の動きは十分、でも極端すぎない。
釣行の成功率が高く、最もバランスの取れた潮回り――それが中潮です。
他の潮との比較でわかる中潮のバランスの良さ

「潮が良い=釣れる」という考え方は、多くの釣り人の間で常識のように語られています。
しかし実際には、「潮の動きが激しすぎて釣りにならない」状況や、「そもそも魚の活性が上がらない」潮回りも存在します。
ここでは中潮を中心に、大潮・小潮・長潮・若潮との違いを比較しながら、中潮がなぜ“バランスの取れた最強の潮”とされているのかを解説していきます。
大潮との比較|潮の動きと釣りやすさ
大潮は潮の満ち引きが最も大きく、魚の活性が一気に上がるタイミングが生まれやすい潮回りです。
しかしその反面、潮が動きすぎて釣りにならない状況も発生しやすく、特に干潮時に浅すぎて釣りが成立しない、満潮でポイントに立ち入れないなどのリスクもあります。
私の1000回以上の実釣データでも、最も釣果が良かったのは大潮でしたが、そもそも釣りができなかった状況は集計対象外にしています。
それを踏まえると、釣りが成立しやすく・かつ釣果も安定するのが中潮であり、「実質的に中潮が最も釣りやすい潮」と感じています。
▼さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧下さい▼

小潮・長潮との比較|“釣れない潮”との違い
小潮や長潮は、潮の動きが緩やかで魚の活性が上がりにくいとされ、一般的には「釣れない潮」と言われることもあります。
特にルアー釣りでは、潮の動きに合わせてベイトも活発になるため、潮の緩い日には魚の反応が極端に悪くなることも少なくありません。
一方で、エサ釣りや匂いで集魚する釣り方では、むしろこのような潮の方が安定して釣れるケースもあります。ポイントに魚が溜まりやすく、ゆっくりとした展開になることで初心者にも扱いやすいメリットがあります。
ただし、釣果の爆発力や時合の明確さでは中潮が上回るため、バランスの良い潮回りを選びたいならやはり中潮がおすすめです。
▼さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧下さい▼


中潮で狙える魚とおすすめの釣り方

中潮は潮の動きが適度にあり、魚の活性も上がりやすいため、ルアー釣り・エサ釣り問わず多くの魚種が狙えるタイミングです。
特にショア(岸)からの釣りではターゲットのバリエーションが広く、釣果が安定する潮回りとして初心者にも中級者にも人気です。ここでは、中潮で狙いやすい代表的な魚と、それぞれに適した釣り方を紹介します。
ショアから狙える魚(アジ・ヒラメ・シーバスなど)
中潮は、ショア(堤防・サーフ・磯など)から釣りをする際に最も安定した釣果が期待できる潮回りとして、多くのアングラーに支持されています。
潮の動きが適度で、ベイトフィッシュ(小魚)も活発に泳ぎ回るため、それを追って入ってくるフィッシュイーターの動きも活発になります。
といった人気のターゲットの多くが岸近くまで寄ってくる傾向にあります。
中潮の潮汐変化によって生まれる“時合”をうまく捉えれば、ルアーでもエサ釣りでも連続ヒットが十分狙えます。
また潮の流れが極端に強すぎない点も中潮の大きなメリットです。
例えば大潮では潮の流れが急激すぎて、軽量ルアーが流されてしまったり、底取りが難しくなるといった状況が頻発しますが、中潮ではそうしたトラブルも起こりにくく、初心者にも釣りがしやすい条件が揃いやすいです。
堤防では朝マヅメ・夕マヅメのタイミングにアジやシーバス、サバなどの回遊魚が狙いやすく、サーフでは潮の動きと地形変化を利用してヒラメやマゴチを狙えます。
磯場では潮通しの良いエリアに絞って釣りを展開することで、シーバスや青物のヒット率を上げることも可能です。
このように、中潮は多くの釣り場で、多様なターゲットを狙える“万能の潮”とも言えます。釣りに行く日を選べるなら、中潮のタイミングを優先するのは非常に理にかなった判断です。
オフショア釣行との相性|ジギング・タイラバ等
オフショア(船釣り)においては、中潮が最も安定した釣果を出せる潮回りとして、多くの船長やベテランアングラーから高く評価されています。
特に、ジギングやタイラバ、インチクといった近海の中〜深場を攻める釣りでは、潮の流れが急すぎず、程よくベイトが動く中潮が理想的な状況を作り出します。
私の実体験としても、100回以上のオフショア釣行の中で、中潮の釣果が最も安定して高かったというデータがあります。逆に大潮の日は潮が流れすぎて、仕掛けが底を取りにくくなったり、ドテラ流しではラインが立たずに釣りにならないことも少なくありません。
さらに、大潮のタイミングでは波や風の影響を受けやすく、船が揺れやすくなる傾向があるため、釣りに集中しにくくなるというデメリットもあります。
中潮であれば、海のコンディションも比較的穏やかになりやすく、初心者でも安心して挑める環境が整います。
実際に私も船酔いしやすい体質の為、大潮の日は避けるようにしています。
特に、高額な乗船料を支払って釣行するオフショアでは、できる限り釣果を得たいと考える方が多いはずです。
そういった意味でも、中潮のタイミングを狙ってスケジュールを組むのは非常に合理的な判断です。
結果的に、オフショアと中潮は非常に相性が良いと言えるでしょう。
実績を出している遊漁船の多くも、予約が中潮に集中する傾向がありますので、釣行予定を立てる際は早めの予約をおすすめします。
初心者でも扱いやすいルアー・エサ釣りテクニック
中潮は潮の動きが適度で、水中のベイトや魚の活性が安定しやすいという特徴があります。そのため、初心者でも釣果を出しやすいタイミングであり、釣り方もシンプルで効果的なものが多いのが魅力です。
例えばショアからのアジングでは、1g前後のジグヘッドにワームをセットするだけで、自然なドリフトで食わせやすくなります。
中潮は潮が穏やかなのでラインが流されにくく、初心者でもアタリを感じやすいのがポイントです。
また、ちょい投げ釣りやウキ釣りなどのエサ釣りも中潮との相性が良好です。
特にファミリーフィッシングでは、潮の動きが穏やかすぎず、急すぎない中潮はトラブルが少なく、釣りに集中しやすい潮回りといえます。
ルアー釣りでのコツは、動かしすぎないこと。
中潮ではベイトも自然な動きをしているため、アピール重視よりもナチュラルな誘いが効果的です。
ワームやメタルジグのフォール中のバイトを狙う釣りが特におすすめです。
中潮は初心者でも“釣れる喜び”を実感しやすい潮回りです。
難しいテクニックを覚えるより、基本的な仕掛けをしっかりと使いこなすことを意識すれば、釣果に結びつけることができるでしょう。
中潮を活かすためのタイミングとポイント選び

中潮は潮の動きが安定しており、タイミングとポイントを見極めることで初心者からベテランまで幅広く釣果を出しやすい潮回りです。ただし、状況に応じて釣れる時間帯や狙うべきポイントは変わるため、より具体的な戦略を立てることが重要です。
このセクションでは、「時合の見極め方」と「釣り場ごとの攻略法」に分けて、中潮で成果を上げるためのポイントを詳しく解説していきます。
時合の見極め方|上げ・下げの使い分け
中潮では「上げ三分〜五分」や「下げ始め〜七分」の時間帯が特に狙い目です。潮の流れがしっかり効き始めることで、ベイトが動き出し、フィッシュイーターの活性も高まります。
上げ潮は魚が接岸してくるタイミングであり、特にサーフや堤防の根周りではヒラメ・マゴチ・シーバスなどがよく釣れます。一方で下げ潮は、潮と一緒にベイトが流されやすく、流れに乗って回遊魚が入ってくることもあるため、ショアジギングでは好条件となる場面も多いです。
また、潮止まりの前後は時合になりやすいため、前後30分間は集中して狙うのが効果的です。
実際の釣行でも「前回釣れたのは下げ五分のタイミング」「同じ場所でも潮止まり直前だけ反応がよかった」など、潮の動きと釣果は密接に関係しています。
中潮は潮の変化が急すぎず、読める動きをするため時合のパターンを掴みやすいのも魅力のひとつです。
釣り場ごとの攻略法(漁港・サーフ・磯)
漁港では中潮の「上げ潮」が特に有効です。
テトラ帯の周辺やスロープ下の溝にベイトが溜まりやすく、アジ・メバル・シーバスなどの好ポイントになります。潮が緩やかなので初心者でも釣りやすく、特に夕まずめや朝まずめのタイミングを狙うと釣果が伸びやすいです。
サーフでは「下げ潮」で沖に流されるベイトを狙ってヒラメ・マゴチ・青物が接岸しやすくなります。
潮が引いていくときに水深がある離岸流付近を狙うと実績が高く、ミノーやワームのドリフト釣法が効果的です。
磯場では「上げ潮」がおすすめ。
特に潮がぶつかるワンドやサラシができる場所では、青物や根魚の活性が上がりやすく、流れに乗せてルアーやエサを流し込むとヒット率が高まります。中潮は磯場でも程よい流れでルアーコントロールしやすいのが大きな利点です。
このように中潮は、どのフィールドでも潮の動きが読みやすく、初心者〜中級者にとって最も扱いやすい潮回りと言えるでしょう。
まとめ | なぜ中潮こそ最強の潮回りなのか?
中潮は、潮の動きが強すぎず弱すぎず、ちょうどよいバランスを保っている点で、非常に釣りに適した潮回りです。実際、私が1000回以上の釣行から得たデータでも、大潮に次いで釣果が安定していたのが中潮でした。
特にショア(堤防・サーフ・磯)では潮の流れを把握しやすく、ベイトの動きや魚の活性も高まりやすい一方で、大潮のように荒れすぎるリスクが少ないため、初心者から中級者まで幅広くおすすめできます。
また、オフショア(船釣り)においても中潮はベストタイミング。
潮が穏やかで船の揺れも少ないため、ジギングやタイラバなども快適に楽しめます。高額な乗船費を考えても、中潮の日を狙って釣行計画を立てるのは非常に理にかなっています。
「とにかく釣れる日が知りたい」という方にこそ、中潮の実力を試していただきたいです。
それが1000回以上の釣行データに基づく私の結論です。
他の潮についてはこちらもチェック!
「中潮は1番安定して釣れる」といわれますが、実は他の潮にもそれぞれの良さがあります。
潮ごとの特徴と釣果傾向を理解することで、より戦略的に釣行日を選ぶことができますよ。



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