「サワラって、美味しいの?それともまずいの?」
釣り人や魚好きのあいだで、よく話題になるこの疑問。
私はこれまでにサワラやサゴシを100匹以上釣って、実際に食べてきました。
その経験から断言できます。「サワラは、処理と調理をちゃんとすれば最高に美味しい魚」です。
私がこれまでに釣って食べたきた魚は優に100種類を超えますが、旬のサワラは間違いなくTOP5に入ります。
ただし、臭みや食感に“まずい”と感じる人がいるのも事実。
特に鮮度が落ちたものや調理法を間違えると、本来の魅力が損なわれてしまうこともあります。
この記事では、サワラの本当の味や美味しく食べるためのポイントはもちろん、サワラは白身魚?赤身魚?青魚?という分類の話や、サゴシとの違い、ブリ・ワラサとの比較まで徹底解説。
「サワラって実際どうなの?」と思っている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
サワラの味は美味しい?|100匹以上釣って食べた私の結論

釣り人の間でも「サワラはうまい派」と「いや、まずい派」に意見が分かれる魚、それがサワラです。
私自身、これまでサワラやサゴシを100匹以上釣って食べてきましたが、結論から言うと処理と調理次第で絶品になる魚だと断言できます。
特に旬の時期に釣ったサワラを正しく処理し、刺身や炙りで食べたときの感動は今でも忘れられません。
一方で、「臭みがある」「美味しくない」といった声があるのも事実。この記事では、サワラの本当の味とその評価が分かれる理由を、実体験に基づいて詳しく解説していきます。
脂の乗った刺身はまるで高級魚
サワラの刺身を食べたことがない人は、まず旬のサワラの刺身を一度は味わってみてください。
冬〜春にかけての産卵前の個体は、体表に脂がにじむほどたっぷり脂が乗っており、その刺身はまるでトロのようなとろける食感。
クセが少なく、ほんのりとした甘みがあり、旨味の余韻が口の中に残ります。
私が釣ってすぐに処理した個体を刺身で食べたときには、「これは高級料亭で出されても納得だな…」と本気で思いました。
ただし、新鮮であること、そして適切な処理(血抜き・神経締め・冷却)がされていることが前提条件です。
スーパーなどで時間が経った個体だと、旨味が飛んでしまって「イマイチ」と感じることもありますので、注意が必要です。
焼き物や炙りも絶品!調理法次第で化ける
サワラは刺身だけでなく、焼き物や炙りでも本領を発揮する魚です。
刺身で食べるとトロっとした食感と優しい甘みが魅力ですが、炙りにすると皮目の香ばしさが加わり、また違った美味しさが楽しめます。
私もよく釣った当日の夜に炙りにして食べるのですが、スダチやカボス、レモンなどの柑橘を添えると、脂の旨みが引き立ち、臭みも一切感じません。
また、幽庵焼きや西京焼きなどの焼き物にも非常に向いており、和食のメインディッシュとしても申し分なし。身が柔らかく火が通りやすいので、ふっくらと仕上がるのも嬉しいポイントです。
味の濃い魚ではないため、焼き・炙りといった「香ばしさ」がプラスされる調理法との相性が抜群。旨味を引き出す火入れの加減がカギになります。
調理法によっては、スーパーの切り身とは別物かと思うほどの変化を感じることも。サワラはまさに「料理人の腕で化ける魚」といえるでしょう。
まずいと言われる理由とは?|臭みや保存状態がカギ
「サワラはまずい」と言われる最大の理由は、魚特有の臭みと保存の難しさにあります。
新鮮なサワラは非常に美味しいのですが、傷みやすい魚のため、適切に処理されていないとすぐに生臭さが出てしまうのです。
特にスーパーなどで売られているサワラの切り身は、時間が経って鮮度が落ちていることも多く、調理しても臭みが残って「まずい」と感じられてしまう原因になります。
私も以前、釣ってから時間が経ったサワラを何も処理せずに持ち帰ってしまったことがあり、火を通しても微妙に臭みが残って美味しく感じられなかったことがあります。
反対に、釣ったその場で血抜き・神経締めをしてクーラーボックスでしっかり冷やしたサワラは、刺身でも全く臭みがなく、むしろ甘みすら感じられる絶品でした。
このように、「サワラ=まずい」は処理や保存状態が悪いときの話であり、きちんと扱えばとても美味しく食べられる魚です。
サワラは白身魚?赤身魚?青魚?|分類が分かりにくい理由

サワラを食べたことのある人なら、きっと一度は「これって白身魚なの?赤身魚なの?」と疑問に思ったはずです。
見た目は青魚っぽく、味は白身魚のように淡白な印象もあり、さらに刺身では赤みがかっている部位も存在します。
実際に私も100匹以上釣って捌いてきた中で、「これはどっちなんだ?」と何度も感じてきました。
この章では、サワラがなぜ分類が分かりにくい魚と言われるのか、白身・赤身・青魚という3つの視点から丁寧に解説していきます。
釣り人や料理人でも意見が割れることの多いこの問題、ぜひこの記事でスッキリ解決してください。
サワラは実は赤身魚|その理由と特徴を解説
サワラは見た目や食感から「白身魚」と誤解されることも多い魚ですが、実はれっきとした「赤身魚」に分類されます。ここでは、なぜサワラが赤身魚に分類されるのか、その理由と特徴をわかりやすく解説します。
● 赤身魚の定義は「ミオグロビン量の多さ」
魚の身が赤く見えるのは、筋肉中に含まれる「ミオグロビン」という色素タンパク質の量が多いからです。
このミオグロビンは酸素を蓄える役割を担っており、回遊性の高い魚に多く含まれる傾向があります。
サワラもまた、ブリやマグロと同じく回遊魚で泳ぎ続ける魚なので、ミオグロビンを多く含み、結果として赤身魚に分類されます。
● 身の色は淡くても“中身”は赤身魚
実際の身の色はブリやカツオほど赤くなく、やや淡いピンク色のように見えるため、見た目だけで「白身魚」と勘違いされやすいですが、分類上はしっかり赤身魚です。
そのため、旨味成分(イノシン酸など)や脂質の持ち方も、白身魚とは少し違う特徴を持ちます。
● 赤身魚としての魅力も多い
赤身魚でありながらクセが少なく、刺身・焼き物・炙りと幅広い料理で美味しく食べられるのがサワラの大きな魅力です。
とくに旬の冬〜春にかけては、脂の乗り方が絶妙で、マグロやブリに匹敵するほどの美味しさを感じられることも。
✅ 見た目や印象で白身魚と混同されやすいサワラですが、実はしっかり赤身魚!
サワラは青魚なのか?|見た目&印象に惑わされる
サワラはその細長い体型や、銀色に光る体表から、「青魚っぽい」と感じる人も多い魚です。
実際、サワラはサバ科に分類される魚であり、サバやサンマ、サゴシといった典型的な青魚の仲間と同じく、高速回遊をする魚でもあります。
そのため、「青魚に近い魚」や「青魚と同じ分類なのでは?」という誤解が生まれやすく、食卓でも“青魚的な存在”として扱われがちです。
● ただし、分類上は青魚ではない
青魚という分類はあくまで“流通上の俗称”にすぎません。
栄養面で共通点はありますが、サワラは赤身魚として分類されます。
✅ サワラは青魚に似た姿と特徴を持つものの、分類的には青魚ではなく赤身魚です。
白身だと思われやすいのはなぜ?
サワラは「白身魚だよね?」と聞かれることも多い魚です。これは、身の色が非常に淡く、調理後も白く仕上がることが大きな理由です。
たとえば、西京焼きやムニエルにしたとき、見た目は完全に白身魚そのもの。さらに、クセが少なく上品な味わいも相まって、多くの人が白身魚の仲間だと思いがちです。
実際には赤身魚に分類される魚ですが、赤身魚と白身魚の違いは主に「ミオグロビンの含有量」によるもので、サワラは赤身魚の中でもミオグロビンが少なく、白っぽい身をした特殊なタイプにあたります。
ちなみに、サワラの若魚の「サゴシ」も同じく赤身魚ですが、より白身に近い印象を受けやすい魚です。
サワラより脂が少なく淡白な味わいで、白身魚向けの調理法(揚げ物・西京焼き・塩麹焼きなど)と相性が良いとされています。
✅ 見た目や調理後の風味が白身魚に近いため、誤認されやすい赤身魚の代表格がサワラとサゴシなのです。
サワラの味を左右する要因とは?

「サワラって、当たり外れがあるよね…」と思ったことはありませんか?
実は、サワラの味わいは「釣った後の処理」「季節」「サイズ」などによって大きく変化します。
特に、釣ってすぐに血抜きと冷却を適切に行うかどうかで、臭みの有無や脂の乗り具合、旨味の感じ方が段違いになります。
また、冬のサワラと夏のサワラでは、脂の質もまったくの別物。さらに、小型の「サゴシ」から大型の「サワラ」になるにつれて、味わいにも顕著な差が出てきます。
ここでは、私が100匹以上釣ってきた中で実感した「味の違いが出るポイント」について、わかりやすく解説していきます。
釣った後の処理が味を左右する|血抜きと冷却は必須
サワラはとても繊細な魚で、釣った直後の処理が味に直結します。
特に重要なのが、素早い血抜きとしっかりとした冷却。これを怠ると、内臓や血の残りによって魚体に臭みが回り、せっかくのサワラの旨味が台無しになります。
私自身、処理を怠ったサワラと、しっかり処理したサワラの味を比較したことがありますが、明らかに後者のほうが身が甘く、臭みも一切感じないと感じました。
釣り上げた直後にエラを切り、海水と氷を混ぜた氷締めで急速に冷やすのが理想です。
これだけで味がワンランクアップします。
「サワラはまずい」と言われることがあるのは、この初期処理が甘かった個体を食べたケースが多いと考えています。
季節で変わる脂のノリ|旬はいつ?
漢字で書くと「鰆(さわら)」と表記されるため「春が旬」と思われがちですが、私の経験上、最も美味しいのは断然“冬”のサワラです。
秋や春にも脂が乗った美味しい個体は多く存在しますが、夏は唯一、脂の乗りが悪く、身もやや淡白に感じることが多いです。
さらに見逃せないのが保存性。気温が下がる秋〜冬は魚の劣化が遅く、適切に処理すれば状態良く保存できるため、結果的に美味しさを保ちやすいのです。
また、サワラの味は「何を捕食しているか」でも大きく変わります。私の実体験では、冬場にイワシをたっぷり食べているサワラがもっとも脂が乗っていて美味しいと感じました。
釣った時のコンディションや胃の中のベイト(捕食対象)を観察することで、味の傾向を予想するのも楽しいポイントです。
大きさで味が変わる?|サゴシとサワラの味の違いも紹介
サワラは大きさによって名前が変わり、一般的に50〜60cm未満の個体は「サゴシ」と呼ばれます。
同じ魚ですが、大きさによって味に大きな差があります。
一般的に、小型のサゴシは脂が少なく淡白、大型のサワラは脂がのって濃厚な味わいです。
また、サゴシは「まずい」と言われがちですが、調理法を工夫すれば十分美味しく食べられます。
白身魚に近い淡白さがあるため、フライや西京焼きなどが特におすすめです。
詳しくは、以下の記事でサゴシに特化して紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください。

ブリ・ワラサとサワラの味や特徴の違いを比較!

サワラと比較されることの多い魚に「ブリ」「ワラサ」があります。いずれも青物として有名で、釣りのターゲットにも食卓にも登場する人気魚ですが、実際の味や食感、調理法の相性には大きな違いがあります。
私自身、100匹以上のサワラを釣って食べてきた経験の中で、ブリ・ワラサとの違いを意識することが多く、その特徴は明確にあると感じています。
ここでは、見た目・分類・脂の質・料理との相性など、さまざまな観点からブリ・ワラサとサワラの違いを比較していきます。
見た目・分類・旬の違い
まず外見から比較すると、サワラはスマートで細長く、銀白色の体に斑点模様が特徴的です。一方、ブリやワラサは体高があり、がっしりとした印象を受ける魚体で、背中が濃い青緑色、腹側は白っぽい配色をしています。
分類上も異なり、サワラはサバ科、ブリ・ワラサはアジ科ブリ属に属します。
ちなみにワラサはブリの若魚を指し、サイズによって呼び名が変わる出世魚としても有名です。
いずれも赤身魚に分類されますが、サワラはその繊細な味わいと見た目から白身魚と混同されることもあります。
旬にも違いがあり、サワラは冬〜春(産卵前)にかけて脂が乗り、最も美味しい時期となります。
対してブリ・ワラサの旬は主に冬で、寒ブリとして知られるほど脂が乗った個体が高値で取引されます。
いずれも釣りで非常に人気のターゲットであり、ルアー釣りやジギングでは定番の魚種です。見た目・分類・旬の違いを知ることで、より美味しく楽しむヒントになります。
脂の質や味の傾向はどう違う?
味の違いを語るうえで外せないのが脂の質と量です。ブリはとにかく脂の量が多く、濃厚で甘みのある脂が特徴。刺身でも焼き物でも旨味が強く、まさに“主役級”の魚です。
一方のサワラは、脂の量こそ控えめですが、その分とろけるような上品な脂を持ちます。
クセがなく、口当たりもなめらかで、「上品な魚」として評価されることが多いです。
あっさりした魚が好きな人にはサワラの方が合うかもしれません。
そしてワラサは、ブリの若魚という位置づけですが、脂のノリは最も控えめ。あっさりしていて食べやすい反面、濃厚な味わいを求める方にはやや物足りなく感じることもあるでしょう。調理法によってはパサつきやすい点にも注意が必要です。
まとめると、脂の濃厚さ:ブリ > サワラ > ワラサという印象です。
用途や好みによって選び方を変えると、より満足感のある一品に仕上がります。
どんな料理に向いているかの違い
ブリ・ワラサ・サワラはいずれも釣りで人気のターゲットですが、味や脂の質によって相性の良い料理は異なります。
ブリは脂が濃厚で甘みもあるため、照り焼き・ぶり大根・刺身など和風のしっかり味の料理と好相性。火を通しても脂が落ちにくく、ボリュームのあるおかずになります。
サワラは上品な脂と柔らかい身が特徴で、西京焼き・炙り刺し・ムニエル・幽庵焼きなど、あっさりめ〜香ばしさを活かす料理がぴったり。クセが少ないのでお子様や魚が苦手な方にもおすすめできます。
ワラサ(ブリの若魚)は脂が少なくさっぱりしているため、漬け丼・竜田揚げ・照り焼きといった味付けで補うレシピが合います。加熱するとややパサつきやすいので、調理の際は水分を逃さない工夫が必要です。
このように、それぞれの魚に合わせた調理法を選ぶことで、その魚本来の旨味を引き出すことができます。
サワラをもっと美味しく食べるおすすめレシピ

サワラは調理法次第で味が大きく化ける魚です。
身は柔らかく、加熱してもパサつきづらいため、幅広いレシピに対応できる万能食材とも言えます。
ここでは、私が実際に試して特に美味しかった定番レシピを紹介します。
定番の西京焼き・幽庵焼き
サワラといえば、まずは西京焼き。
味噌の風味が淡白な身に染み込み、焼くことで香ばしさも加わります。冷めても美味しいので、お弁当のおかずにもおすすめです。
幽庵焼きは、醤油・みりん・柚子を使ったタレに漬け込む料理。さっぱりとした仕上がりで、夏場や脂の少ない個体にもぴったりです。
皮目を炙った炙り刺しは絶品
釣ったばかりのサワラを食べるなら、炙り刺しはぜひ試してみてください。
皮目をバーナーで軽く炙ることで香ばしさが増し、臭みが消えて旨味だけが引き立ちます。
スダチ・カボス・レモンなどの柑橘系と非常に相性が良く、ポン酢で食べると絶品です。
ムニエルや漬け丼も間違いなし!
サワラは加熱調理にも強いので、ムニエルやフライなどの洋風レシピもおすすめです。
衣に粉チーズを混ぜると香ばしさがアップし、白ワインやビールとも好相性になります。
また、漬けにしたサワラを熱々のご飯にのせて丼にすると、手軽ながらも贅沢な一品に。生姜や大葉を添えれば、食欲のない時期でもさっぱり食べられます。
まとめ|サワラは処理と調理で化ける“隠れた絶品魚”!

サワラは「臭みがある」「まずい」と言われることもありますが、実際には釣った直後の適切な処理と、レシピに合った調理法を選べば、まるで高級魚のような味わいになります。特に冬〜春にかけての旬の時期には脂の乗りも抜群で、刺身でも炙りでも焼き物でも絶品です。
また、分類上は赤身魚とされていますが、白身魚や青魚のように扱われることも多く、その多様性がかえって混乱を招いている印象もあります。味や特徴、調理法においては、分類よりも“実際にどう食べて美味しいか”を重視すべきでしょう。
ブリやワラサとの違いに注目してみても、サワラならではの“軽やかだけど旨味のある脂”はやはり唯一無二。特に炙り刺しや西京焼きの完成度は他の魚に勝るとも劣らず、まさに「処理と調理で化ける魚」といえます。
私自身、これまでに100匹以上のサゴシやサワラを釣って食べてきた実体験がありますが、それでもなおサワラは“もっと評価されるべき魚”だと感じています。
釣れたらぜひ、鮮度を活かして色々な調理法を試してみてください。サワラの本当の美味しさに、きっと驚くはずです。
▼サワラの若魚「サゴシ」についての記事はコチラから▼

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