「風速5mって実際どれくらいの強さ?」
釣りをはじめ、キャンプやサイクリングなどアウトドアを楽しむ人にとって、風の強さは天気以上に重要な判断材料です。
特に釣りでは“できるか中止か”のボーダーラインとして悩まされるのが、この風速5mという数字。
この記事では、風速5mの体感や日常生活での影響から、実際の釣り現場での風の見え方・釣行判断の目安、そして風に負けずに釣果を出すための工夫まで、筆者の実体験を交えて徹底解説していきます。
「今日は行くべき?やめるべき?」そんな迷いを少しでも減らせるよう、ぜひ参考にしてみてください。
風速5mってどれくらい?釣り人が感じる“リアルな影響”

風速5m。
天気予報でよく耳にする数字ですが、実際にどのくらいの強さなのかピンとこない方も多いかもしれません。
「そよ風?」と思う人もいれば、「結構強い風じゃない?」と感じる人もいますよね。
このセクションでは、風速5mの定義や気象的な意味を押さえたうえで、日常生活や釣り場での体感についても具体的に解説していきます。
釣り人目線での“リアルな風の強さ”を知ることで、今後の釣行判断にも役立ちますよ。
風速5mの定義と気象的な意味
まず、「風速5m」というのは1秒間に5メートル進む風の速さを指します。気象庁では、風速が4.3〜5.4m/sの範囲を「やや強い風」と定義しています。
数値だけ見るとイメージしにくいですが、風で傘が軽く煽られるくらいの強さと考えると分かりやすいでしょう。
また、木の葉が常に揺れていたり、電線がやや振動したりするのもこの程度の風速です。
このくらいの風になると、日常生活でも少し不便を感じることがあり、特に屋外の趣味や作業では影響が出始めます。
釣りにおいても、軽量ルアーや繊細な操作が求められるジャンルでは慎重な判断が必要です。
日常生活での風速5mの体感とは?
風速5mというのは、天気予報などでは「やや強い風」と表現されることが多いですが、実際に外に出て体感すると想像以上に風の存在を強く感じるレベルです。普段の生活の中でも、特に屋外で過ごしているときにその影響を実感することが多いです。
たとえば自転車に乗っていると、向かい風の場合はスピードが著しく落ちてペダルが重くなり、運動負荷が一気に上がります。横風ではふらついて転倒の危険もあるため、特に軽い自転車や子ども用自転車では注意が必要です。
逆に追い風ならラクに進めることもありますが、風の強弱が変わるたびに対応を求められます。
徒歩でも体感ははっきりしており、ロングスカートやワンピース、薄手のコートなどは大きくなびきやすく、風を意識した服装が求められます。
また、髪の毛は風で乱れやすく、整髪料を使っていてもスタイルが崩れることがあります。
さらに、帽子やマフラー、手袋などの軽い小物は飛ばされやすく、特に帽子は深くかぶっていないと簡単に風にさらわれてしまいます。
レジ袋や新聞なども、うっかり手を離すとそのまま風に乗って飛んでいってしまうことも。
日常生活において多くの人が影響を受けるのが傘の使用時です。
風速5m程度になると、ビニール傘は大きく煽られて裏返ることも珍しくなく、壊れてしまうリスクも出てきます。特に風向きが一定でないときは傘を持つ手にもかなりの負担がかかります。
洗濯物にも大きな影響があります。
ピンチハンガーや洗濯ばさみを使っていても、タオルやシャツが風にあおられてバタバタとはためき、うまく乾かないことも。
また、物干し竿がぐらつくほどになると、洗濯物が落ちたり飛んでいってしまうこともあり注意が必要です。
このように、風速5mというのは日常生活の中で“強風”として明確に意識されるラインであり、外出や屋外作業を行う際には、風の影響を考慮した装備や服装、行動が求められる風速だといえます。
実際の釣り場での影響と見え方(白波・糸フケ・風音)
風速5mになると、釣り場では明確に「釣りに影響を及ぼす風」として意識されるレベルになります。特にオープンな海や河口、風の抜ける橋脚周りなどでは体感風速がさらに強くなることもあり、注意が必要です。
まず、水面には“白波”が目立つようになります。
通常の風では見られない小さな波の頂点が崩れて白く泡立ち、水面全体がザワザワとざわめくように変化します。
これにより、ベイトの動きやボイルなどの視認性が悪くなり、魚の位置を掴むのが難しくなることも。
次に顕著なのが“糸フケ”の発生です。
キャスト後、ラインが風に流されてしまい、着水点とロッドの位置がズレることで、感度が極端に落ちたり、アタリが取りづらくなったりします。
特にPEラインなどの比重の軽いラインは風の影響を強く受けやすく、ラインの操作性を維持するには高い技術が求められます。
また、風音による“聴覚的ノイズ”も無視できません。
風速5mでは「ゴォーッ」という音が常に耳に入り続け、環境音や着水音、魚のライズ音をかき消してしまうため、視覚と触覚に頼った釣りが求められます。周囲の釣り人との会話も難しくなることがあり、安全面でも注意が必要です。
視界の面では、帽子のつばがバタついたり、偏光グラスがズレたりといった風の物理的影響も無視できません。
これらが気になって集中を欠くこともあるため、帽子のバンドや偏光グラスのストラップなど、備えを整えておくことが重要です。
このように、風速5mは“釣りそのもの”に対するさまざまな悪影響を引き起こすレベルの風速であり、経験者ほど警戒する場面です。特に風の向きと強さを読みながら釣り方をアジャストする力が求められます。
風速5mの釣りは“できる”けど条件あり|実体験ベースで解説

風速5mという数字を聞いて、「そもそも釣りになるの?」と疑問に思う方も多いかもしれません。実際、これはギリギリ釣りが成立するかどうかの分かれ目といえるレベルです。
筆者の経験から言えば、風速5mはライトゲーム以外であれば十分に釣りが可能です。
もちろん、釣り方やポイントによっても大きく状況は変わります。
このセクションでは、実体験をもとに「どんな条件なら釣りが成立するのか」を具体的に解説していきます。風向きや釣りスタイルによる違いなど、判断のヒントになるポイントをまとめています。
筆者の実体験:ライトゲーム以外は許容範囲
筆者のこれまでの実体験から言えば、風速5mはライトゲーム(アジング・メバリングなど)を除けば、釣りは十分に成立するレベルです。
特にジグを使うようなショアジギングや、30g以上のルアーを扱う釣りであれば、風速5mでもしっかりキャストできます。
魚の活性さえ高ければ、風の中でもむしろ高反応を見せることもあります。
ただし、軽量ルアーを扱うライトゲームでは話が別です。
0.8g〜3gのジグヘッドなどは、向かい風や横風で大きく煽られてしまい、飛距離が極端に落ちたり、着水点がズレたりして釣りにならないことも珍しくありません。
逆に、追い風の状況ではライトゲームも十分可能です。
風の恩恵で飛距離が伸びるため、ストレスなく釣りができることもあります。重要なのは「風速」だけでなく「風向き」と「自分が立てる位置」の組み合わせです。
風向き別のキャスト難易度(追い風・向かい風・横風)
風速5mという風の強さは、「風向き」によって釣りのしやすさが大きく変わります。ここでは追い風・向かい風・横風の3つのシチュエーション別に、キャストの難易度や対処法を解説します。
◆追い風
最も釣りがしやすい状況です。
風に乗ってルアーが遠くまで飛び、軽量ルアーでもキャストが安定します。
ラインのフケも少なく、初心者でも快適に釣りが可能です。ライトゲームでは、風速5mでも追い風なら十分成立する場面が多いです。
◆向かい風
風の抵抗を強く受けるため、キャスト距離が大幅に落ちます。
特に軽量ルアーでは空中で失速し、狙った場所に届かないこともしばしば。また、ラインが風に煽られてフケが出やすく、アタリが取りにくいのも難点です。中〜重量級ルアーなら対応可能ですが、慣れと工夫が必要です。
◆横風
最もキャストが難しく、トラブルも起きやすいのが横風です。ルアーが流されてコントロールが難しく、ラインが風を強く受けることでアタリが分かりにくくなります。特にPEラインは風の影響を受けやすいため、着水後の操作にも注意が必要です。
風向きを読み、できるだけ追い風 or 背風のポジションを確保することが、風速5mでも釣果を出すカギになります。
釣りスタイル別|できる釣り・厳しい釣りの判断基準
風速5mの環境では、「釣りが成立するかどうか」は釣りジャンルによって大きく差が出ます。ここでは、風速5mでの成立可否を釣りスタイル別に整理します。
◎成立しやすい釣りスタイル
・ショアジギング/ライトショアジギング:20g以上のジグが主流のため風に強く、風によって遊泳力の低いベイトが寄る可能性もあり、むしろ好機になることも。
・ヒラスズキ:風と波気を求める釣りのため、風が強く荒れているほど成立しやすいのが特徴。
・シーバス・チニング:やや風があることで魚の警戒心が薄れ、プレッシャーが下がって釣りやすくなることも。
△状況次第で難易度が上がる釣り
・明暗打ちのシーバス:風でキャスト精度が落ちると成立しづらい。横風には特に注意。
・ライトロック:風による仕掛けの暴れをライン操作でコントロールできれば成立可能。
×厳しい釣りスタイル
・アジング/メバリング:軽量ジグヘッドではキャスト困難。風速5mでは特に横風が致命的。
・エギング:エギが風に煽られて操作性が極端に落ちるため、成立しにくい。特に繊細なフォールを求める状況では厳しいい。
風速5mでは釣りそのものの成立可否に加えて、ベイトや魚の活性にも変化が生じます。自分のスタイルがどの位置にあるかを把握して、臨機応変な判断を心がけましょう。
風速5mでも釣果を出すための準備と工夫

風速5mというコンディションでも、しっかり対策すれば釣果を出すことは十分可能です。
重要なのは、風に負けない装備・仕掛け・テクニックを事前に用意しておくこと。その一手間が、釣りの成立・快適さ・安全性を大きく左右します。
このセクションでは、風速5mに対応するための準備・道具・技術面での具体的な工夫を3つの観点から紹介します。
風に強い仕掛け・ルアー・ラインの選び方
風速5m以上の状況でも安定して釣りを成立させるには、風に負けないタックル選びが重要です。特に仕掛け・ルアー・ラインは影響を受けやすいため、以下のポイントを意識しましょう。
●重めのルアー・仕掛けを使う
風が強い日は、軽量ジグヘッドや小型ミノーでは飛距離が出ず、操作性も失われます。
・メタルジグ
・メタルバイブ
・飛行姿勢が安定したミノー
など重さと空気抵抗の小ささを両立したものを選ぶのがベストです。
●ラインはPEよりも太め+リーダーは長めに
風の影響を最も受けるのがPEライン。
風速5mではラインが風にあおられて糸フケや操作ミスが起こりやすくなります。
・PEは太めを使用し、風によるブレを抑える
・リーダーは長めに取ると安定感が出る
●スナップやリングは小型で空気抵抗を減らす
意外と見落としがちなのがスナップやスイベルの風受け。コンパクトなものを使うだけでキャストの安定性が向上します。
タックルをほんの少し調整するだけでも釣りの成立確率は大きく変わります。風に強い仕掛けを準備して、ストレスの少ない釣りを目指しましょう。
キャスト・ロッド操作のテクニック
風速5mの中でも安定したキャストやルアー操作を行うには、テクニック面の工夫も不可欠です。以下に、実践的なポイントをまとめます。
●低弾道で「風を切る」キャストを意識
風の影響を受けやすい高弾道のキャストは避け、ロッドを寝かせて低く・速く投げるように意識しましょう。
アンダーハンド・スナップスロー・スピンキャストなど、コンパクトなフォームでラインの放出時間を短くすることで、ブレを最小限に抑えられます。
●ルアー操作は「ラインを張る」が基本
風が強いと糸フケが出てアタリが取れにくくなります。そこで、常にラインテンションを保ちつつ操作することが重要です。
・ロッドは下げ気味に持つ
・ラインスラッグを巻き取りながらアクションを加える
・ドリフト中もテンションを意識して「待つ姿勢」
●追い風を利用したキャスト戦略
風向きを利用すれば飛距離アップにもつながります。
追い風に背を向けてラインが風に押されるような方向でキャストすれば、よりスムーズに遠投が可能です。
ポイントに対して真正面から入れない場合は、斜めの角度から狙うことで風を味方につけられます。
これらのテクニックは慣れが必要ですが、身につけると風速5m程度でも快適な釣りが可能になります。釣行のたびに少しずつ実践してみてください。
風裏・背風を探すコツとポイント選定術
風速5mでも快適に釣りができるかどうかは、ポイント選びで決まるといっても過言ではありません。特に風裏(かぜうら)や背風になる場所を見つけることは、釣果を左右する大きな要素です。
●風裏とは?背風とは?
風裏とは、山や建物、堤防など物理的な遮蔽物によって風が遮られている場所のことです。
背風とは、釣り人が風を背に受ける向きでキャストできる状況を指します。キャストが楽になり、ルアーコントロールもしやすくなります。
●風裏ポイントを見つける方法
- Googleマップの地形・航空写真で地形や岬、湾などを確認
- 風向き(北風・南風など)を事前にチェックし、山・建物・岸壁の位置と照らし合わせる
- 風速が強まるタイミング(午後〜夕方)を考慮して、時間帯ごとの風裏を把握しておく
●背風ポイントの利点
- キャストの飛距離が伸びる
- ライントラブルが減る
- 糸フケが出にくくアタリが取りやすい
例えば、北西風が吹く日は、南東に開いた湾内や港内の奥が風裏になることが多いです。
風向き × 地形 × 時間をうまく組み合わせて、安全かつ釣りやすい場所を選びましょう。
まとめ|風速5mの釣りは“対策と判断”がすべて

風速5mという風は、釣り人にとって決して「無理」ではないものの、状況判断と準備が求められる風速です。
特に軽量ルアーを扱うライトゲームではシビアな風であり、風向きや釣り場の地形によっては大きな影響を受けます。一方、シーバスやショアジギ、ヒラスズキなど風を味方にできる釣りも存在し、釣果に繋がるチャンスもあります。
重要なのは、「どの釣りならできるか」ではなく、「どうすれば成立するか」を考えることです。装備・ポイント選び・風対策を整えたうえで、風の力を活かした釣り方を選択することで、風速5mの壁は越えられます。
安全を最優先にしつつも、風と共に釣りの可能性を広げてみてはいかがでしょうか。
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