「マゴチってボトムのズル引きでも釣れるの?」──そんな疑問を持つ方も多いと思います。
私はこれまでマゴチやヒラメ等のフラットフィッシュを300匹以上釣ってきましたが、結局一番釣れるのは“ただのズル引き”でした。
実際、私も最初はワームをストップアンドゴーさせたり、リフトアンドフォールでリアクションバイトを狙っていましたが、メタルジグやワームでボトムをただ引いてくるだけのアクションが最強でした。
今回は「ズル引きがなぜ釣れるのか?」をロジカルに解説しつつ、リトリーブスピードや季節ごとの狙い方も紹介します。ズル引きと聞くと「ただボトムを引いてくるだけで本当に釣れるの?」と思うかもしれません。
マゴチ釣りでズル引きが最強と言われる理由とは?

ズル引きと聞くと、「ただボトムを引いてくるだけで本当に釣れるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
しかし、実際には多くのアングラーが「マゴチはズル引きが最強」と口を揃えて言います。
では、なぜそこまでズル引きが支持されているのでしょうか?
ボトムを這わせるリトリーブの中に、マゴチが思わず反応してしまう理由が隠されています。
この章では、ズル引きがなぜここまで釣れるのか、その“釣れる根拠”を実体験とともに掘り下げていきます。
マゴチの捕食スタイル|水平方向へのバイトも多い
「マゴチ=底に張り付いて上から落ちてくるエサを待つ魚」と思っていませんか?
確かに、マゴチは砂地のボトムに潜み、見上げて捕食することが多い魚です。
しかし実際には、真上からの捕食だけでなく、水平方向の動きにも積極的に反応することが分かっています。
ズル引きアクションでボトムから砂煙が立ち上がることで、その煙が視覚的なアピールにもなり、マゴチの注意を引きつける効果があるのです。
特に、濁りが強い日や低活性なタイミングでは、このナチュラルな砂煙の“リアル感”が思わぬバイトを誘発します。
これはワームでもメタルジグでも同様で、着底からズル引き中の“砂の動き”そのものが生命感となり、マゴチの横方向へのバイトを誘うカギになります。
つまり、マゴチは「下から上だけ」ではなく、“横方向”にも十分に捕食範囲を持つ魚。
ズル引きは、その性質にぴったりマッチした釣法と言えるのです。
スレがかりもある?マゴチは捕食が下手な魚
ズル引き釣法ではスレがかり(体やヒレにルアーが掛かる)が起きることがあります。
これは「偶然そこにいたから」だけではなく、マゴチの捕食スタイル自体が関係しているのです。
実はマゴチは捕食が下手な魚。
ワームやメタルジグを追ってバイトしても口にうまく入らないことが多く、結果として体の側面や頭部にフックが掛かるパターンも珍しくありません。
また、マゴチは警戒心が薄く、攻撃的な性格も持ち合わせています。
ルアーに興味を持ちつつも「食う」ではなく“突く”ような反応を見せることもあり、これもスレがかりの原因の一つです。
加えて、ズル引きというアクションはルアーが魚のすぐ目の前を通過するため、たまたまそこにいたマゴチに引っかかってしまうケースもあります。
これはスレではあるものの、それだけ底付近にいる証拠でもあり、ルアーの通し方が正しかったとも言えるでしょう。
このように、スレがかりがあるという点も含めて、このマゴチの習性がズル引きとの相性が良い理由の1つです。
嬉しい外道も釣れる!ズル引きの魅力は“副産物”にもあり
ズル引き釣法では本命のマゴチ以外にも多彩な魚種が釣れることがあります。
それもただの“外道”という扱いではなく、食べて美味しい魚や甲殻類も多いのが魅力です。
例えば、シタビラメ(ウシノシタ)やヒラメ、カレイなどの底物はズル引きの際に高確率でヒットする魚。
また、地域や時期によってはワタリガニが大量に釣れることもあります。
実際に私もワタリガニの接岸シーズンにはクーラーボックス満タンになる程釣れた経験があります。
もちろんこれらの魚やカニはスレがかりや偶然掛かるケースが多いものの、ズル引きというアクションが底に密着しているからこそ起きる現象。
ある意味で、“釣れる楽しみ”が本命以外にも広がっているとも言えるでしょう。
マゴチを狙いながら、美味しい外道も一緒に楽しめる。
それもズル引き釣法の隠れた醍醐味です。
マゴチ釣りにおけるリトリーブスピードの正解とは?

ズル引きでマゴチを狙うとき、「どのくらいの速さで巻くべきか?」という疑問を持つ方は多いと思います。
ゆっくり引くのが良いという話もあれば、適度なスピード感が必要という意見もあり、実際に迷ってしまう場面もあるはずです。
この章では、マゴチの捕食スタイルやルアーの特性を踏まえたリトリーブスピードの考え方について、わかりやすく解説します。
基本は浮かせずズル引けるスピードがベスト
マゴチ釣りにおいてズル引きする際、意識したいのは「ルアーが浮かないギリギリの速さ」です。
マゴチはスロー〜ファスト(高速巻き)まで反応する魚ですが
ズル引きの場合はミディアム〜ファストくらいのスピードがもっとも反応が良いです。
というのも、スピードが遅すぎるとルアーが砂に埋もれてしまったり、アピール力が弱くなることがあります。
一方、速すぎるとルアーが浮き上がってしまい、ボトム付近にいるマゴチに届かなくなることも。
大切なのは、「ルアーがしっかり底にコンタクトしながら引ける絶妙なスピード」を見つけること。
感覚的には、ボトムを軽くノックしながらも、スムーズに引いてこれるスピードを意識してみてください。
状況別にリトリーブスピードを使い分けよう
マゴチの活性や釣り場の状況によって、最適なリトリーブスピードは変化します。
そのため、「一律にこの速さが正解」というよりも、状況に応じた使い分けがとても重要です。
- 朝マズメ・夕マズメの高活性時:
魚の活性が高く、周囲のベイトを積極的に追っているタイミングでは、限界まで速く巻いても反応が出ることがあります。
フッキング率も高まりやすいため、思い切ってスピードを上げて誘うのが有効です。 - ナイトゲーム・濁りの強い状況:
視界が悪く、アピール力や波動の持続が重要になる場面では、ややスローなリトリーブの方が効果的。
ズル引き中に止めやスピード変化を組み合わせると、マゴチが反応しやすくなります。
このように「スピードを一定にする」よりも「状況に応じて調整する」意識を持つことで、釣果に大きな差が出ます。
止める・スピードを変えるなど“変化”の入れ方も重要
ズル引きの基本は一定のスピードで底を引いてくることですが、あえて“変化”を加えることもマゴチに口を使わせる大きなきっかけになります。
たとえば、リトリーブ中に一瞬止める、急にスピードを上げる、少しロッドをあおってから止めるなどの工夫を入れることで
砂埃や波動に変化が生まれ、マゴチがリアクションバイトしてくることが多いです。
ズル引きだけでは反応しない個体には、変化を入れた瞬間にガツンとひったくるようなバイトが出ることも。
私の経験上大型マゴチはこの変化で食ってくるパターンが非常に多いです。
「釣れないな…」と感じた時ほど、動きにメリハリをつけてアプローチしてみましょう。
ズル引きにおすすめのルアーは?【ワーム・メタルジグ】

ズル引きに適したルアー選びは、釣果に直結する重要な要素です。
ここでは、マゴチ釣りで実績抜群のおすすめルアーをワームとメタルジグからそれぞれ1つずつ紹介します。
どちらも実際に釣果を出してきた信頼できるルアーですので、ぜひ参考にしてください。
ワームなら「ジャンゴ」|根掛かり回避性能に優れたボトム攻略ワーム
ジャンゴは、DUOのビーチウォーカーシリーズから登場したボトム攻略に特化したワーム。
最大の特徴は、フックが上向きに設置されていることで、根掛かりしづらくズル引きに最適な構造となっています。
また、背中とフロントに2つのラインアイが搭載されており、前方のアイを使用することでズル引き時の姿勢がより安定し、砂煙をしっかり立ててマゴチに強くアピールできます。
荒れ気味のボトムや障害物が点在するエリアでも、リスクを抑えながらしっかり攻めたいときに活躍する一本です。
▼マゴチにおすすめのワームについてもっと知りたい方はコチラ▼

メタルジグなら「フリッパー iT38」|飛距離とズル引き性能を両立
フリッパーは、信頼のメタルジグとして長年支持されている定番アイテム。
中でもおすすめは「iT38(インタングステンモデル)」。
後方に高比重のタングステンウエイトを内蔵飛距離はもちろん、浮き上がりにくさも抜群です。
そのため、ズル引きでも水面に浮き上がらず、ボトムをしっかりトレース可能。
また、コンパクトボディのため魚に見切られにくく、マゴチのほか、さまざまな外道がスレでかかることも珍しくありません。
「とりあえず何か釣りたい!」というときにも強い味方です。
▼フリッパーについてもっと詳しく知りたい方はコチラ▼

▼マゴチにおすすめのメタルジグについてもっと知りたい方はコチラ▼

ヒラメ釣りとの違い|なぜマゴチにはズル引きが効く?

ヒラメとマゴチ、どちらも砂地に潜むフィッシュイーターですが、ルアーの通すレンジや捕食スタイルには明確な違いがあります。
この違いを理解することで、より効率的にマゴチをズル引きで狙うことが可能になります。
レンジの違い|ヒラメは“上”、マゴチは“底”を意識
ヒラメは基本的に上方向を向いて捕食する魚で、ボトムから50cm〜1m程度のレンジにルアーを通すのがセオリーです。
そのため、泳層をキープしやすいミノーやワームのリフト&フォールが有効です。
一方でマゴチは、底にベタ付いていて水平方向にも反応する魚。
ズル引きのようにボトムをトレースするアクションに対しても捕食スイッチが入りやすいという特性を持っています。
この“捕食レンジ”の違いこそが、ズル引きの有効性に繋がっているのです。
捕食スタイルの違い|マゴチは獲物を“待ち伏せる”
マゴチは砂に潜み、目の前を通った獲物に素早くアタックする待ち伏せ型の捕食者です。
ボトムをズル引きする動きは、そんなマゴチの目の前を“通過する小魚”として強くアピールできるため、非常に効果的なのです。
一方でヒラメは、獲物をしつこく追いかけ回して、何度も噛みつき捕食する傾向があります。
活性が高い時には表層のイワシ等目掛けてバイトしジャンプする事もあります。
その為、上のレンジを通せるミノーが有効になる場面が多いです。
ベイトの違い|マゴチはハゼやエビ、ヒラメはイワシなど
マゴチはハゼやキスなど、底生ベイトを主に捕食します。
一方ヒラメは、さらにイワシやキスなど中層〜表層のベイトもターゲットにするため、より広いレンジに対応したルアーアプローチが求められます。
このベイトの違いも、ズル引きがマゴチに効きやすい大きな要因です。
アタリの出方の違い|ズル引きだと“ゴンッ”と明確に出る
マゴチの場合、ズル引き中に明確なバイトが「ゴンッ」と手元に伝わることが多く、初心者でもアタリを感じやすい特徴があります。
一方でヒラメは獲物を何度か噛んでから捕食する傾向があり「モゾッ」「グググ」といった違和感程度のアタリが多いです。
その為、当たるタイミングが取りづらいズル引きだとフッキングに迷いやすい場面もあります。
まとめ | マゴチ釣りはメタルジグやワームのズル引きが効く理由

マゴチ狙いにおいて、底ズル引きは最も実績のあるアプローチ方法の一つです。
とくにメタルジグやワームを使ったボトム攻略は、待ち伏せ型のマゴチに対して非常に効果的。
しっかりと魚にルアーの存在を伝えられるため、初心者でも結果が出やすい釣法といえます。
ズル引きに適したルアーやリトリーブスピード、外道対策なども踏まえながら、「どこで、どう使うか」を意識することで釣果アップが期待できます。
ぜひ今回の内容を参考に、実践で試してみてください。


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