イナダやツバスの刺身が「まずい」と言われる理由とは?
イナダやツバスの刺身を食べて、「ちょっと美味しくない…」と感じたことはありませんか? 私自身、釣ってきたツバスを刺身で食べたときに「臭みが強い」「水っぽい」と思った経験があります。 でも、それにはちゃんとした理由があるんです。この章では、イナダやツバスが「まずい」と感じられる代表的な理由を解説していきます。
イナダの刺身がまずいと感じる主な理由
イナダはブリの若魚で、まだ脂があまり乗っていないのが特徴です。 このため、刺身にしたときに「味が薄い」「パサパサしている」と感じる人が多くなります。
さらに、スーパーなどで手に入るイナダは、鮮度が落ちている場合も多く、臭みや水っぽさが強調されやすいです。 魚は鮮度が命。特にイナダのように脂が少ない魚は、鮮度の影響を大きく受けてしまいます。
実際に私も、スーパーで購入したイナダを刺身にしたとき、「これ本当に食べられるの?」と思ったほど。 しかし、釣ってすぐに血抜きと締め処理をし、数日寝かせたイナダはまるで別物。ねっとりした食感と優しい旨味が引き立ち、とても美味しくいただけました。
つまり、「まずい」と感じる背景には、鮮度管理と魚の成長段階という明確な理由があるのです。
ツバスの刺身がまずいと感じやすい場面とは?
ツバスもイナダと同じくブリの幼魚で、地域によって呼び方が異なります。 ツバスの刺身が「まずい」と感じられる場面の多くは、「臭み」と「歯ごたえの無さ」が原因です。
特に、釣ってすぐの処理を怠った場合や、締め方が甘かった場合は、血のまわりや酸化によって生臭さが強く出てしまいます。 また、身が柔らかすぎる状態だと、口の中で溶けるような感覚ではなく「ぐにゃっ」とした違和感を与えることも。
私の友人も、初めて釣ったツバスをそのまま刺身にして、「魚臭くて食べられない…」とがっかりしていました。 その後、氷締めと血抜きの方法を教えたところ、同じ魚でも「めちゃくちゃ美味しい!」と驚いていました。
このように、ツバスの刺身がまずいと感じるのは、調理前の処理や保存状態によるところが非常に大きいのです。
鮮度・血抜き処理が味に与える影響
イナダやツバスに限らず、青魚はとにかく鮮度と下処理が重要です。 締め方や血抜きが不十分だと、どれほど新鮮でも刺身にしたときに臭みが出てしまいます。
魚の血は酸化が早く、体内に残ったままの状態で時間が経つと、身に臭みが移ってしまいます。 また、神経締めや熟成といった処理を加えることで、旨味を引き出すことも可能です。
実際に釣り人の中には、釣った瞬間に締め・血抜き・神経抜き・冷却の4ステップを徹底する人もいます。 その一手間で、味が2ランク以上変わると言われているほどです。
「まずい」と感じるのは地域差や好みの問題も
「イナダやツバスはまずい」と感じる背景には、味覚の違いも大きく関わっています。 例えば、関東ではあっさりした味を好む傾向が強く、脂の少ない魚でも評価されることがあります。 一方、関西では脂がしっかり乗った濃厚な魚が好まれる傾向があり、イナダやツバスのあっさり感は物足りなく感じられることも。
また、食べ慣れていない人にとっては「青魚=生臭い」という先入観がある場合もあり、それが味の評価に影響することもあります。
つまり、「まずい」と感じたのは魚そのものの問題だけでなく、自分の味覚や文化的背景による可能性も十分にあるということです。
イナダやツバスを美味しく刺身で食べるコツ

「まずい」と言われがちなイナダやツバスの刺身ですが、実はちょっとした工夫で見違えるほど美味しくなることをご存知でしょうか? ここでは、自宅でもできる簡単な下処理や、おすすめの調理法をご紹介します。
イナダやツバスの美味しい刺身の食べ方・下処理方法
イナダやツバスは生臭さが出やすいので、まずは「釣ったらすぐ締める・血抜きする」が基本です。 そのうえで、刺身にする前にしっかり冷蔵熟成を行うと、身がしっとりして旨味がアップします。
淡白な味わいのため、刺身で食べる際は「旨味を引き出す」工夫が欠かせません。
最も効果的なのは「寝かせる(熟成)」こと。
釣ったその日に食べるより、冷蔵庫で2〜3日寝かせた方が旨味が増します。
食べ方で特におすすめなのは「漬け」にすること。
醤油・みりん・酒を混ぜた漬けダレに10〜15分ほど漬け込むだけで、臭みが抑えられ、味に深みが出ます。私の家族も、最初はツバスの刺身を嫌っていたのですが、この漬けにした刺身を出したところ「えっ、これ本当にツバス!?」と驚いていました。
しっかり処理+ひと手間を加えるだけで、見違えるほど美味しくなります。
他には昆布締めもおすすめ。薄く削いだ身を昆布に挟んで半日寝かせることで、昆布の旨味が染み込み、味に深みが生まれます。
私も最初は「刺身じゃ物足りないな」と思っていましたが、昆布締めにしてからは家族にも好評で、いまでは定番の食べ方になりました。
あっさりした味を活かすなら、ポン酢や柚子胡椒を添えるのもおすすめです。
熟成・昆布締めなどのひと工夫で旨味アップ
刺身の「まずさ」を回避する最大のポイントは、やはり「熟成」です。 新鮮=美味しいと思われがちですが、青魚系は寝かせることでアミノ酸が増え、旨味が倍増します。
寝かせ方は、下処理後にキッチンペーパーで包み、ラップして冷蔵保存。日によって変化する味わいを楽しむこともできます。
さらに、昆布締めや軽く酢で締めると風味が上品になり、お刺身が苦手な人でも食べやすくなります。
ちょっとした一手間で、イナダやツバスのイメージがガラッと変わるはずです。
刺身以外で食べる方法も検討しよう
どうしても刺身が苦手…という方には、加熱調理もおすすめです。 特にツバスはフライや塩焼きにするとクセが和らぎ、子どもでも食べやすくなります。
例えば「なめろう」にすることで、臭みを抑えつつ旨味を凝縮できます。味噌・ネギ・生姜と叩き混ぜるだけなので、手軽に挑戦しやすい一品です。
実際、我が家ではツバスのなめろうを作ったところ、「刺身はダメだけどこれは美味しい!」と子どもがパクパク食べてくれました。
刺身にこだわらず、魚の個性に合った調理法を選ぶことが、美味しく食べるコツです。
ブリやハマチとの違いを理解しよう

イナダやツバスといった名前に加えて、「ハマチ」「ブリ」など、似たような魚名が多くて混乱していませんか? 実はこれ、成長段階や地域によって呼び方が違うだけで、同じ魚なんです。ここでは、それぞれの違いや特徴をわかりやすく整理します。
イナダやツバスとブリやハマチの違いを分かりやすく解説
イナダとブリは、どちらも同じ魚(ブリ属)の異なる成長段階です。
成長に応じて地方ごとに呼び名が変わるのが特徴で
関東地方では「ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ」
関西地方では「モジャコ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ」
と呼ばれる事が多いです。
ツバスやイナダは30cm~40cm前後の若魚で、脂のノリは控えめ。
一方、ブリは80cm以上に成長し、脂がたっぷりで濃厚な味わいが特徴です。
私も両方の刺身を同日に食べ比べたことがありますが、イナダはさっぱり、ブリはとろけるような脂の旨味があり、まるで別の魚のように感じました。
つまり、同じ魚でも成長段階によって味や食感が大きく変わるため、調理法や好みに応じて選ぶことが大切です。
ツバス、イナダサイズでも、丸々と太った個体は油が乗って美味しいですし
ブリサイズでも痩せ細った個体なんかは、身がパサパサであまり美味しくないです。
イナダやツバスの刺身がまずいと感じたときの対処法
「せっかく買った(釣った)のにまずかった…」という経験をしたら、次回はその理由を活かしましょう。
まずは、サイズや成長段階を把握して選ぶことが大切です。脂が少ない若魚(イナダ・ツバス)は熟成や昆布締め、加熱調理と相性抜群です。
一方、脂がしっかり乗ったハマチやブリは、そのまま刺身でも濃厚な味わいを楽しめます。ただし、養殖特有の脂っこさが苦手な人は、炙りや漬けで調整すると食べやすくなります。
食べ方を一工夫することで、「まずい」が「また食べたい」に変わるかもしれません。
まとめ|イナダやツバスの刺身は工夫次第で美味しくなる
この記事では、「イナダやツバスの刺身がまずい」と言われる理由や、対処法について解説しました。
- イナダやツバスは脂が少ない若魚で、刺身にすると味が薄く感じられる
- 処理や保存状態が悪いと、生臭さや水っぽさが強調されて「まずい」と思われがち
- 熟成や昆布締め、漬けなどの工夫で、旨味を引き出せる
- そもそも刺身に不向きと感じたら、焼き・フライ・なめろうなど加熱調理もおすすめ
- 「イナダ・ツバス・ハマチ・ブリ」の違いを知ることで、購入・調理の判断がしやすくなる
イナダやツバスは、確かにブリやハマチと比べて味のインパクトは弱いかもしれません。 しかし、丁寧な下処理や一工夫を加えることで、ぐっと美味しくなるポテンシャルを秘めています。
刺身で「まずい」と感じた経験がある方も、ぜひ次はひと手間加えて再挑戦してみてくださいね。