こんにちは、現役釣具屋店員のみきやです。
ここ数年、売り場で「シーバスをベイトでやりたい」という相談が明らかに増えました。ビッグベイトが流行ったこと、専用ロッドが各社から出揃ったことが理由です。ただ、いざリールを選ぼうとすると「バス用とどう違うの?」「バックラッシュが怖い」「PEは何号巻けるの?」と、スピニングとは別の悩みが一気に出てきます。
この記事では、シーバスに使えるベイトリールを予算と用途で3つのクラスに分けて紹介します。普通のシーバス(ミノーやバイブ)に使う1台と、ビッグベイトを投げる1台では選ぶものが変わるので、その線引きもはっきり書きます。バックラッシュが不安な人向けの選び方も用意しました。
結論から言うと、最初の1台は2万〜3万円台。バックラッシュの不安が勝つならDC(スプールの回転をマイコンが監視して自動でブレーキをかける方式)搭載機、多少の慣れを許容して汎用性を取るならタトゥーラTW 200です。
シーバス用ベイトリールの結論|用途別のおすすめ3台
- まず1台なら 25タトゥーラ TW 200。2万円台でPE3号200mが巻けて、通常のシーバスからビッグベイト入門までこなせます
- バックラッシュが不安なら 20エクスセンスDC SS。シーバス専用設計のDCブレーキで、投げるストレスが段違いに減ります
- 本格的なビッグベイトなら 24スコーピオンMD 300。PE4号180mとドラグ8kgで、コノシロパターンの重量級に耐えます
この3台の使い分けが分かれば、あとは予算に合わせて上下するだけです。まず本命のタトゥーラTW 200を先に出しておきます。
そもそもシーバスにベイトは必要?|スピニングとの違い
正直に言うと、シーバスは今もスピニングが主流です。それでもベイトを選ぶ理由は、はっきりしています。
- 太いラインでも飛距離が落ちにくい。スピニングはラインが太くなるほど飛距離が落ちますが、ベイトはPE3号でもストレスなく飛びます。ビッグベイトが成立するのはこの性質のおかげです
- 重いルアーを投げやすい。30gを超えるルアーや空気抵抗の大きいプラグは、ベイトのほうが楽に飛びます
- キャスト精度が高い。クラッチを切って親指で止められるので、橋脚やストラクチャーのギリギリを撃つ釣りで差が出ます
- 手返しが速い。ベールを返す動作が要らないぶん、テンポよく打ち続けられます
- 巻き上げのトルクが強い。抵抗の大きいルアーを引き続けても、手元が楽です
逆に言えば、10〜20gのミノーを広く探るだけならスピニングで十分です。自分がどっちなのかは、通っているフィールドで決まります。
| よく行く場所・やりたい釣り | どちらを選ぶか |
|---|---|
| 小規模河川・運河で橋脚やストラクチャーを撃つ | ベイト向き(精度と手返し) |
| ビッグベイトや1oz超のルアーを投げたい | ベイト一択(太糸と重量級) |
| 大河川・河口で流れの中を大型狙い | ベイト向き(太糸とトルク) |
| サーフ・干潟・堤防から広く遠投して探る | スピニングのままでいい |
| まだ釣り場が決まっていない・釣行が月1〜2回 | スピニングのままでいい |
この表で「スピニングのままでいい」に当てはまった人は、無理にベイトを買う必要はありません。スピニングも含めてシーバスのリールを選び直したい人は、こちらの記事のほうが役に立ちます。

シーバス用ベイトリールの選び方|見るべきは3つ
① ブレーキ方式|バックラッシュが怖いならDCかSV
ベイトリール最大の不安であるバックラッシュは、ブレーキ方式でかなり防げます。とくにPEラインはコシがなくスプール上で浮きやすいので、シーバスでは制御力のあるブレーキが効きます。
| ブレーキ | 搭載機の例 | 特徴 |
|---|---|---|
| DC(デジタル制御) | エクスセンスDC、アンタレスDC MD、スコーピオンDC MD、SLX DC | マイコンが回転を監視して自動制御。もっともトラブルが少ない。音が鳴る |
| SV(ダイワのマグネット制御) | タトゥーラSV TW、スティーズSV | 非接触のマグネットブレーキとSVスプールの組み合わせ。ダイヤルだけで守備範囲が広い |
| マグフォース系・SVS∞など | タトゥーラTW、スコーピオンMD、バスワンXT(SVS) | 調整幅が広く軽量。慣れれば飛距離は伸びるが、最初はセッティングが必要 |
キャストに不安があるなら、多少高くてもDCかSVを選んでください。「投げられずに終わる」のが一番もったいないので、ここは予算をかける価値があります。具体的にはエクスセンスDC SSかSLX DC XT、DCの作動音が苦手ならタトゥーラSV TW 100が候補になります。逆に、ある程度投げられる自信があるなら、マグフォース系でも糸巻き量の多い機種を選ぶ手があります。
② 番手と糸巻き量|PEを何号巻くかで決まる
シーバスのベイトは、狙うルアーの重さでラインが変わり、ラインで番手が決まります。
| 釣り方 | PEの目安 | 必要な番手の例 |
|---|---|---|
| 通常のシーバス(〜30g前後) | 1.5〜2号を150m | 100〜200番クラス(タトゥーラTW200、エクスセンスDC SS) |
| ビッグベイト入門(1〜2oz) | 3号を150〜200m | 200番クラスの深溝(タトゥーラTW200はPE3号200m) |
| 本格ビッグベイト(2〜4oz) | 4号を100〜180m | 300番クラス(スコーピオンMD 300、タトゥーラTW300) |
基準はビッグベイトをやるかどうかの一点で分かれます。やらないならPE2号を150m巻ければ十分で、選択肢はぐっと広がります。少しでもやるつもりならPE3号が150m以上巻ける機種にしてください。ここを満たしていれば、通常のシーバスからビッグベイト入門までを1台でこなせます。
③ ギア比|シーバスはHG〜XGが基本
シーバスのベイトはハイギア(HG)かエクストラハイギア(XG)が基本です。橋脚まわりを手返しよく撃つ、流れの中でラインを素早く回収する、足元まで巻き切るといった動作が多いので、巻き取りの速さがそのまま手数になります。ビッグベイトも、大きなルアーを動かして素早く回収するためXGが好まれます。
| 表記 | ギア比の目安 | シーバスでの評価 |
|---|---|---|
| ノーマル(無印) | 6.5未満 | 巻きは軽いが回収が遅い。シーバスでは出番が少ない |
| HG(ハイギア) | 6.5〜7.5前後 | 迷ったらここ。巻きの軽さと速さのバランスが良い |
| XG(エクストラハイギア) | 7.5以上 | 手数と回収速度を最優先するならここ。ビッグベイトもXG |
迷ったらXGを選んで問題ありません。速く巻きたくない場面はハンドルをゆっくり回せば済みますが、遅いギアで速く巻くことはできないからです。
買う前に決めること|ハンドルの左右と型番の読み方
結論から言うと、シーバスのベイトは「利き手でロッドを持ち続けられる側」を選ぶのがおすすめです。右利きなら左ハンドル、左利きなら右ハンドルということになります。
理由は、シーバスがバス釣り以上にロッドワークを多用する釣りだからです。ドリフトでラインを操作したり、トゥイッチを入れたり、流れの中でロッドの角度を保ったり。持ち替えの動作が入るとその都度リズムが切れますし、ナイトゲームで足場が悪い場所ほど、持ち替えは面倒に感じます。
ただしバス釣り出身で右ハンドルに慣れている人は、無理に変える必要はありません。巻き取りに力が入るのは利き手側という利点もあります。これから始めるなら利き手でロッドを持てる側、慣れがあるならそのまま、と考えてください。
型番の読み方も覚えておくと、通販の選択画面で迷いません。シマノは末尾が偶数なら右ハンドル、奇数なら左ハンドル(スコーピオンMD 200は右、201は左)。ダイワは末尾にLが付けば左ハンドル(タトゥーラTW 200XHが右、200XHLが左)です。数字に続くHG・XH・XGがギア比なので、「201XG=左ハンドルのエクストラハイギア」と読めれば十分です。
バックラッシュを減らす初期設定|売り場で伝えている手順
ベイトリールを買っていくお客さんには、必ずこの順番で説明しています。ここを外すと、どんなに高いリールでも初日にライントラブルで終わります。逆にここさえ押さえておけば、DCでなくても十分投げられます。
① メカニカルブレーキを先に締める
ハンドルが付いている側の中心にある小さなキャップがメカニカルブレーキです。まずここを、ロッドを水平から少し下げたときにルアーがゆっくり落ちて、着地と同時にスプールが止まる位置に合わせます。カタカタとスプールが横に動くようなら緩すぎ。ここが緩いまま外部ブレーキだけ強くしても、バックラッシュは止まりません。
② 外部ブレーキは強い側から始める
- マグフォース・SV系のダイヤル:最大から2〜3段だけ戻した位置
- SVS∞などの遠心ブレーキ:ブロックを全部ONにして、ダイヤルは中間
- DCブレーキ:PE用モードの中間(機種によりP・Fなどの表記)
最初の1時間はここから動かさないでください。まっすぐ投げられるようになってから、1段ずつ緩めていきます。
③ サミングはまず着水の直前から
サミングは、スプールに親指を触れて回転を抑える動作のことです。飛んでいる間ずっと押さえようとすると飛距離が死ぬので、まずはルアーが着水する直前だけ親指を当てて止める。これができるようになるだけで、トラブルの大半は消えます。慣れてきたら、キャストの後半で軽く触れて弾道を整える動作を足していきます。
飛距離を伸ばすのはトラブルが消えてから
投げられるようになってから飛距離を欲しくなったら、緩める順番は外部ブレーキが先、メカニカルは最後です。同時に触ると、どちらが原因で乱れたのか分からなくなります。あとはラインを1ランク細くすること、タラシ(穂先からルアーまでの垂らし)を30〜40cm取ってロッドをしっかり曲げること。この3つで大抵は伸びます。ブレーキを一気に緩めて飛距離を稼ごうとするのが、一番よくある失敗です。
エントリークラス|PE3号を捨てて安く始める2台
このクラスはどれもPE3号は巻けません。ビッグベイトは対象外で、通常のシーバス(〜30g前後)専用と割り切る帯です。それでも、安く始めて後から買い足すという進み方は十分アリです。
シマノ 22SLX DC XT|シーバスに使える最安のDC機
安く始めたい人の実質的な出発点がこれです。実売2万円台半ば、自重195g。DCブレーキ機としては最も手が届きやすく、「投げられるか不安だが予算は抑えたい」という相談にはこれを出しています。さらに安く済ませたいなら無印のSLX DC(実売2万円前後)もありますが、制御の余裕を考えるとXTのほうを勧めます。
糸巻き量はナイロン12lb-100mで、PEなら2号を150m前後、3号は基準の150mに届きません。ビッグベイトは対象外、通常のシーバス専用機として買ってください。
シマノ 17バスワンXT 150|淡水で投げ方を覚えるための1台
実売7千円前後。シンプルな遠心ブレーキ(SVS)が載っていて、クラッチを切ってキャストする感覚を覚えるには十分です。ただし自重210g、ナイロン12lb-130mでPEの太糸は巻けず、ソルトでの常用も想定されていません。シーバスの実戦機ではなく、バス釣りや管理釣り場でキャスト練習をするための機種と考えてください。予算がSLX DC XTまで届くなら、そちらから始めるほうが結果的に近道です。
この機種は単体でインプレ記事も書いています。実際の巻き心地やブレーキの効き方は、こちらが詳しいです。

ミドルクラス(2万〜3万円台)|シーバスの主力はここ
シーバスのベイトで実際に一番売れているのがこの帯です。ただし中身は2種類に分かれます。PE3号を巻いてビッグベイト入門までいける機種と、太糸を捨ててトラブルの少なさに振った機種が混在しているので、どちらに当たるかは機種ごとに書きます。
ダイワ 25タトゥーラ TW 200|まず1台ならこれ
ベイトシーバスの入口として、いま一番勧めやすいのがこれです。実売2万円台半ばで、PE2号300m・3号200m・4号140mという余裕のある糸巻き量。自重225g、最大ドラグ5.5〜6kg(ギア比で変わります)、Tウイングシステム(キャスト時に糸の放出抵抗を減らす機構)搭載。
ブレーキはマグフォース系なので、選び方①で挙げたDCやSVほど自動では守ってくれません。ただしPEの太糸を巻いてブレーキを強めから始めれば、ベイトが初めてでも十分に投げられる範囲です。バックラッシュが本気で怖いなら迷わずエクスセンスDC SS、多少の慣れと引き換えに1台で長く使いたいならこれ、という分け方になります。通常のシーバスならPE2号を150m、ビッグベイトに踏み込むならPE3号を200m。スプールを替えずに両方いけるのがこの機種の最大の強みです。ベイトシーバスの相談を受けたとき、最終的にこれに落ち着く率が売り場でも一番高い機種です。
シマノ 20エクスセンスDC SS|バックラッシュが不安ならこれ
シーバス専用ブランド「エクスセンス」のDCブレーキ機です。実売3万円強。自重220〜225g、PE1号365m・1.5号255m・2号180m、最大ドラグ5kg。
最大の価値はDCブレーキによるトラブルの少なさです。向かい風でも、重心移動系のルアーでも、バックラッシュがほとんど起きません。ナイトゲームで手元が見えない状況ほど、この安心感が効いてきます。「ベイトを始めたいけどライントラブルが怖い」という人には、まずこれを勧めています。
ただし公式の糸巻き量はPE2号180mまでで、3号は想定されていません。ビッグベイトまで見るなら、この機種ではなくタトゥーラTW 200かスコーピオンMD 300のほうです。通常のシーバスを、とにかくトラブルなく投げるための機種と割り切ってください。
ダイワ 25タトゥーラ SV TW 100|DCの作動音が苦手ならこれ
DCブレーキは制御こそ優秀ですが、キャストのたびに「ジー」という作動音が鳴ります。これが気になって手放す人が実際にいるので、その受け皿として置いておきます。実売2万円台後半。
SVスプールとマグネットブレーキの組み合わせで、ダイヤルを触るだけで軽いルアーから重量級まで守備範囲が広く、音は鳴りません。自重195gはこのクラスで最軽量級で、一日中キャストを繰り返すシーバスでは効いてきます。ダイワでタックルを揃えたい人にも、こちらを出しています。
ただしナイロン12lb-80mのシャロースプールなので、PEは2号なら120m前後、余裕を持たせるなら1.5号という容量です。通常のシーバスには足りますが、ビッグベイトは対象外です。
シマノ 24スコーピオンMD 201XG|剛性で選ぶミドル
実売2万円強で、自重215g・最大ドラグ5.5kg(HG系は6kg)。MD(モンスタードライブ)の名前どおり剛性を高めた設計で、抵抗の大きいルアーを巻き続けても不安がありません。DCではないぶん多少のセッティングは必要ですが、「ある程度ベイトに慣れていて、価格を抑えて丈夫な1台が欲しい」人に向いています。糸巻き量はナイロン14lb-145mで、PEなら3号を150m以上。ビッグベイト入門まで踏み込めます。
シマノ 26スコーピオンDC MD|2026年発売の新型
2026年に出たばかりの新型で、実売3万円強。MDシリーズにDCブレーキを載せたという、まさにシーバス向きの組み合わせです。自重225g、最大ドラグ5.5〜6kg、ギア比7.4/8.5。糸巻き量はナイロン14lb-145mで、PEなら3号を150m以上巻けます。エクスセンスDC SSがPE2号までなのに対し、こちらはビッグベイト入門まで対応できるのが実務上の大きな違いです。「エクスセンスDC SSは予算的に厳しいけれどDCが欲しい」という層に、今年から強い選択肢が増えました。
ハイエンドクラス(6万円〜)|飛距離とトラブルレスの頂点
ここから上は「投げやすさ」と「飛距離」に対してお金を払う世界です。釣果に直結するかというと、正直ミドルとの差は詰まっています。それでも、1日中投げ続ける釣りで疲れにくいことの価値は確かにあります。
なお「4〜5万円なら出せる」という人向けの帯は、シーバスに限ると意外に手薄です。実際には3万円台のDC機か、6万円台のエクスセンスDC・アンタレスDC MDに二極化するのが実情で、中途半端に上げるより3万円台で1台買ってロッドとラインに回すほうが釣りは成立します。
シマノ 22エクスセンスDC|シーバス専用DCの最上位
実売6万円台。エクスセンスDC SSの上位で、自重230g、PE1号365m・1.5号255m・2号180m、ギア比7.8。SSとの違いはDCの制御精度とボディ剛性で、軽いルアーから重量級までブレーキ設定を触らずに投げ切れる領域が広がります。シーバスをベイトで本気でやると決めた人の、ひとつの完成形です。
シマノ アンタレスDC MD|飛距離とトラブルレスの最強機
実売6万円台半ば。自重235g、最大ドラグ6kg、ギア比7.4/7.8。MDの剛性とアンタレスのDCが組み合わさっていて、ベイトシーバスで「最強はどれか」という話になると、まず名前が挙がるのがこの機種です。飛距離とトラブルの少なさを両方最上位で取りにいける、いまのところ唯一に近い選択肢になります。糸巻き量はナイロン14lb-145mで、PEなら3号を150m以上。大河川や磯マルで遠投が必要な人、重量級のルアーを終日投げる人に向いています。
ビッグベイト用(2〜4oz)|300番クラスが必要になる
コノシロパターンのような本格的なビッグベイトになると、必要なリールが変わります。PE4号を100〜180m、ドラグは8kg以上、そしてルアーの重さに負けないスプール径。ここまで来ると200番クラスでは容量が足りません。
シマノ 24スコーピオンMD 300|ビッグベイトの現実解
実売2万円台半ば。自重325g、最大ドラグ8kg、PE4号180m・5号140m・6号120m、ギア比7.6。この価格でこの容量とドラグ力は破格で、「ビッグベイトを始めたいが、いきなり6万円は出せない」という人の現実解になっています。ハンドル1回転あたりの巻き取りも十分あります。
ダイワ タトゥーラ TW 300|ドラグ11kgのパワー型
実売2万円台後半。自重325g、最大ドラグ11〜13kg、公式の糸巻き量はPE3号285m・5号160m。スコーピオンMD 300よりさらにドラグが強く、大型青物が混ざるような場所や、太いラインでゴリ巻きする釣りに向いています。Tウイングシステムのおかげで太糸でも放出がスムーズなのも利点です。
なお、さらに上を見るとカルカッタコンクエストMD(実売5万円弱)が定番です。東京湾のボートシーバスでコノシロパターンをやる人が実際に使っている機種ですが、陸っぱり中心なら上の2台で十分に戦えます。
リールだけでは始められない|ロッドとラインも要る
売り場で一番多い誤算がここです。スピニングロッドにベイトリールは載りません。リールシートの形が違うので、ベイト用のロッドを別に買う必要があります。リール代と同じくらいの出費をもう一度見込んでおいてください。
ラインも同じで、スピニングで使っている1号前後のPEは流用できません。ベイトは太糸を活かす道具なので、リールと一緒に巻き替えになります。
| やりたい釣り | ロッドの硬さ | PE | リーダー |
|---|---|---|---|
| 通常のシーバス(〜30g) | ML〜M | 1.5〜2号 | 20〜30lb |
| ビッグベイト入門(1〜2oz) | MH | 3号 | 40lb前後 |
| 本格ビッグベイト(2〜4oz) | H〜XH | 4号 | 50〜60lb |
PEの銘柄は、同じ号数なら硬めでハリのあるものを選ぶとスプールに馴染みやすく、ベイトでは扱いやすくなります。ベイト用に売り場で出しているのはシマノのハードブル8+で、名前のとおりコシがあってスプールに食い込みにくいのが理由です。0.6号から6号まで同じ銘柄で揃うので、通常のシーバスは2号、ビッグベイトに行くときに3号や4号へ上げるという使い方ができます。
シーバス用PEの号数選びと銘柄の比較は、こちらで詳しく書いています。

よくある質問
バス用のベイトリールを流用してもいい?
できますが、ラインキャパが足りるかだけ確認してください。バス用の多くはナイロン12〜14lb基準で作られていて、この記事の基準であるPE3号150mに届かない機種があります。通常のシーバス(PE2号150m程度)なら問題なく流用できます。もうひとつ、塩噛み対策として使用後の水洗いはスピニング以上に丁寧にやってください。
バックラッシュが起きたらどうする?
起きてしまったら、スプールを軽く押さえながらゆっくりラインを引き出すと解けます。指で無理に引っ張ると食い込んで悪化するので、焦らないでください。そもそも起こさないための設定は、この記事の「バックラッシュを減らす初期設定」で手順を書いています。道具で解決したいならエクスセンスDC SSかSLX DC XT、作動音が苦手ならタトゥーラSV TW 100が近道です。
PEとナイロン、どっちを巻くべき?
シーバスならPEが基本です。飛距離と感度、そして根ズレへの強さを考えると、リーダーを結ぶ手間を差し引いてもPEに分があります。ベイトでのPEはバックラッシュ時に締め込みやすいので、ブレーキをやや強めにしてサミングを併用してください。号数とリーダーの組み合わせは、上の「ロッドとラインも要る」の表を見てください。
シマノとダイワ、どっちを選べばいい?
トラブルの少なさを最優先するならシマノです。DCブレーキはシマノにしかなく、ベイトシーバスの安心感という一点では他に代えがききません。一方、作動音が鳴らないトラブルレスが欲しいならダイワのSV機、糸巻き量に余裕のある1台が欲しいならタトゥーラTW 200と、ダイワにも明確な答えがあります。すでにどちらかでタックルを揃えているなら、ハンドルノブやスペアスプールの互換もあるので同じメーカーで揃えるのが無難です。
シーバス用ベイトリール11機種 スペック比較表
この記事で挙げた11機種を並べます。「PE3号150m」の列が、ビッグベイトに踏み込めるかどうかの分かれ目です。ここが×の機種は、通常のシーバス専用と考えてください。
| 機種 | 実売の目安 | 自重 | 最大ドラグ | ブレーキ | PE3号150m | 向く用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 22SLX DC XT | 2万円台半ば | 195g | 5.5kg | DC | × | 通常シーバス(最安のDC機) |
| 17バスワンXT 150 | 7千円前後 | 210g | 5.0kg | 遠心(SVS) | × | 淡水でキャスト練習 |
| 25タトゥーラTW 200 | 2万円台半ば | 225g | 5.5〜6.0kg | マグフォース | ○ | 通常〜ビッグベイト入門 |
| 20エクスセンスDC SS | 3万円強 | 220〜225g | 5.0kg | DC | × | 通常シーバスをトラブルなく |
| 25タトゥーラSV TW 100 | 2万円台後半 | 195g | 5.0kg | SV(マグ) | × | 通常シーバス(作動音なし) |
| 24スコーピオンMD 201XG | 2万円強 | 215g | 5.5kg | SVS∞ | ○ | 剛性で選ぶ |
| 26スコーピオンDC MD | 3万円強 | 225g | 5.5〜6.0kg | DC | ○ | 通常〜ビッグベイトをDCで |
| 22エクスセンスDC | 6万円台 | 230g | 5.0kg | DC | × | シーバス専用DCの最上位 |
| アンタレスDC MD | 6万円台半ば | 235g | 6.0kg | DC | ○ | 飛距離最優先の最強機 |
| 24スコーピオンMD 300 | 2万円台半ば | 325g | 8.0kg | SVS∞ | ◎ 4号180m | 本格ビッグベイト |
| タトゥーラTW 300 | 2万円台後半 | 325g | 11〜13kg | マグフォース | ◎ 3号285m | 本格ビッグベイト(パワー型) |
横に長い表なので、スマホの人は指でスクロールしてください。自重とドラグは同一機種でもギア比によって差があります。なおシマノのMDシリーズ(スコーピオンMD 200番・スコーピオンDC MD・アンタレスDC MD)は公式にPEでの糸巻き量を出していないので、ナイロン14lb-145mからの換算で判定しています。実際に巻くときは1割ほど余裕を見てください。
まとめ|最初の1台はビッグベイトをやるかで決まる
- ベイトが効くのは「太糸」「重量級」「キャスト精度」が必要な場面。広く探るだけならスピニングで十分
- 最初の1台は25タトゥーラ TW 200。PE3号200mで通常もビッグベイト入門もいける。ビッグベイトをやらないなら、PE2号が巻ければ十分で選択肢は広い
- バックラッシュが不安なら20エクスセンスDC SS。DCブレーキの安心感は投資する価値がある
- 本格ビッグベイトは24スコーピオンMD 300。PE4号180m・ドラグ8kgが現実解
- DCの作動音が苦手なら25タトゥーラSV TW 100。音の鳴らないトラブルレスという答えもある
- 最強を求めるならアンタレスDC MD。飛距離とトラブルレスを両方最上位で取る1台
- ギア比は迷ったらXG。ハンドルは利き手でロッドを持てる側がおすすめ
- リールだけでは始められない。ベイトロッドとPEの買い替えも予算に入れておく
通販で買うなら、用途別の答えはこの3台です。
スピニングも含めて比較したい人、そもそもの番手の考え方を知りたい人は、こちらもどうぞ。




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