こんにちは、現役釣具屋店員のみきやです。売り場ではルアーを担当しています。
シーバスをベイトタックルでやりたい人から、売り場で一番多く聞かれるのが「シーバスベイトロッドは何を買えばいいのか」です。リールの話は情報が出回っていますが、ロッドは長さも硬さも選択肢が多く、しかもスピニングロッドにベイトリールを載せても、まともにキャストできません(兼用シートの竿はありますが、ガイドの配置と径がベイト用ではないためです)。結局、専用の1本を買うことになります。
この記事では、シーバスに使えるベイトロッドを用途とクラスで整理して18本紹介します。長さと硬さの決め方、そして売り場で一番多い質問である「バス用のロッドを流用していいのか」にも正面から答えます。流用で始めた人が半年後に買い替えに来る理由まで書くので、そこだけでも読んでいってください。
結論から言うと、陸っぱりで1本目なら8.6ft前後のML〜M。ビッグベイトをやるなら8ftのH以上、ボートなら6〜7ft台です。
シーバス用ベイトロッドの結論|用途別のおすすめ3本
- 陸っぱりで1本目なら シマノ ディアルーナ B86ML。8’6″のMLで、通常のシーバスルアー(〜35g)をひと通り投げられます
- ビッグベイトをやるなら シマノ ディアルーナ B80H。MAX130gで、2〜4oz(約57〜113g)のビッグベイトに耐えます
- ボートシーバスなら ダイワ スカイハイ ボートゲーム 68MB。6’8″の取り回しで、船の上でも振り回せます
- 手持ちのバスロッドを流用したい人は 流用が成立する5つの条件へ。選び方を飛ばして先に確認できます
この3本の使い分けが分かれば、あとは予算とフィールドで上下するだけです。
シーバスにベイトロッドという選択|スピニングとの違い
先に立場をはっきりさせておくと、シーバスは今もスピニングが主流です。売り場でも9割はスピニングロッドが売れていきます。それでもベイトを選ぶ理由は、はっきりしています。
ベイトロッドのメリット|ロッド側で何が変わるか
- ガイドが小さく上向きで、太いラインが失速しない。スピニングは太糸がガイドに当たって飛距離が落ちますが、ベイトロッドはラインがスプールから直線的に出るので、PE3号でも伸びます。ビッグベイトが成立するのはこの構造のおかげです
- ブランクス全体でルアーの重さを受ける。ベイトロッドは胴に乗せて投げる設計なので、30gを超えるルアーを一日投げても手首の負担が小さい
- フロントグリップが短く、クラッチと親指で止められる。ロッドを握った手でそのままキャストを止められるので、橋脚やストラクチャーのギリギリを撃つ釣りで差が出ます
- ベリー(胴)が強い。抵抗の大きいルアーを引き続けても、ロッドが負けません。掛けてからも主導権を取りやすい
ベイトロッドのデメリット|買う前に知っておくこと
- 軽いルアーが投げにくく、飛距離でも負ける。10g前後のミノーやシンペンはロッドが曲がらず飛ばず、20g以下ならラインの太さが同じでもスピニングのほうが飛びます。バチ抜けやマイクロベイトの釣りはスピニングの領分です
- バックラッシュがある。ロッド側の対策は選び方③で書きますが、根本はリールのブレーキ設定と練習です
つまり、10〜20gのミノーを広く探るだけならスピニングのほうが快適で、ベイトが効いてくるのは「太糸」「重量級」「精度」のどれかが必要になったときです。フィールド別に、どちらを選ぶかと必要なロッドの長さ・硬さを並べておきます。
| よく行く場所・やりたい釣り | どちらを選ぶか | ベイトなら長さ・硬さ |
|---|---|---|
| 小規模河川・運河で橋脚やストラクチャーを撃つ | ベイト向き(精度と手返し) | 7〜8ft台のML〜M |
| 中規模河川・港湾で通常のシーバス | どちらでも。太糸を使うならベイト | 8.6ft前後のML〜M |
| ビッグベイトや1oz超のルアーを投げたい | ベイト一択(太糸と重量級) | 8ft前後のMH〜XH |
| ボートシーバスで足元を撃つ | ベイト向き(短竿+片手キャスト) | 6〜7ft台のML〜M |
| サーフ・干潟から広く遠投して探る | スピニングのほうが快適 | やるなら10ft超のM |
| 10〜20gのミノーがメイン | スピニングのほうが快適 | ― |
「スピニングのほうが快適」に当てはまった人は、無理にベイトを買う必要はありません。スピニングも含めてシーバスロッドを選び直したい人は、こちらの記事のほうが役に立ちます。

シーバス用ベイトロッドの選び方|見るべきは3つ
長さ・硬さ・テーパー。この順番で絞ると迷いません。
① 長さ|7ft・8ft・9ft・10ftはフィールドで決まる
ベイトロッドの長さは、そのまま「どこで振れるか」です。背後に草木がある小規模河川で10ftを振ると、キャストのたびに引っかかります。
| 長さ | 主なフィールド | 得意なこと |
|---|---|---|
| 6〜7ft台 | ボート、小規模河川、水路 | 短距離の撃ち。取り回し最優先 |
| 7〜8ft台 | 小〜中規模河川、運河、常夜灯まわり | ストラクチャーをタイトに撃つ。精度重視 |
| 8.6ft前後 | 中規模河川、港湾、シャローエリア | 迷ったらここ。陸っぱりの標準 |
| 9〜9.6ft | 大規模河川、河口、干潟 | 遠投と、流れの中でラインを操作する釣り |
| 10ft以上 | サーフ、大河川の本流 | 遠投特化。そのぶん重く、一日振ると疲れる |
売り場で「1本目です」と言われたら、8.6ft前後を出します。9ft台は確かに飛びますが、ベイトに慣れていない段階で長いロッドを持つと、キャストのタイミングが取りづらくてトラブルが増えます。慣れてから2本目で長くするほうが早いです。
② 硬さと適合ウェイト|ビッグベイトをやるかで決まる
シーバスのベイトロッドは、ビッグベイトをやるかどうかで硬さの帯が完全に分かれます。ここを間違えると、買い直しになります。
| 硬さ | 適合ルアーの目安 | オンス換算 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| ML | 〜35g | 〜1.2oz | 通常のミノー・バイブ・シンペン。ベイト入門はここ |
| M | 〜45g | 〜1.6oz | 汎用。大型ミノーや鉄板バイブまで |
| MH | 〜70g | 〜2.5oz | ビッグベイト入門。1〜2ozのルアー |
| H | 〜130g | 〜4.6oz | 本格ビッグベイト。コノシロパターン |
| XH | 〜130g/PE4〜6号 | 4oz〜 | ジャイアントベイト・大型スイムベイト |
この表記はメーカーで幅があります。同じXHでも、ダイワ24ラテオ 80XHB・KはMAX130g・PE2〜4号、シマノ23ディアルーナ B80XHはPE MAX6号。硬さの記号ではなく、必ずグラム数と号数で確認してください。
もうひとつ、MLやMのロッドで2ozのビッグベイトを投げると破損のリスクがあります。適合ウェイトの上限は「これ以上は保証しない」という数字なので、超えて投げないでください。逆に、Hのロッドで15gのミノーを投げても、ロッドが曲がらず飛びません。
ひとつ補足すると、一般的なシーバスならL〜MHが候補になります。ただしH以上がショアジギング専用というわけではありません。メーカーもシーバスの枠にスピニングのHクラスを置いていて、大型ルアー・強い流れ・障害物まわりを想定した機種です。硬さの表記だけで釣種は決まらないので、用途と適合重量を見てください。
硬さ表記そのものの考え方は、スピニングも含めてこちらで詳しく書いています。

③ テーパーとグリップ|投げやすさはロッド側でも作れる
バックラッシュはリールのブレーキで防ぐものだと思われがちですが、ロッド側でも投げやすさは変わります。
- テーパー(調子)。ティップ(穂先)からベリー(胴)まで曲がるレギュラーテーパー寄りのほうが、ロッドがルアーを押し出してくれるのでキャストが決まりやすい。先だけ曲がるファストテーパーは、慣れないうちは弾きやすくトラブルにつながります
- グリップの長さ。陸っぱりのベイトシーバスは両手で振ります。リールシートから後ろが短いバス用のグリップだと、両手キャストで力が入りません
- ガイド径。PEとリーダーの結束部(ノット)が通るサイズかどうか。バット側のガイドが小さいとノットが引っかかり、キャストのたびに失速します
この記事で紹介する18本は、いずれもシーバスのベイト前提で作られていて、この3条件は最初から満たしています。この3つは、手持ちのバスロッドを流用できるか判断するときのチェック項目だと考えてください。
リール側のブレーキ設定でトラブルを減らす手順は、ベイトリールの記事にまとめてあります。ロッドと合わせて読むと、初日の失敗がかなり減るはずです。

バスロッドの流用はどこまでOKか|売り場で一番多い質問
「バス用のベイトロッドを持っているんですが、シーバスに使えますか?」
これが売り場で圧倒的に多い質問です。結論から言うと、使えます。ただし条件付きです。
シーバスのベイトロッドは、後で見るとおり主力がシマノ・ダイワの2万円台からです(1万円を切る現行機は、後で1本だけ出します)。「まず手持ちのバスロッドで試してみたい」という発想はまったく合理的で、実際、私もそう勧めることがあります。
流用が成立する条件
- 適合ルアーウェイトの上限が30g以上ある。ここが一番の落とし穴で、同じ「ML」でもバス用とソルト用で想定している重さが違います。たとえばダイワのブレイゾン C66ML(バス用ML)は上限14gで、シーバスで使う28gのバイブは適合範囲外です。一方で同じバス用MLでも上限21gの機種があり、MLという表記では決まりません。必ずグラム数を見てください
- 7ft以上ある。バス用は6ft台が多く、陸っぱりで足元のテトラやケーソンをかわすには短い
- PE2〜3号が通るガイド径。バス用はフロロ前提でガイドが小さい機種があり、リーダーの結束部が引っかかります
- グリップが両手で振れる長さ。バス用は片手キャスト前提で短いものが多い
- ソルト対応と書かれている。書かれていなくても即座に壊れはしませんが、ガイドとリールシートの錆びは早くなります
この5つを満たすバスロッドなら、通常のシーバス(〜35g)は十分こなせます。ビッグベイト用のヘビーロッドなら、そのままコノシロパターンにも入れます。
半年後に買い替えに来る人の理由
一方で、バスロッドで始めた人が半年ほどで専用ロッドを買いに来ることも多いです。理由を聞くと、だいたい同じことを言います。
- 長さが足りない。足元のストラクチャーをかわせず、寄せてからバラす。護岸の高い場所だとタモまで持ち上げられない
- 飛距離が伸びない。6ft台では振り幅が足りず、9ftのスピニングをやっている同行者に届かない場所を撃たれる
- ノットがガイドで止まる。PE+リーダーの結束部がバット側のガイドに当たって、キャストのたびに失速する
- 塩で傷む。ガイドのフレームとリールシートの金属部に錆が出て、ガタつくことがある
つまり「バスロッドで始めるのは正解。ただし本気でやるなら1年以内に専用ロッドが要る」というのが実際のところです。最初から続ける気があるなら、2万円台の専用ロッドを1本買ってしまうほうが結果的に安く済みます。
逆に「バスもシーバスも1本で」と割り切るなら、5条件を最初から満たしているバス寄りの汎用機を選ぶ手があります。シマノのレサト 1704R-2(7’0″・15〜80g・PE MAX4号)は、シーバスの通常ルアーからビッグベイト入門まで届く硬さで、ダイワのブラックレーベル C611XH-SB(6’11″・14〜170g・PE MAX8号)はビッグベイト側に振った1本です。どちらも5万円台なので安く済む道ではありませんが、「シーバス専用を買って使わなくなるのが怖い」人には、これが一番後悔の少ない買い方です。
エントリー〜ミドルクラス|コスパで選ぶ陸っぱりの主力7本
先に書いておくと、陸っぱり用のシーバスベイトロッドは選択肢がかなり狭いです。8ft以上でシマノ・ダイワの現行モデルとなると実質2万円台からで、ここがベイトシーバスの入りにくさになっています。
ただし1万円を切って8ft台のベイトが買える現行機が1本だけあります。アブガルシアのソルティーフィールドで、これは次に書きます。ソルティースタイルのSTSC-962MR-TV-KRは鉄板バイブ向けの特化モデルで、通販の在庫も安定しないので、この記事の18本には入れていません。
アブガルシア ソルティーフィールド SFC-836M-TE|1万円を切る8ft台はこれだけ
8’3″・自重161g、適合ルアー5〜40g、PE0.8〜1.5号。実売9千円台で、陸っぱりのシーバスに使えるベイトロッドで、私が知る限り現行で1万円を切るのはこれだけです。
安い理由ははっきりしていて、振出(テレスコ)で、素材にグラスが3割ほど混ざっているからです。並継の2万円台と比べると張りが弱く、感度と振り抜きは1段落ちます。PE1.5号までなのでビッグベイトは不可。それでも「まずベイトでシーバスを1匹釣ってみたい」「バスロッドは持っていないが、専用機に2万円は出せない」という段階なら、これで十分に成立します。仕舞寸法54cmで持ち運びが楽なのも、通勤帰りに寄る人には効きます。
安く始めたい人向けの選択肢は、スピニングも含めてこちらにまとめています。

ソルティーフィールドを除けば、主力は2万円台からです。ここが陸っぱりの主戦場で、ここからの6本が実際に一番売れています。
シマノ 23ディアルーナ B86ML|陸っぱりの1本目はこれ
ベイトシーバスの入口として、いま一番勧めやすいのがこれです。8’6″・自重127g、適合ルアーはMAX35g、適合ラインはPE0.8〜2号。通常のシーバスで使うミノー・バイブ・シンペンをひと通りカバーします。
シマノのベイトモデルはスパイラルXとハイパワーXでブランクスのねじれを抑えてあり、キャストで力が逃げにくいのが特徴です。この価格帯で「ベイトだから飛ばない」という感覚にはなりません。実売2万円台半ば。
シマノ 23ディアルーナ B96M|大河川・河口で遠投したいなら
同じディアルーナの9’6″・M。自重146g、MAX45g、PE1〜2.5号。B86MLより1ft長く、1段階硬いぶん、大規模河川や河口でのウェーディング、流れの中でラインを立てて操作する釣りに向きます。
8’6″と9’6″で迷ったら、「後ろに障害物があるか」で決めてください。背後に草木や柵がある場所が多いなら8’6″、開けた河口やオープンなシャローがメインなら9’6″です。実売2万円台前半で、B86MLより少し安く買えます。ただし安いからといって1本目にはしないでください。9’6″はキャストのタイミングが取りづらく、最初の数釣行でトラブルが増えます。
ダイワ 24ラテオ 86MLB・K|ダイワで揃えるならここから
ダイワのミドルクラス、ラテオのベイトモデル。8’6″・自重136g、適合ルアー7〜35g、PE0.8〜1.5号。ディアルーナB86MLとほぼ同じ土俵の機種で、リールをダイワで揃えている人にはこちらを勧めます。
ラテオはよく曲がるのが持ち味で、掛けてからのやり取りが楽です。シャキッとした操作感が欲しいならディアルーナ、曲げて獲りたいならラテオ、という選び分けになります。実売2万円台半ば。
なお、他のおすすめ記事で今も見かける「ラテオ 89MLB」は2020年の前モデルです。現行は2024年に更新された「・K」付きで、この記事はすべて現行で揃えています。
ダイワ 24ラテオ 93MB・K|9ft台の汎用ベイト
9’3″・自重146g、適合ルアー10〜50g、PE0.8〜2.0号。ラテオのベイトで一番つぶしが利くのがこれです。9ft台の長さがありながらMまでの硬さなので、通常のシーバスから鉄板バイブの遠投までこなせます。実売2万円台後半。
ダイワ 24ラテオ 103MB・K|10ft超で遠投したいなら
10’3″・自重179g、適合ルアー10〜50g、PE0.8〜2.0号。ベイトで10ft超という珍しい構成で、サーフや大河川の本流から遠投するための1本です。
ベイトは太糸を巻いても飛距離が落ちにくいので、長いロッドと組み合わせると「太いラインで遠投する」という、スピニングでは成立しにくい釣りができます。そのぶん自重179gは重いので、一日中投げ続けるより「広い場所で飛距離が要る日に持ち出す」使い方が現実的です。実売2万円台後半。
アブガルシア ソルティーステージ プロトタイプ XSBC-922MMH|ベイト専用設計で選ぶなら
9’2″・自重166g、適合ルアー10〜50g、PE0.8〜2号。アブガルシアはベイトタックルの文化が長いメーカーで、ソルティーステージ プロトタイプのシーバス・ベイトキャスティングモデルは最初からベイトで振ることを前提に設計されています。グリップの長さとテーパーがベイトのキャストに合っていて、投げやすさで選ぶならこれです。MMHという表記はMとMHの中間で、通常のシーバスからビッグベイト入門の手前までを1本で見られます。
名前の似たソルティー「スタイル」「フィールド」は別の下位シリーズで、こちらは2万円台の「ステージ」です。通販で検索するときに混ざりやすいので、型番のXSBCで確認してください。
シマノ・ダイワ以外を試したい人、ベイト専用の設計思想が欲しい人に案内しています。実売2万円台半ば。
ハイエンドクラス|専用設計と軽さに払う4本
ここから上は「一日振り続けても疲れない」「掛けてからの主導権」にお金を払う世界です。釣果に直結するかというと、ミドルとの差は縮まっています。それでも、シーバスのベイトは一日に何百回とキャストを繰り返す釣りなので、自重の10g差と振り抜いたあとの戻りの速さは、最後まで消えません。1シーズン使ったあとに「戻れない」と言われるのがこの帯です。
シマノ 26ルナミス B86M|ミドルとハイエンドのあいだ
8’6″・自重125g、MAX45g、PE1〜3号。ディアルーナのひとつ上、エクスセンス勢のひとつ下という位置づけで、価格に対する満足度が高い帯です。
同じ8’6″のMどうし(この記事で挙げたB86MLではなく、B86M)で比べると、ディアルーナが133g、ルナミスが125gで8g差。数字だけ見ると小さいですが、振ったときの戻りの速さが違います。ここが価格差の中身です。8’0″のMH(B80MH、MAX70g)もありますが、こちらは1〜2ozのビッグベイト入門を兼ねたい人だけ。通常のシーバスならB86Mです。実売3万円台半ば。
シマノ 22エクスセンス∞(インフィニティ)B86M|シーバス専用の最高峰
8’6″・自重123g、適合ルアー8〜40g、PE1.2〜2.5号。シーバス専用ブランド「エクスセンス」の最上位で、感度と軽さを最優先した1本です。
8’6″にはML(B86ML)とMH(B86MH、12〜65g)、9’6″にはB96Mもあります。ビッグベイト入門まで見たい人だけMH、大河川の人だけB96Mで、それ以外はB86Mです。フィールドが決まっていて、その1本を突き詰めたい人向けです。実売6万円台後半。
シマノ 20エクスセンスジェノス B88ML/R|尖らせたい人の選択肢
8’8″・自重121g、適合ルアー6〜32g、PE1〜2号。ジェノスは「万能」ではなく「フィールドに合わせて尖らせる」という思想のシリーズで、ベイトキャスティングモデルは5機種あります。
型番の「/R」はレギュラーテーパーの意味で、選び方③で書いた「投げやすい調子」がそのまま名前に入っています。エクスセンス∞が「1本で完成度を上げる」なら、ジェノスは「場所ごとに持ち替える」ロッドです。通常のシーバスならこのB88ML/R。ビッグベイト専用のB80H/RF(8’0″・14〜100g)と大河川の遠投専用B108M+/R(10’8″・10〜45g)は、その釣りをやる人だけ選んでください。実売5万円台前半。
ダイワ モアザン ブランジーノ EX AGS 88MB|ダイワの最高峰
8’8″・自重154g、適合ルアーMAX40g、PE1.0〜2.5号。ダイワのシーバスロッドの頂点で、AGS(カーボン素材のガイドフレーム)による軽さと感度が売りです。
ベイトモデルは3機種あり、ビッグベイトをやる人だけ80HB(8’0″・MAX100g・17cm超のスイムベイト対応)、大河川の人だけ93MHB(9’3″・MAX50g)。それ以外はこの88MBで、通常のシーバスを最高の道具でやりたい人向けです。実売7万円台後半。
シマノ・ダイワ以外では、ベイト専用ロッドを作り続けているフィッシュマンのブリストやビームスのシリーズが、ベイトシーバスの世界では定番です。売り場に置いている店が限られるので、この記事では名前だけ挙げておきます。
シーバス用ビッグベイトロッド|2ozを超えたら専用、4oz超はジャイアントベイトロッド
シーバスのビッグベイトロッド(シーバスビッグベイトロッド、と一語で呼ばれることもあります)は、ルアーの重さで3つの帯に分かれます。ただし「MHなら2ozまで」のようにパワー表記で判断しないでください。同じMHでも上限50gの機種(2oz=約57gに届かない)もあれば、上限60gの機種もあります。呼称の帯はあくまで目安で、買う前に見るのは機種ごとの適合プラグ重量と、公式の用途説明です。適合重量を超えて投げると壊れます。
| ルアーの重さ | 必要な硬さ | 代表的なルアー |
|---|---|---|
| 1〜2oz(28〜57g) | MH | ジョインテッドクロー148クラスのビッグベイト |
| 2〜4oz(57〜113g) | H | ジョインテッドクロー178クラス、コノシロパターンの大型スイムベイト |
| 4oz以上 | XH | ジャイアントベイト、マグナムクラスのスイムベイト |
〜2oz(MH)|ビッグベイト入門はミドルクラスのMHで届く
ジョインテッドクロー148クラスまでなら、専用機は要りません。この記事なら26ルナミス B80MH(MAX70g)やソルティーステージ プロトタイプ XSBC-922MMH(10〜50g)が守備範囲です。通常のシーバスと兼用したい人はここで止めておくのが正解です。
2〜4oz(H)|シーバス用ビッグベイトロッドの本命帯
ジョインテッドクロー178クラスから、コノシロパターンの大型スイムベイトまで。ここからが専用機の領域で、シーバス用ビッグベイトロッドとして一番売れているのがこの帯です。
シマノ 23ディアルーナ B80H|ビッグベイトの現実解
8’0″・自重161g、適合ルアーMAX130g、PE2〜4号。2〜4ozのビッグベイトを、この価格帯で投げられるのは大きいです。「ビッグベイトを始めたいが、いきなり6万円は出せない」という相談にはこれを出しています。
130gまで見られます。実売2万円台後半。
ダイワ 24ラテオ 80XHB・K|ダイワのビッグベイト機
8’0″・自重180g、MAX130g、PE2.0〜4.0号。名前はXHですが、スペックはディアルーナB80Hと同じ2〜4ozの帯で、ダイワで揃えたい人向けです。ラテオらしくよく曲がるので、大型のシーバスを掛けてからのやり取りに安心感があります。実売2万円台後半。
4oz以上(XH)|ジャイアントベイトロッド
4oz(約113g)を超えるジャイアントベイトや大型スイムベイトは、XH以上の胴の強さが要ります。陸っぱりならディアルーナB80XH、ボートならMAX200gのテイルウォーク ボートゲーマー SSD C610XXHがこの帯です。
シマノ 23ディアルーナ B80XH|ジャイアントベイトまで見るなら
同じ8’0″のXH。自重196g、適合ラインはPE MAX6号。ディアルーナのベイトで一番強い1本で、ジャイアントベイトや大型スイムベイトを想定した硬さです。
B80Hとの違いは、PE6号を背負ってフルキャストできる胴の強さです。ルアーの重さで選ぶならH、ラインの太さで選ぶならXH、と考えると分かりやすいです。ここまで来るとロッド自重196gは相応に重いので、一日中投げ続ける釣りではありません。「ここぞの時間帯に大きいのを投げ切る」ための道具と考えてください。実売2万円台後半。
さらに上を見ると、シマノのエクスセンスジェノス B80H/RF(14〜100g)やダイワのモアザン ブランジーノ EX AGS 80HB(MAX100g・17cm超のスイムベイト対応)がありますが、陸っぱりで始めるなら上の3本で十分に戦えます。
ボートシーバスベイトロッド|短いロッドが要る理由と4本
ボートシーバスは6〜7ft台が本命です。船宿や釣り方によっては8ft前後まで使いますが、船の上は足場が狭く、隣に人がいて、キャストは片手で短く振ることが多い。陸っぱりの9ft級を持ち込むと、取り回しの悪さでかえって釣りにくくなります。
もうひとつ、ボートは足元やストラクチャーの際を撃つ距離が近いので、遠投性能より精度と操作性が要ります。ここがロッドを短くする理由です。短竿はロッド全長が短いぶん材料も少なく、陸っぱりモデルより安く作れるので、価格帯もひとつ下がります。
ダイワ スカイハイ ボートゲーム 68MB|ボートの入口
6’8″・自重120g、適合ルアー7〜35g、PE0.8〜1.5号。ボートシーバスのベイトで一番手が届きやすい帯です。7’3″のHB(10〜60g、PE1.2〜2.0号)もありますが、ボートでビッグベイト寄りの釣りをする人だけそちらです。実売1万円台後半。
シマノ 23ムーンショットBS B610M|シマノで揃える1万円台のボート入門
6’10″・自重128g、適合ルアー8〜38g、PE1〜2.5号。シマノのボートシーバス専用シリーズで、実売1万円台半ば。スカイハイと同じ価格帯で、リールをシマノで揃えている人にはこちらが向いています。同シリーズにはB68ML(軽量ルアー寄り)とB63H(MAX130g・ビッグベイト寄り)もあり、ボートで何を投げるかで選び分けられます。
メジャークラフト 三代目クロステージ CRX-662ML/B|1万円台で始める
6’6″・適合ルアー6〜28g、PE0.6〜1.5号。「まずボートシーバスを一度やってみたい」「レンタルタックルを卒業したい」という段階なら、ここから入るのが現実的です。実売1万円台前半で、ボート用では一番安い1本です。
テイルウォーク ボートゲーマー SSD C610XXH|ボートでビッグベイトを投げる
6’10″のXXH、適合ルアーMAX200g。東京湾のコノシロパターンのように、ボートから大型のスイムベイトを撃つための1本です。同シリーズにはMAX240gのC66SXHもあります。
陸っぱりのビッグベイトロッドをボートに持ち込むと長すぎるので、この釣りをやるなら短くて強い専用機が要ります。ダイワならラテオBS 66XHB・W(6’6″・MAX130g)が同じ役割です。実売2万円台後半。
合わせるリール・ライン・タモはどうする?
ロッドが決まったら、リールとラインです。ここは深く書くとロッドの話が薄くなるので、結論だけ置いておきます。
| ロッドの硬さ | リールの番手 | PE | リーダー |
|---|---|---|---|
| ML〜M(通常のシーバス) | 100〜200番クラス | 1.5〜2号 | 20〜30lb |
| MH(ビッグベイト入門) | 200番クラスの深溝 | 3号 | 40lb前後 |
| H〜XH(本格ビッグベイト) | 300番クラス | 4号以上 | 50〜60lb |
リールはPEを何号巻くかで番手が決まります。機種ごとの糸巻き量とブレーキ方式の選び方は、ベイトリールの記事に11機種分まとめました。

ラインの号数と銘柄はこちらです。ベイトはスピニング用の1号前後を流用できないので、リールと一緒に買い替えになります。

総額の目安も書いておきます。1本目の構成(ディアルーナB86ML+2万円台のベイトリール+PEとリーダー)で、合計5万円台前半が現実的なところです。スピニングから移行する人は、ここを見てから決めてください。
もうひとつ忘れやすいのがタモです。ビッグベイトで狙うサイズのシーバスは、抜き上げられません。護岸の高い場所なら、最初の釣行からランディングネットが要ります。

よくある質問
スピニングロッドにベイトリールは載せられる?
載りません。リールシートの形が違います。スピニングロッドはリールが下向きに付くように、ベイトロッドは上向きに付くように作られていて、互換性はありません。ガイドは向きが逆で、大きさも違います。ベイトリールを買ったら、ロッドも必ず別に用意してください。
シマノとダイワ、どっちを選べばいい?
陸っぱりのベイトシーバスに限れば、機種数が多いのはシマノです。ディアルーナ・ルナミス・エクスセンス∞・ジェノスと、価格帯ごとにベイトモデルが揃っています。ダイワはラテオとモアザンが軸で、よく曲がる調子が好きな人はこちら。すでにリールをどちらかで揃えているなら、同じメーカーにしておくと売り場での相談もしやすいです。予算を気にせず突き詰めるなら、シマノはエクスセンス∞、ダイワはブランジーノ EX AGSが到達点です。
ベイトにすると飛距離は落ちる?
軽いルアーは落ちます。重いルアーと太いラインでは、むしろ伸びます。10g前後のミノーならスピニングのほうが確実に飛びます。一方で、PE3号を巻いて30g超のルアーを投げる場面では、スピニングはラインの太さで飛距離を失うのに対し、ベイトはほとんど落ちません。「ベイトは飛ばない」というのは、軽いルアーに限った話です。
バックラッシュが怖いのですが、ロッドで何とかなりますか?
ロッドだけでは解決しません。ただし、レギュラーテーパー寄りでグリップが長いロッドは、キャストが安定するぶんトラブルが減ります。根本的な対策はリールのブレーキ設定とサミングなので、そちらはベイトリールの記事で手順を書いています。
シーバス以外の釣りにも使える?
使えます。店頭で「兼用したい」と言われたときの答えは、ML〜Mならチニング、ロックフィッシュ、適合上限内の30g前後までのライトショアジギング。H〜XHならボートの青物やビッグベイトのバスです。ベイトロッドは太糸とルアーの重さで守備範囲が決まるので、シーバス専用に買っても他の釣りに回せます。「買って使わなくなるのでは」という心配は、ML〜Mの8.6ft前後を選んでおけばほぼ当たりません。バスまで1本で見たいなら、流用の章で挙げたレサトやブラックレーベルの側です。
2ピースとモバイル(4ピース)、どっちがいい?
車移動が中心なら2ピースで十分です。電車や自転車で通う人、遠征する人はモバイルロッドを選ぶ価値があります。ダイワのラテオには86MLB-4・K、93MB-4・Kという4ピースモデルがあり、継数が増えても2ピースと同等の調子になるよう設計されています。そのぶん定価は上がります。
シーバス用ベイトロッド18本 スペック比較表
この記事で挙げた18本を並べます。「実売の目安」「長さ」「適合ルアー」の3列を見れば、予算とフィールドとやりたい釣りに合うかが判断できます。機種名を押すと、その機種の説明に戻れます。
| 機種 | 実売の目安 | 長さ | 硬さ | 適合ルアー | 適合ライン | 自重 | 向く用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| アブガルシア ソルティーフィールド SFC-836M-TE | 9千円台 | 8’3″ | M | 5-40g | PE0.8-1.5 | 161g | 1万円を切る8ft台 |
| シマノ 23ディアルーナ B86ML | 2万円台半ば | 8’6″ | ML | MAX 35g | PE0.8-2 | 127g | 陸っぱりの1本目 |
| シマノ 23ディアルーナ B96M | 2万円台前半 | 9’6″ | M | MAX 45g | PE1-2.5 | 146g | 大河川・河口の遠投 |
| ダイワ 24ラテオ 86MLB・K | 2万円台半ば | 8’6″ | ML | 7-35g | PE0.8-1.5 | 136g | ダイワで揃えるなら |
| ダイワ 24ラテオ 93MB・K | 2万円台後半 | 9’3″ | M | 10-50g | PE0.8-2.0 | 146g | 9ft台の汎用 |
| ダイワ 24ラテオ 103MB・K | 2万円台後半 | 10’3″ | M | 10-50g | PE0.8-2.0 | 179g | 10ft超の遠投ベイト |
| アブガルシア ソルティーステージ プロトタイプ XSBC-922MMH | 2万円台半ば | 9’2″ | MMH | 10-50g | PE0.8-2 | 166g | ベイト専用設計 |
| シマノ 26ルナミス B86M | 3万円台半ば | 8’6″ | M | MAX 45g | PE1-3 | 125g | ミドルの一段上 |
| シマノ 22エクスセンス∞ B86M | 6万円台後半 | 8’6″ | M | 8-40g | PE1.2-2.5 | 123g | シーバス専用の最高峰 |
| シマノ 20エクスセンスジェノス B88ML/R | 5万円台前半 | 8’8″ | ML | 6-32g | PE1-2 | 121g | 尖らせたい人向け |
| ダイワ モアザン ブランジーノ EX AGS 88MB | 7万円台後半 | 8’8″ | M | MAX 40g | PE1.0-2.5 | 154g | ダイワの最高峰 |
| シマノ 23ディアルーナ B80H | 2万円台後半 | 8’0″ | H | MAX 130g | PE2-4 | 161g | ビッグベイトの現実解 |
| シマノ 23ディアルーナ B80XH | 2万円台後半 | 8’0″ | XH | ― | PE MAX6 | 196g | ジャイアントベイト |
| ダイワ 24ラテオ 80XHB・K | 2万円台後半 | 8’0″ | XH | MAX 130g | PE2.0-4.0 | 180g | ダイワのビッグベイト機 |
| ダイワ スカイハイ ボートゲーム 68MB | 1万円台後半 | 6’8″ | M | 7-35g | PE0.8-1.5 | 120g | ボートの入口 |
| シマノ 23ムーンショットBS B610M | 1万円台半ば | 6’10” | M | 8-38g | PE1-2.5 | 128g | シマノで揃えるボート入門 |
| メジャークラフト 三代目クロステージ CRX-662ML/B | 1万円台前半 | 6’6″ | ML | 6-28g | PE0.6-1.5 | ― | 1万円台で始める |
| テイルウォーク ボートゲーマー SSD C610XXH | 2万円台後半 | 6’10” | XXH | MAX 200g | PE MAX5 | 132g | ボートでビッグベイト |
横に長い表なので、スマホの人は指でスクロールしてください。数値は各メーカーの公表値で、ディアルーナB80XHの適合ルアーとクロステージの自重は公式に記載がないため「―」にしています。表記の補足として、MMHはMとMHの中間、XXHはXHのさらに上。型番のBはベイトモデル、/Rはレギュラーテーパー、・Kや・Wはダイワの年式や仕様の記号です。硬さの記号はメーカーごとに幅があるので、迷ったら選び方②のとおりグラム数で確認してください。
表を見て迷ったら、陸っぱりならB86ML、ビッグベイトならB80Hです。
まとめ|シーバスベイトロッドの最初の1本は長さとビッグベイトの有無で決まる
- 陸っぱりで迷ったら8.6ft前後のML〜M。背後が開けた河口メインなら9ft台に上げる
- 1本目はディアルーナ B86ML。2万円台で通常のシーバスをひと通りカバーできる
- ビッグベイトをやるならディアルーナ B80H。MAX130gで2〜4ozに耐える
- ボートならスカイハイ ボートゲーム 68MB。6〜7ft台の取り回しが要る
- 陸っぱり用はシマノ・ダイワなら実質2万円台から。1万円を切る現行機はアブのソルティーフィールドくらい。手持ちのバスロッドで始めるのは合理的だが、続けるなら1年以内に専用ロッドが要る
- スピニングロッドにベイトリールは載らない。リールとラインの買い替えも予算に入れる
通販で買うなら、用途別の答えはこの3本です。予算を気にせず突き詰めるなら、4本目のエクスセンス∞まで見てください。
スピニングも含めて選び直したい人、安く始めたい人はこちらもどうぞ。




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