こんにちは、現役釣具屋店員のみきやです。
電動リールを買ったお客さんから、次に相談されることが多いのがバッテリーです。
「何Ahを買えばいいですか」「家にあるマキタの電池で回せませんか」と聞かれます。
純正のリチウムバッテリーは、手頃な電動リールと変わらないくらいの値段がします。
一方で通販には、安いリチウムや工具用の電池につなぐアダプターも並んでいて、どれを選べばいいのか分かりにくい道具です。
私自身も、船の部門を担当する年は電動リールを使うので、バッテリーの重さや充電の手間は毎回気にしています。
容量の決め方、電圧、純正と鉛とBMO、マキタなど工具用の電池、飛行機、充電と保管まで、両社の取扱説明書や製品ページの数字と一緒にまとめました。
対象は、船で手に持って使う小型〜中型の電動リールのバッテリーです。
ワカサギ用の小さな電動リールの電池は、別の物として考えてください。
電動リールにバッテリーは要る?|船の電源で足りる人と、自分のバッテリーが要る人

電動リールは、船の電源か、自分で持ち込むバッテリーのどちらかから電気を取って動きます。
船の電源で起きること|電圧が安定しない日がある
船に電源が付いていれば、リール付属のコードを船の電源につなぐだけで巻き上げができます。
ただし、発電機や配線によって船の電源の電圧が安定しないことがあり、そのときはリールの保護回路が働いて、巻き上げが止まったり断続したりする、とダイワは案内しています。
お店でも、「混んでいる日に船の電源を使ったら、巻き上げが遅くなった」という話を聞くことがあります。
自分のバッテリーが要る人、まだ要らない人
自分のバッテリーを持っていったほうがいいのは、次のような人です。
- 電源の無い船や、電源の有無が分からない船にも乗る
- いろいろな船宿に乗るので、電源の条件が毎回違う
- 電動リールを2台使ったり、探見丸(シマノの魚探。船の親機の映像を手元の子機で見る)も一緒につないだりしたい
- 巻き上げが途切れると困る深場の釣りによく行く
逆に、よく乗る船宿が決まっていて電源も付いているなら、急いで買わなくても困りません。
リールと同時に買うか、あとから買うか
予算に余裕があるなら、リールと同じメーカーのバッテリーを同時にそろえると、最初の釣行から電源の心配をしなくて済みます。
予算が厳しいときは、リールを優先して、バッテリーはあとから選んでも大丈夫です。
船の電源で始めて、あとから純正のリチウムに進む流れは、電動リールの選び方と一緒にこちらで書いています。

電動リール用バッテリーの選び方|電圧・容量・鉛かリチウムか

バッテリーは、まず電圧がリールに合うかを見て、次に容量、それから重さと値段で決めていきます。
電圧|リールが受け付けるのはDC12〜16.8V
シマノの電動リール(23-24フォースマスター600)の取扱説明書には、使用電源保証範囲はDC12〜16.8Vまでで、これより大きな電源などを使うと発煙や発火の可能性がある、と書かれています。
ダイワも、レオブリッツS300Jの製品ページで電源をDC12V〜16.8Vとしていて、取扱説明書では12〜24Vや24V専用の機種もあり、機種によって違うとしています。
電動リール用のバッテリーは、大きく分けて12Vの鉛と、14.4Vのリチウムの2種類です。
リチウムは満充電のときに電圧が少し上がり、シマノのBTマスターの充電器は16.8Vで充電します。
どちらも、リールが受け付ける範囲の中に収まるように作られています。
マキタなどの工具用の電池を考えるときも、この「DC12〜16.8V」が物差しになります(工具用・代用・自作)。
容量|何Ahかは、釣り物と水深、半日か1日かで決める
容量はAh(アンペアアワー)で表されます。
数字が大きいほど、1回の充電で長く巻けます。
同じリールでも、深い場所から何度も巻き上げる日ほど電気を使うので、番手だけでは決まりません。
ダイワも対応バッテリーの一覧表に、釣りモノにより容量が不足する場合があるので表は目安にしてほしい、と添えています。
私がお店で容量を聞かれたときは、釣り物と水深、半日船か1日船かを先に聞いてから、次の表の組み合わせで案内しています。
| 釣り物(電動リールの番手) | 1日船 | 半日船 | 水深の目安 |
|---|---|---|---|
| タチウオテンヤ・ライトアジ・タイラバ(シマノ600番・ダイワ200番) | 11〜12Ahクラス | 6.6Ahクラス(ダイワ)/11Ah(シマノ) | 数十m |
| マダイ・ヤリイカ・中深海の入口(シマノ1000番・ダイワ300番) | 12Ah+余裕(BMO 13.2Ah・鉛の20Ah) | 11〜12Ahクラス | 100m前後から |
| 深場のイカや大物(シマノ2000番・ダイワ400番から上) | 20Ahクラス(鉛の20000C・BMO 26.4Ah) | 12Ahクラス | 200m以上 |
表の数字は、売られているバッテリーの容量の刻みに合わせた目安です。
1日船の「11〜12Ahクラス」は、鉛ならタフバッテリーの12Ah、リチウムならBTマスターの11Ahと12000WPII-Cの12Ahにあたります。
半日船の「6.6Ahクラス(ダイワ)」は、BMOが6.6Ah IIについて、鉛の12Ah以上の使用時間があるとしているのを元にした数字です。
シマノは23・24フォースマスター600の取扱説明書でつなぐバッテリーを容量10Ah以上としているので、シマノのリールは半日でもBTマスターの11Ahにしています。
次の3つに当てはまるときは、表より大きい容量を選んでください。
- 探見丸を一緒につなぐ。シマノのBTマスターは、ダブルジョイントで電動リールと探見丸の子機を同時につなげる
- 電動リールを2台つなぐ。ダイワのスーパーリチウム12000WPII-Cは、300番以下なら2台を同時に使える
- 何年か使ったバッテリー。電池には寿命がある(シマノの取扱説明書)
鉛かリチウムか|重さ・充電の時間・値段で比べる
鉛とリチウムは、同じくらいの容量でも、重さと値段が大きく違います。
代表的な製品の公式の数字で並べました。
| 項目 | 鉛(ダイワ タフバッテリー12000IV) | リチウム(シマノ BTマスター・ダイワ 12000WPII-C) |
|---|---|---|
| 電圧 | 12V | 14.4V |
| 容量 | 12Ah | 11Ah・12Ah |
| 重さ | 約4000g | 1700g・約1230g |
| 充電の時間 | 公式ページに記載なし(12V・12AhのハピソンYQ-118は約17時間) | BTマスターは約10時間 |
鉛は手頃に買えますが、12Ahで4kgほどあり、駐車場から船まで持って歩くと重さがこたえます。
リチウムは値段が上がる分、重さが3分の1〜半分くらいになり、充電の時間も短めです。
動きにも差があり、ダイワは12000WPII-Cの製品ページで、鉛のバッテリーと比べて巻き上げのスピードとパワーが上がるとしています。
シマノの取扱説明書がシマノ製に限っているのはリチウムイオンバッテリーで(純正を薦める理由)、鉛のバッテリーについては、電圧が下がった状態で使わないように、という注意が書かれています。
鉛は12Vでリールの電圧の範囲に入るので、シマノのリールの人が手頃に始めるときも、鉛は選べます。
お店では、年に数回しか船に乗らない人には鉛、毎月のように乗る人には純正のリチウムを見てもらうことが多いです。
つなぎ方とコード|リールのコードは純正を使う
バッテリーとリールは、リールに付いてくる電源コードでつなぎます。
ダイワもシマノも、取扱説明書で付属の純正コードを使うように求めています。
コードの先はクリップで、赤をプラス、黒をマイナスの端子にはさみます(両社の取扱説明書)。
シマノは、プラスとマイナスを逆につなぐとリールが壊れる場合があると注意しています。
通販で見かける、シマノとダイワの両対応をうたう変換コードは、不具合が出たときにメーカーで見てもらえるかが分からないので、お店では純正のコードを案内しています。
ダイワのリールで付属のコードを細く軽いものにしたい人には、SLP WORKSのスーパーAIRコード220があります。
残量表示・水洗い
容量と電圧のほかに、使い勝手で差が出るのが次の2つです。
- 残量表示:ダイワのスーパーリチウム12000WPII-Cは、残量を緑のランプで常に表示する
- 水洗い:12000WPII-Cは水洗いできる作り。ただし水に沈めない、洗剤を使わない
価格帯|鉛は1万円台から、純正のリチウムは4万〜6万円台
価格帯の目安は、鉛の12Ahが1万円台半ば、鉛の20Ahが2万円台前半、BMOの6.6Ah IIが2万円台半ば、シマノのBTマスターが4万円台、ダイワのスーパーリチウム12000WPII-Cが6万円台です。
値段は時期や在庫で動きます。
いまの値段は、商品ごとのリンク先で確かめてください。
電動リール用バッテリーおすすめ|シマノ・ダイワの純正と鉛、BMO

紹介するのは、シマノとダイワの純正リチウムが2つ、ダイワの鉛が2つ、BMOのリチウムが1つです。
| 製品 | 種類・電圧 | 容量 | 重さ | 価格帯の目安 |
|---|---|---|---|---|
| シマノ 22 BTマスター 11Ah | リチウム・14.4V | 11Ah | 1700g | 4万円台 |
| ダイワ スーパーリチウム12000WPII-C | リチウム・14.4V | 12Ah | 約1230g | 6万円台 |
| ダイワ タフバッテリー12000IV | 鉛・12V | 12Ah | 約4000g | 1万円台半ば |
| ダイワ タフバッテリー20000C | 鉛・12V | 20Ah | 約6400g | 2万円台前半 |
| BMO リチウムイオンバッテリー6.6Ah II | リチウム・14.4V | 6.6Ah | 750g | 2万円台半ば |
リールと同じメーカーの純正を薦める理由
シマノの取扱説明書(23-24フォースマスター600)には、リチウムイオンバッテリーを使う際はシマノのバッテリーを使うように、他社メーカーのバッテリーを使った場合はリールとバッテリーが破損する場合がある、と書かれています。
ダイワも取扱説明書で、「ダイワ対応」とうたう他社の電池は使用をお薦めしないとしていて、バッテリー側が原因の故障や損害は補償しないと書いています。
リールと同じメーカーの純正なら、取扱説明書の案内どおりに使えて、困ったときの相談先も1か所で済みます。
シマノのリールならBTマスター、ダイワのリールならスーパーリチウム12000WPII-Cです。
シマノ 22 BTマスター 11Ah|シマノの電動リールと探見丸を1個で
22 BTマスター 11Ahは、シマノの電動丸シリーズのリチウムバッテリーで、ダブルジョイントを使えば、電動リールと探見丸の子機を1個で同時に動かせます。
シマノは、自社の試験で、大きな電流を流したときの放電時間が、従来品の電力丸10Ahの約2倍になったとしています。
| 項目 | 公式の数字 |
|---|---|
| 定格電圧 | 14.4V |
| 容量 | 11Ah |
| 重さ | 1700g |
| 充電の時間 | 標準で約10時間(取扱説明書) |
| 使えるもの | シマノの電動リール・探見丸の子機 |
お店では、シマノのリールを買った人が、あとから電源をそろえに来て選んでいくことの多いバッテリーです。
ダイワ スーパーリチウム12000WPII-C|ダイワ300番以下なら2台を同時に
スーパーリチウム12000WPII-Cは、ダイワのリチウムバッテリーです。
通販では「12000WP2-C」と書かれていることもあります。
前の型の12000WP-Cや、11Ahの11000WPも通販で名前を見かけますが、今のダイワの船用品の一覧に並んでいるのは12000WPII-Cです。
300番以下なら2台を同時につなげるほか、緑のランプで残量が常に見え、負荷がかかりすぎると一時的に止まる安全の仕組みも付いています。
| 項目 | 公式の数字 |
|---|---|
| 電圧 | 14.4V |
| 容量 | 12Ah |
| 重さ | 約1230g |
| 対応するリール | ダイワの電動リールの1800番以下(マリンパワー・ワカサギ用を除く)。300番以下は2台同時 |
| 充電器 | 専用充電器 SUPER LITHIUM CHARGER 1800II |
| 飛行機 | 航空機内への持込み、預入れともにできない(ダイワの製品ページ) |
遠征で飛行機を使う人は、飛行機の節の小さい容量のバッテリーも見てください。
ダイワ タフバッテリー12000IV|鉛で安く始める。約4kgの12Ah
タフバッテリー12000IVは、ダイワの鉛のバッテリーで、液が漏れにくいシールドタイプです。
通販では「12000[4]」と書かれていることもあります。
純正のリチウムよりずっと安く買えて、ダイワの電動リールの対応表にも載っています。
12Vの鉛なので、シマノのリールの電圧の範囲にも入ります。
その代わり重さは約4000gで、BTマスターの2倍以上あります。
| 項目 | 公式の数字 |
|---|---|
| 電圧 | 12V(ダイワの対応バッテリー一覧表) |
| 容量 | 12Ah(20時間率) |
| 重さ | 約4000g(本体のみ) |
| 種類 | シールドタイプの鉛 |
お店では、「まずは手頃な1個を」という人に、このクラスの鉛を見てもらうことがあります。
同じ12Vの12Ahでは、ハピソンのYQ-118もあります。
ハピソンはメンテナンスフリーの小型の蓄電池として、重さを約4.9kgとしています。
ダイワ タフバッテリー20000C|深場で1日使う人の20Ah
タフバッテリー20000Cは、ダイワの鉛の20Ahです。
12000IVより容量が大きい分、重さは約6400gになります。
深場のイカや大物のように、1日に何度も長い距離を巻き上げる釣りで、容量に余裕を持たせたい人向けです。
| 項目 | 公式の数字 |
|---|---|
| 電圧 | 12V(ダイワの対応バッテリー一覧表) |
| 容量 | 20Ah(20時間率) |
| 重さ | 約6400g |
| 種類 | シールドタイプの鉛 |
BMO リチウムイオンバッテリー6.6Ah II|ダイワのリールで、半日と遠征に。1日船なら13.2Ah
BMO JAPANは国内のメーカーで、電動リール用のリチウムバッテリーの現行は次の4つ、船で手に持つ小型〜中型のリールで使うのは14.4Vの3つです。
| 製品(品番) | 電圧・容量 | 重さ | Wh | 向く使い方 |
|---|---|---|---|---|
| 6.6Ah II(10Z0014) | 14.4V・6.6Ah | 750g | 95.04Wh(ラベルの表示) | 半日船。飛行機の遠征 |
| 13.2Ah(10A0007) | 14.4V・13.2Ah | 1.5kg | 約190Wh(計算) | 1日船。BMOは鉛の12Ahの2倍以上の使用時間としている |
| 14.4V 26.4Ah(10A0006) | 14.4V・26.4Ah | 2.7kg | 約380Wh(計算) | 深場や大物で1日 |
| 25.2V 16.5Ah(10A0005) | 25.2V・16.5Ah | − | − | DC12〜16.8Vの小型〜中型には使わない |
13.2Ahと26.4Ahは160Whを超えるので、飛行機には持ち込めません。
防水の等級は、6.6Ah IIがIP55、13.2Ahと26.4AhがIP65です。
シマノの取扱説明書はリチウムをシマノ製に限っている(純正を薦める理由)ので、BMOを見るのは主にダイワのリールの人です。
ただ、ダイワも他社の電池はお薦めしないとしていて、BMOも取扱説明書で、使えるかどうかは各電動リールのメーカーに確かめるよう書いています。
中でも6.6Ah IIは750gと軽く、BMOは、鉛の12Ah以上の使用時間があり、ダイワのレオブリッツ300Jで水深50mを約300回巻き上げられるとしています。
ダイワのリールで飛行機の遠征をする人が、この小さい容量を2個持っていく使い方もできます(飛行機の節)。
電動リールのバッテリーに、マキタなど工具用・代用・自作は使える?|電圧は合っても、お店で薦めない理由
お店で一番答えに気を遣うのが、この質問です。
まず電圧|14.4Vの工具用は範囲に入り、18Vは公称の数字で超える
工具用のリチウム電池にも、14.4Vと18Vなどがあります。
一般的なリチウムイオン電池は1本あたり満充電で約4.2Vなので、公称14.4V(4本を直列)は最大で約16.8V、公称18V(5本を直列)は最大で約21Vになる計算です。
シマノの取扱説明書の電源の範囲は公称電圧で12〜16.8Vなので、14.4Vの工具用は、満充電のおよそ16.8Vまで含めて数字の上では範囲に入りますが、18Vは公称の数字の時点で範囲を超え、満充電ではさらに上がります。
それでも薦めない4つの理由
14.4Vの工具用なら使えるかというと、お店では薦めていません。
理由は次の4つです。
- 取扱説明書の外になる:シマノは取扱説明書で、他社メーカーのリチウムバッテリーを使うとリールとバッテリーが破損する場合があるとしている。電池の側でも、マキタは充電式草刈機などの取扱説明書に、バッテリはマキタ製品以外に取り付けて使用しないように、火災や発熱の恐れがあると書いている
- 壊れたときに困る:リールが故障したとき、何をつないでいたかによっては、保証で見てもらえないことがある
- 変換アダプターと自作のコード:電動リールは巻き上げのときに大きな電流が流れる。つなぎ目の接触が悪いと、熱を持ったり、外れたりしやすい
- 容量が足りない:マキタの14.4Vのバッテリーは、大きいものでも6.0Ah(BL1460B)。シマノが取扱説明書で求める10Ah以上に届かず、容量の早見表で半日船の目安にした6.6Ahクラスにも届かない
工具用の電池に自作のコードをつないでいた人から、「端子が熱くなった」「揺れで外れた」という相談を受けたこともあります。
自作のケースやコードも同じで、うまく動いても、何かあったときの責任は自分に返ってきます。
車・バイク用、発電機、ポータブル電源は?
工具用のほかにも、よく聞かれる電源があります。
それぞれ、別の理由で薦めていません。
- 車・バイク用のバッテリー:エンジンをかけるための電池で、電動リールのように長く電気を出し続ける使い方とは向きが違う。重さもある
- 発電機の直流の出力:バッテリーを充電するための出力で、電圧が一定とは限らない。リールに直接つながない
- ポータブル電源:機種によって出せる電流や出力の電圧が違う。電動リールに使えるとメーカーがうたっていない物はつながない
迷ったら、リールの取扱説明書に書かれている電源か、リールのメーカーが案内しているバッテリーを選んでください。
「日本製」「国内メーカー」のバッテリーを聞かれたら
「日本製のバッテリーはどれですか」と聞かれることもあります。
電池の中身の製造国は、メーカーの公式の案内にほとんど書かれていないので、お店では「国内メーカー」かどうかで答えています。
紹介したシマノ、ダイワ、BMO JAPAN、ハピソンは、どれも国内のメーカーです。
通販の「互換」とうたう安いリチウムは、容量や電圧の表示どおりに使えるかが外から分かりにくいので、お店では薦めていません。
持ち運びと手入れ|船の上・充電・保管・寿命・飛行機

バッテリーは、買ったあとの扱い方で持ちが変わります。
飛行機に持ち込めるかどうかは、この節の最後にあります。
バッテリーのケースと、船の上の置き場所・落下防止
船の上では、バッテリーは足元や竿の近くに置くことになります。
波をかぶりにくく、足で蹴りにくい場所を選んでください。
家から船までは、バッテリーをケースやバッグに入れて運ぶと、端子をぶつけたり、ほかの金具と触れたりするのを防げます。
ダイワのタフバッテリーのように、専用のバッグが付いてくる製品もあります。
シマノからは、シマノのバッテリーが入る大きさで作られた船ベリポーチ BK-301Wが出ています。
ベルトをロッドキーパーなどに掛けて使う作りです。
ネジで竿やロッドキーパーに直接取り付けるタイプは、締め付けだけに頼らず、落下防止のひもやベルトも一緒に付けておくと安心です。
付けたままにしていると、船の揺れでネジが緩んでくることもあります。
直付けのバッテリーが外れて海に落ちた、という話は、お店でもときどき耳にします。
充電|時間はBTマスターで約10時間。専用の充電器で
BTマスターの標準の充電時間は、取扱説明書で約10時間です。
12Vの蓄電池は時間がかかるものが多く、ハピソンのYQ-118は約17時間です。
釣りの前の晩に慌てて充電するより、前の日の朝から始めるくらいの余裕を見てください。
充電器は、バッテリーごとの専用品を使います。
シマノは、買ってすぐのバッテリーは、使う前に必ず充電するよう案内しています。
保管|リチウムはシマノの案内の4つ、鉛は釣行前に必ず充電
シーズンが終わってしまっておくときの決まりは、リチウムと鉛で違います。
リチウムは、シマノのBTマスターの案内が参考になります。
- 満充電のまま保管しない(取扱説明書)。製品ページでも、残りが少ないまま長く置かないよう案内している
- 6か月に1度は電池の残りを確かめる(取扱説明書)。残量の表示が1以下なら、2〜3になるまで充電する
- リールにつないだまま保管しない(製品ページ)。つないでいるだけで0.1〜0.2Aほどの電気が流れ続け、空になりすぎる原因になる
- 保管の温度は-20〜50度(取扱説明書)。夏の車の中のような暑い場所に置きっぱなしにしない
ダイワも12000WPII-Cの製品ページで、保管のときは電源を切り、3か月に1回ほど充電量を確かめて補充電するよう案内しています。
鉛のタフバッテリーも、しまっている間に少しずつ減っていきます。
ダイワは取扱説明書で、長く置いたバッテリーは釣行前に必ず充電するよう案内しています。
釣りのあとは、端子の周りに付いた塩を真水で湿らせた布でふき取り、よく乾かしてからしまってください。
寿命と処分
バッテリーには寿命があり(シマノの取扱説明書にもそうあります)、使ううちにためられる量が減っていきます。
ハピソンはYQ-118の寿命を約200回(JIS C 8702の条件)としています。
満充電しても以前ほど持たなくなったら、買い替えの時期です。
使わなくなったバッテリーは、燃えないごみなどに混ぜず、住んでいる市町村の案内か、買ったお店に捨て方を聞いてください。
飛行機に持ち込めるかは、Wh(ワット時)で決まる
Wh(ワット時定格量)は、定格電圧(V)×定格容量(Ah)で計算できます。
航空のルールでは、機器に入れていない電池は「予備の電池」と呼ばれ、電動リールのバッテリーもここに入ります。
国土交通省の基準(航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示の別表)では、予備のリチウム電池は預け入れの手荷物に入れられず、機内に持ち込む手荷物にします。
持ち込めるのは160Wh以下で、100Whを超えて160Wh以下のものは、同じ帯のモバイルバッテリーと合わせて2個まで、100Wh以下のものは個数に数えないとされています。
ただし航空会社が別に決まりを設けていることもあり、ANAの国内線は100Wh以下の予備の電池も1人20個までとしています。
| 製品 | 国土交通省の区分 | Wh | 電圧×容量 |
|---|---|---|---|
| BMO 6.6Ah II | 100Wh以下(個数に数えない) | 95.04Wh(ラベルの表示) | 14.4V×6.6Ah |
| ハピソン YQ-105 | 100Wh以下(個数に数えない) | 96.5Wh(ハピソンの表示) | 14.4V×6.7Ah |
| シマノ 22 BTマスター 11Ah | 100Wh超〜160Wh以下(2個まで。計算上) | 約158Wh(計算) | 14.4V×11Ah |
| ダイワ スーパーリチウム12000WPII-C | 160Wh超(持ち込めない。ダイワも不可と明記) | 約173Wh(計算) | 14.4V×12Ah |
| ダイワ タフバッテリー12000IV(鉛) | 鉛は100Wh超で持ち込めない | 144Wh(計算) | 12V×12Ah |
実際に持ち込めるかを決めるのは航空会社で、ラベルに書かれたWhで判断されることもあります。
シマノも、空輸は航空会社や輸送を頼む会社に必ず事前に確認するよう案内しているので、BTマスターを持っていくなら、ラベルにWhの表示があるかを出かける前に見て、問い合わせてください。
液が漏れない密閉型(シールドタイプ)の鉛のバッテリーは、同じ告示の別表で、手荷物にできるのが電圧12V以下かつ100Wh以下の物(予備は2個まで)とされています。
12Vの12Ahは144Whなので、この枠には入りません。
スマホ用のモバイルバッテリーは、2026年4月24日から、機内に持ち込めるのが容量にかかわらず1人2個まで(160Wh以下)になり、機内で本体に充電しないことも決まりになりました。
機内でスマホなどへ充電するのを控える要請は、国土交通省が法律に基づく禁止ではないと説明しています。
遠征で飛行機を使うなら、100Wh以下の小さい容量を2個持っていくか(シマノのリールなら、取扱説明書の案内との兼ね合いをメーカーに聞いてから)、船宿で電源やバッテリーを借りられるかを聞いておく方法があります。
電動リールのバッテリーでよくある質問

Q. 何Ahあれば1日もちますか?
タチウオやライトアジ、タイラバのような浅めの釣りなら、11〜12Ahのクラスが目安です。
水深が100mを超える釣りや、2台つなぐ日、探見丸も使う日は、もう一回り大きい容量を見てください(容量の早見表)。
Q. 半日船なら小さい容量でも足りますか?
浅めの釣りの半日船なら、6.6Ahクラスの小さい容量でも足りることが多いです。
深い釣りや、同じバッテリーを1日船にも回すつもりなら、11〜12Ahを選んでおくと困りません。
Q. 中古のバッテリーはどうですか?
お店では薦めていません。
何回充電されたか、どんな温度で保管されていたかが外から分からず、容量がどれだけ残っているかも見えないからです。
Q. 充電器はほかのバッテリーと共用できますか?
バッテリーごとの専用の充電器を使ってください。
鉛とリチウムでは充電のしかたが違い、同じリチウムでもメーカーや型で決まりが違います。
Q. 1個のバッテリーに電動リールを2台つなげますか?
ダイワのスーパーリチウム12000WPII-Cは、ダイワの300番以下なら2台を同時に使えます。
2台使う日は、そのぶん容量に余裕を見てください。
Q. バッテリーが充電できなくなりました。
残りが0のまま1年以上置いておくと、充電できなくなることがあります(シマノの製品ページ)。
自分で分解はせず、買ったお店かメーカーに相談してください。
Q. 船宿の電源だけで通い続けられますか?
よく乗る船宿に電源があって、巻き上げが止まるようなことが無ければ、通えます。
ただ、電源の無い船や、電圧が安定しない日もあるので、船宿を広げていくなら自分のバッテリーがあると安心です。
まとめ|1個目はリールと同じメーカーの純正か、鉛の12Ah。遠征するなら100Wh以下
- 電圧は、リールが受け付けるDC12〜16.8Vの中で。鉛は12V、純正のリチウムは14.4V
- 容量は、釣り物と水深、半日か1日かで決める。浅めの1日船なら11〜12Ahのクラスが目安
- シマノのリールならBTマスター、ダイワのリールならスーパーリチウム12000WPII-C。コードも純正を使う
- 手頃に始めるなら鉛。12Ahで約4kgの重さはある
- 工具用・自作・車用は薦めない。18Vは公称の数字で電圧の範囲を超え、14.4Vは大きくても6.0Ahで容量が届かない
- 飛行機はWhで決まる。ダイワのリールなら、100Wh以下の小さい容量を2個持っていく方法がある
- 保管は、リチウムは満充電を避けて、シマノは6か月・ダイワは3か月に1度残りを確かめる。鉛は釣行前に必ず充電
シマノの電動リールを使っているなら、BTマスターです。
ダイワのリールなら、スーパーリチウム12000WPII-Cです。
1個目を安くそろえるなら、鉛のタフバッテリー12000IVです。
ダイワの製品ですが、12Vの鉛はシマノのリールでも選べます。
ダイワのリールで、軽さと飛行機での遠征を考えるなら、BMOの6.6Ah IIです。
あわせて読みたい
電動リールの選び方と、シマノ・ダイワのおすすめはこちらです。

船のタチウオの竿と、テンヤの選び方はこちらにまとめています。



