チヌ(クロダイ)の釣り方7つ|釣り場と時間で選ぶ早見表つき

堤防のコンクリートに横たえたクロダイ

こんにちは、現役釣具屋店員のみきやです。

「チヌを釣りたいんですが、何から始めればいいですか」——店頭で一番多い相談のひとつです。

ところが調べると、ウキフカセ・紀州釣り・落とし込み・ヘチ・前打ち・筏・チニング……釣り方が7つも8つも出てきて、結局どれを選べばいいか分からない。実際、そのまま買い物せずに帰るお客さんもいます。

この記事は「釣り方の一覧」ではなく「あなたの条件から1つに絞る」ための記事です。釣り場・使える時間・撒き餌が使えるか——この3つを答えるだけで、選ぶべき釣り方は決まります。

私はルアー(チニング)で300匹以上釣っています。エサ釣りについては、店頭でお客さんから聞く話と一般的な組み方をもとに書きます。自分でやり込んでいない釣りを、やり込んだように書くつもりはありません。

目次

チヌの釣り方は7つ|ただし最初に選ぶのは3つです

釣り方どこで撒き餌難易度最初の1つに
チニング(ルアー)河口・港湾不要◎ 一番おすすめ
ウキフカセ堤防・磯必要◎ 数を釣るなら
落とし込み・ヘチ・前打ち堤防のキワ不要○ 歩くのが好きなら
紀州釣り(ダンゴ)堤防・砂地必要△ 慣れてから
筏・カカリ釣り筏(渡船)必要△ 船代がかかる
ぶっこみ堤防・河口不要△ 置き竿になりがち
カゴ釣り堤防必要△ チヌ専門ではない

最初に選ぶなら、上の3つのどれかです。残り4つは「その釣りができる場所が近くにある人」向けだと考えてください。

そして、いま一番始めやすいのはチニング(ルアー)です。撒き餌が要らず、荷物はロッド1本とケース1個。仕事帰りに1時間だけ、という使い方ができます。

「7つもあるなら、全部やってみたい」と思うかもしれません。ですが、竿だけは釣り方ごとに別物です。ルアー用は7〜8ftの短い竿、フカセは5m級の磯竿、ヘチは2.7〜3mの専用竿——買い直しになるので、最初に絞ったほうが結果的に安く済みます。

なぜ釣り方がこんなに多いのか

チヌが「どこにでもいて、何でも食べる魚」だからです。

河口にも堤防にも磯にも筏にもいて、カニ・エビ・貝・ゴカイ・海藻、果てはスイカまで食べます。居場所とエサの幅が広いぶん、それぞれの状況に合わせた釣り方が発達しました。これだけ専用の釣法がある魚は、日本ではかなり珍しいです。

裏を返すと、どの釣り方も「ある条件で最強」なだけです。万能な1つは存在しません。だから自分の条件に合うものを選ぶのが正解になります。

釣り方によって、何が変わるのか

変わるもの具体的には
荷物の量撒き餌を使うかどうかで、ほぼ決まる
準備時間撒き餌を混ぜる作業だけで20〜30分かかる
移動できるかフカセは留まる釣り、ヘチとルアーは歩く釣り
釣れる数寄せられるフカセが有利
道具の初期費用ロッドが専用になるので、釣り方を変えると買い直しになる
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あなたに合う釣り方の決め方|3つ答えるだけ

順番に答えてください。これで1つに絞れます。

① 近くにあるのはどんな釣り場ですか

近くにあるもの選ぶ釣り方
川の河口・港・運河チニング(ルアー)
堤防(足場がしっかりしている)ウキフカセ/落とし込み
堤防のキワにカキ殻が付いている落とし込み・ヘチ・前打ち
ウキフカセ
砂地の堤防紀州釣り(ダンゴ)
渡船のある筏・カセ筏(カカリ)釣り

河口があるなら、まずチニングで問題ありません。都市部の川でも十分いますし、機材も一番少なくて済みます。

② 1回の釣行に、どれくらい時間を使えますか

使える時間向いている釣り方理由
1〜2時間チニング/ヘチ・前打ち準備がほぼゼロ。思い立って行ける
半日ウキフカセ/紀州釣り撒き餌の準備と片付けに時間がかかる
丸一日筏・カカリ釣り渡船の時間が決まっている

ここが一番の分かれ目だと思います。撒き餌を使う釣りは、準備と後片付けで1時間近く取られます。「行ける回数」で考えると、ルアーのほうが年間釣果は伸びることもあります。

店頭で実際にしている質問は、これです

「どこで釣りますか」「何時間くらい行けますか」「車ですか電車ですか」——この3つを聞けば、勧める道具は決まります。

逆に「どれが一番釣れますか」と聞かれても、答えようがありません。条件を聞かずに釣り方を決めるのは、行き先を聞かずに靴を選ぶようなものだからです。ネットの記事が7種類並べて終わるのは、読者の条件が分からないからです。

だからこの記事では、先に条件から入ります。該当するところだけ読めば、あなたが選ぶべき釣り方は1つか2つに絞れます。

③ 撒き餌を使えますか

意外と見落とされますが、これは大事です。

  • 撒き餌禁止の釣り場が増えています。行く前に必ず確認してください
  • バッカン・水汲みバケツ・ヒシャクなど、道具が一式必要になります
  • 車が無いと運ぶのがしんどい。電車釣行なら現実的ではありません
  • 帰ってから洗う手間がかかります

撒き餌が使えない・使いたくないなら、基本はチニングかヘチ・前打ちです。この2つは撒き餌を一切使いません。置き竿でよければ、ぶっこみも撒き餌なしで成立します。

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チニング(ルアー)|いま一番始めやすい

ワームやハードルアーでチヌを狙う釣りです。ここ10年で一番伸びたチヌの釣り方で、専用ロッドもルアーも各社から出ています。

何が優れているのか

  • 撒き餌が要らない。バッカンもヒシャクも不要
  • 荷物がロッド1本とルアーケース1個。電車でも行ける
  • 準備時間がほぼゼロ。思い立って1時間だけ、ができる
  • 河口・港湾でできる。都市部から近い
  • 歩いて探せる。いない場所に留まらずに済む

逆に弱点は「魚を寄せられないこと」です。撒き餌が無いぶん、チヌがいない場所では何をしても釣れません。だから場所選びと、見切って移動する判断がすべてになります。

最低限そろえるもの

道具目安ひとこと
ロッド7.6ft前後・MLMLは硬さの表記(ミディアムライト)。これ1本で全部できる
リール2500番・ハイギア2500番は本体の大きさ。他の釣りにも流用できる
ラインPE0.8号150mで足りる。慣れたら細くしてもいい
リーダーフロロ12〜16lblbは強さの単位。カキ殻の場所なら太めに
ルアーワーム+フリーリグまずはこれだけ

実際の流れは、こうです

  • ①河口や港に着いたら、まず数投して底の感触を確かめる(砂か、石か、カキ殻か)
  • ②ワームを底に沈めて、ゆっくり引く。1〜2m引いたら3〜5秒止める
  • ③止めた直後に食ってくることが多い。コツコツ来ても、すぐ合わせない
  • ④重みが乗ったら合わせる。あとは足元に突っ込まれないよう耐える
  • ⑤30分反応が無ければ移動。粘るより歩いたほうが結果が出る

難しい操作はありません。投げて、底を感じて、ゆっくり引いて、止める。これだけです。むしろ止める勇気があるかどうかで釣果が変わります。

向いていない人もいます

正直に書くと、チニングが合わない人もいます。

  • 1ヶ所にじっくり座っていたい人:歩く釣りなので合いません
  • 確実に1匹持って帰りたい人:ボウズの日は普通にあります
  • 根掛かりでストレスを感じる人:底を引く釣りなので、ロストは避けられません

とくに根掛かりは、最初のうち必ず経験します。カキ殻やゴロタの上を引くので、これは仕方がないと思ってください。1回の釣行でルアーを2〜3個失うことも普通にあります。

そのぶんワームは1個あたりが安いので、ロストしても懐へのダメージは小さい。この点は、高価なハードルアーを使う釣りより気楽です。

この表に対応する製品はこの3つです。入門記事でも同じものを勧めています。

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これより安いものもあります。ただこの2つは「安くても壊れにくい下限」だと考えてください。すぐ壊れて買い直すのが一番高くつきます。

始め方と釣り場の見つけ方は、入門記事にまとめています。

何を投げるかは、通す層(レンジ)と底質で決まります。

仕掛けの組み方はこちらです。結ぶのは4つのパーツだけで足ります。

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ウキフカセ釣り|数を釣りたいならこれ

フカセを始めるなら、買い物リストはこちらです。

撒き餌でチヌを寄せて、ウキで食わせる釣りです。チヌ釣りの王道で、専門でやり込む人が一番多い釣り方でもあります。

なぜ数が出るのか

理由は単純で、こちらから魚を集められるからです。ルアーが「いる魚を探す」のに対し、フカセは「いない場所にも寄せられる」。同じ場所に1日立って、撒き餌で足止めしながら釣り続けられるのが強みです。

そのぶん準備は重いです。オキアミ・集魚剤・バッカン・ヒシャク・水汲みバケツ——釣り場に着いてから、撒き餌を混ぜる作業から始まります。

店頭でよく聞かれること

「難しくないですか」とよく聞かれますが、難しいのは仕掛けよりウキ下(タナ)の調整だと思います。底から何cm上を流すかを状況に合わせて変える。ここが釣果を分けます。

もうひとつがエサ取りです。夏場はフグやスズメダイに刺し餌を先に取られて、チヌまで届かない。撒き餌を投げ分けてエサ取りを引き離す、といった工夫が要ります。

最低限そろえるもの

道具目安
磯竿1〜1.5号・5.3m前後
リール2500〜3000番(レバーブレーキがあると楽)
道糸・ハリスナイロン2号/フロロ1.5号前後
ウキ迷ったら3B。Bは浮力の単位で、数字が大きいほど重い仕掛けを支えられる
撒き餌一式オキアミ・集魚剤・バッカン・ヒシャク・水汲みバケツ

道具の総額はチニングと大きく変わりませんが、「かさばる度合い」がまったく違います。バッカンと水汲みバケツが増えるだけで、電車釣行はかなり厳しくなります。

覚えることは多いが、覚えれば一生使えます

ウキ下の調整、撒き餌の配合、潮の読み方——覚えることは確かに多い。ただ、この釣りで身につく感覚は、他の釣りにも効きます。

とくに「潮を読む」感覚です。撒き餌がどう流れて、どこで沈むのか。仕掛けをどこに入れれば同調するのか。これが分かるようになると、ルアーの釣りでも狙う場所が変わります。遠回りに見えて、実は一番の近道だという人もいます。

店頭でも、フカセをやり込んだ人がチニングを始めると上達が早いです。魚がどこにいるかの見立てが、もうできているからだと思います。

仕掛けは、上から順に通すだけです

「フカセは仕掛けが難しい」と言われますが、通す順番さえ覚えれば形になります。道糸に、上から順にこう通していきます。

  • ①ウキ止め糸:ここが「タナ(底からの高さ)」を決める。動かして調整する
  • ②シモリ玉:ウキ止めをすり抜けないための小さな玉
  • ③ウキ迷ったら3Bを1つ。Bはウキの浮力の単位
  • ④からまん棒:ウキが下がりすぎるのを止める
  • ⑤サルカン:ここで道糸とハリスを繋ぐ
  • ⑥ハリス(1.5号を1ヒロ=約1.5m)
  • ⑦ガン玉沈ませたいときだけハリスに打つ
  • ⑧ハリ(チヌ針1〜2号)

これが「半誘導」と呼ばれる、一番基本の形です。ウキ止めの位置を変えるだけで狙う深さを変えられるのが利点。まずはこの1つで足ります。

実際の流れ

  • ①釣り場に着いたら、まず撒き餌を混ぜる(オキアミ+集魚剤+海水)
  • ②ウキ止めを、水深の8割くらいの位置に。分からなければ深めから始める
  • ③足元に撒き餌を数杯入れてから、その上に仕掛けを落とす
  • ④ウキが流れるのに任せる。糸は張らず、たるませすぎず
  • ⑤ウキが消えたら合わせる。ゆっくり沈むのはエサ取り、スッと消えるのが本命

刺し餌はオキアミが基本です。夏はエサ取りに取られるので、練り餌やコーンに替える——このあたりは店頭でもよく相談を受けます。

竿・リール・ウキ・撒き餌一式がそろえば、この形で始められます。

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落とし込み・ヘチ・前打ち|歩いて探す釣り

道具立てと、アタリの取り方はこちらに詳しく書きました。

堤防のキワに、カニやイガイを落としていく釣りです。撒き餌を使わず、歩きながら探ります。

呼び方何が違うか
ヘチ釣り足元の壁に沿って、真下に落とす
落とし込みほぼ同義。上から落として食わせる動作そのものを指す
前打ち少し先に投げて、手前に寄せながら探る

厳密には分かれていますが、最初は同じものだと思って大丈夫です。どれも「壁際にいるチヌを、上から落として食わせる」釣りです。

難易度は高いが、荷物は一番軽い

竿・リール・ハリ・オモリ・エサだけ。撒き餌もクーラーも要らないので、身軽さではチニングと並びます。

難しいのはアタリの取り方です。ウキも無く、ラインの変化だけで食ったかどうかを判断します。これが分かるまでに時間がかかるので、店頭でも「最初の1つ」としては勧めにくい釣りです。

なぜ「壁」なのか

堤防の壁には、カキ・イガイ・フジツボ・カニが付いています。チヌにとっては、そこが餌場です。

だから壁から離れると、途端に食わなくなります。壁から30cm離れただけで食わない、ということが普通に起こります。「キワを釣る」という言葉が使われるのは、それくらいシビアだからです。

逆に言えば、壁さえ正確に落とせれば釣れるということでもあります。広い範囲を探る必要がないぶん、覚えることは意外と少ない——そう言う常連さんもいます。

竿はヘチなら2.7〜3mが標準です。足場の高い堤防なら3m以上、低ければ2.4mでも足ります。前打ちはもっと長く、4m級を使います。リールは太鼓リールという、糸が出る力を調整する機能(ドラグ)が付いていないシンプルなものが定番。道具そのものは、7つの釣り方の中で一番シンプルです。

エサは、その場所にあるものを使います

どの餌をどれだけ持っていくかは、釣り方ごとに早見表にまとめました。

この釣りの面白いところは、エサが現地調達できることです。

  • カニ一番の定番。堤防の石をめくれば採れることもある
  • イガイ(ムラサキイガイ・カラス貝)堤防の壁に付いている。夏の主役。呼び方が変わるだけで同じ貝です
  • フジツボ:場所によってはこれが効く
  • オキアミ・ボケ・イソガニなどの小型のカニ

壁に付いているものを剥がして、その場で刺して落とす。チヌがふだん食べているものをそのまま使うので、警戒されにくいという理屈です。

ただし、キワにカキ殻がびっしり付いた堤防が近くにあるなら、この釣りが一番強いです。チヌはそういう場所に着いています。

その他の釣り方|条件が合えば強い4つ

紀州釣り(ダンゴ釣り)

刺し餌をダンゴで包んで沈め、底で割れたところを食わせる釣りです。砂地の堤防で強く、エサ取りをダンゴでかわせるのが利点関西で発達した釣り方で、専門でやる人も多い釣りです。

ダンゴを握る作業そのものが技術で、底で割れるまでの時間を、握り方で調整します。早く割れるとエサ取りに取られ、割れないとチヌが気づかない。ここがこの釣りの肝です。

筏・カカリ釣り

渡船で筏やカセに渡って、真下を狙う釣りです。短い竿で、足元に落とすだけ——シンプルですが、魚の濃さが陸っぱりとは段違いです。渡船代がかかるぶん、行くと決めた日に確実性を求める人向け

ぶっこみ釣り

オモリを付けて投げて、置いておく釣りです。道具が一番安く、難しい技術も要りません。ただしアタリを待つ釣りなので、時間がかかります。他の釣りをしながらの置き竿として使う人が多い印象です。

投げて待つだけなので、家族連れでも成立します。竿を複数出して、1本はぶっこみで置いておく——という使い方が現実的だと思います。

カゴ釣り

撒き餌を入れたカゴごと投げる釣りです。本来はマダイ・イサキ・青物を遠投で狙う釣りですが、タナを底に取ればチヌも釣れます。遠投できるので、堤防から沖のポイントを狙いたいときに選択肢になります。

ただしチヌ専門の釣りではないので、他の魚が先に食ってくることも多い。チヌを狙って行くというより、五目釣りの延長で釣れると考えたほうが近いです。

どれも「専門でやる人」がいる釣りです

紀州釣り・筏・カゴ——どれも、それだけを何十年もやっている人がいます。片手間で始めて上達する類の釣りではないのが正直なところです。

ただし、周りにやっている人がいるなら話は別です。この手の釣りは、教わるのが圧倒的に早い。ダンゴの握り方も、筏でのタナの取り方も、文章で読むより1回見せてもらったほうが早いです。

近所に常連さんが多い釣り方があるなら、それを選ぶのも立派な判断だと思います。

この4つは「近くにその場所があるなら」

紀州釣りは砂地の堤防、筏は渡船のある湾、ぶっこみとカゴは足場のいい堤防——いずれも場所の条件が先に来ます。

逆に言えば、条件が揃っている人にとっては最短ルートです。近所に筏の渡船があるなら、陸っぱりで苦労するより先に乗ってしまったほうが早い——店頭ではそう案内することもあります。

釣り方を変える前に|チヌが釣れない原因は5つ

店頭で「釣れないので釣り方を変えたい」という相談を受けます。ですが、たいていの場合は釣り方ではなく、別のところに原因があります。

原因症状やること
① 場所にチヌがいないアタリが一度も無い30分で見切って移動する
② 潮が動いていない反応が鈍い・魚の気配が無い潮が動く時間に合わせて行く
③ 底を取れていない根掛かりもしないし当たらないオモリ・シンカーを重くする
④ 気配を消せていない足元にいたのに散る静かに近づく・影を落とさない
⑤ アワセが早いコツコツ来るが乗らない重みが乗るまで待つ

①が9割です

正直に言うと、釣れない理由のほとんどは「そこにいない」です。チヌがいる場所なら、多少やり方が下手でも釣れます。逆にいない場所では、どんな高級な道具でも釣れません。

チヌがいる場所の目印は3つ浅いこと、底が硬いこと(石・敷石・カキ殻)、エサがあること。干潮のときに見に行って、カニが歩いているかを確認してください。カニがいない場所には、たいていチヌもいません。

場所の見極め方は、入門記事で詳しく書いています。

②の「潮」は、行く時間で決まります

潮がまったく動いていない時間は、どの釣り方でも反応が鈍いです。満潮や干潮の前後で、水が止まっている時間帯——ここは休憩にあててください。

狙うのは、潮が動き出してからの1〜2時間同じ場所でも、潮が動き出した瞬間に急に食い出すことがあります。「腕」より「時間」のほうが影響が大きいのが、この釣りの現実です。

基本は上げ潮だと考えてください。浅場に新しい水が入ると、チヌも一緒に入ってきます。干潟や河口なら、この効果ははっきり出ます。

④の「気配」は、チヌ特有です

チヌは警戒心が異常に強い魚です。足音、影、話し声——浅い場所ほど敏感に反応します。

堤防のキワを覗き込んだ瞬間に散るのはよくあること。近づく前に、まず離れた位置から投げる。これだけで結果が変わることがあります。

季節で、釣り方の向き不向きが変わります

季節チヌの状態向いている釣り方
春(乗っ込み)産卵で浅場に入る。年間最大サイズフカセ/落とし込み
初夏〜夏活性が高い。トップにも出るチニング(一番やりやすい)
型は落ちる。夏ほど簡単には出ないチニング/フカセ
深場に落ちる。難易度が上がるフカセ/筏(渡船で深場へ)

チニングは、夏を中心に春から秋まで冬は数が落ちるので、この時期はエサ釣りのほうが分があると思います。

逆に真夏の日中は、エサ取りが多すぎてフカセが成立しにくい。季節で釣り方を持ち替えられると、一年中狙えます。

春と冬は、エサ釣りに分があります

春の乗っ込みは、年間で一番大型が出る時期です。産卵のために浅場へ入ってくるので、堤防や磯からでも届く。この時期はフカセや落とし込みで、確実に食わせる釣りが強いと思います。

冬は深場に落ちるので、陸から届きにくくなります。撒き餌で寄せられるフカセか、渡船で深場へ出られる筏——この2つが現実的な選択肢です。冬に無理してルアーで通すより、季節に合った釣り方に持ち替えるほうが早い。

ただし乗っ込みの時期は、食味が落ちます。産卵に体力を使うためで、一番釣れる時期と一番おいしい時期はずれています。大型を狙うなら春、食べるなら冬——そう覚えておくと分かりやすいです。

夏はチニングの独壇場です

トップで出す条件は、こちらにまとめました。

水温が上がると活性が上がり、浅場に出てきます。トップウォーターに出るのもこの時期で、釣りとしての面白さは一年で一番だと思います。

逆にフカセは、エサ取りが多すぎて成立しにくい。刺し餌がチヌまで届く前に、フグやスズメダイに取られてしまいます。

秋は、釣り方を切り替えるタイミングです

水温が下がり始めて、チヌが越冬に備えて食い出す時期です。ただし、夏のような「投げれば当たる」感じは薄れます。数は出るのに型が伸びない、という日が増える——それが秋です。

スローに、実績のあるポイントに絞る。夏と同じ感覚のまま入ると、急に釣れなくなったように感じます。

エサ釣りに広げてみるなら、この時期は悪くありません。夏にチニングを覚えた人が、秋にフカセを試してみる——そういう広げ方をする常連さんは多いです。

時期と時間帯の詳しい話は、こちらにまとめました。

チヌの釣り方についてよくある質問

Q. 一番釣れる釣り方はどれですか?

数だけならウキフカセです。撒き餌で寄せられるぶん、有利なのは間違いありません。ただし準備と片付けに時間がかかるので、「年間で何匹釣れるか」で見ると手軽なチニングが上回ることもあります。

Q. 初心者が一番始めやすいのは?

チニング(ルアー)です。撒き餌が要らず、荷物が少なく、河口や港湾で成立します。失敗しても道具の無駄が少ないのも利点です。

Q. 道具は使い回せますか?

ルアーとエサ釣りでは、ほぼ別物になります。ただしリールは番手が合えば流用できます。ロッドは長さも硬さも変わるので、基本は専用のものが要ると考えてください。

Q. 撒き餌は必ず必要ですか?

いいえ、要らない釣り方があります。チニング(ルアー)とヘチ・前打ちは撒き餌を一切使いません。ぶっこみも撒き餌なしで成立します。撒き餌が要るのはウキフカセ・紀州釣り・筏・カゴの4つです。撒き餌禁止の釣り場も増えているので、行く前に確認してください。

Q. チヌが釣れない一番の理由は?

その場所にいないことです。釣り方や道具より、場所の影響が圧倒的に大きい。30分で反応が無ければ移動するほうが、粘るより結果が出ます。

Q. 夜でも釣れますか?

釣れます。むしろ夜は警戒心が下がって岸際まで寄ってきます。昼間は近づけない浅場でも、暗くなれば足元で食うことがあります。

Q. 何cmから「大きい」と言えますか?

40cmを超えれば良型、50cmで「年無し」と呼ばれます。50cmは一生に何本、という人も普通です。

Q. 竿は1本で全部の釣り方に使えますか?

使えません。ルアー用は7〜8ftの短い竿、フカセは5m級の磯竿、ヘチは2.7〜3mの専用竿——長さも硬さもまったく違います。リールだけは番手が合えば流用できます。

Q. 予算はどれくらい見ておけばいいですか?

どの釣り方でも、道具一式で2〜3万円台から始められます。差が出るのは消耗品で、撒き餌を使う釣りは1回の釣行ごとに追加費用がかかります。

Q. 釣れないので釣り方を変えたほうがいいですか?

その前に、場所と時間を変えてみてください。釣れない原因の大半は釣り方ではなく「そこにいない」「潮が動いていない」です。釣り方を変えると道具を買い直すことになるので、順番としては最後です。

Q. キビレも同じ釣り方で釣れますか?

釣れます。狙い方も道具も同じで問題ありません。河口の汽水域ではキビレのほうが数が出ることもあります。

まとめ

チヌの釣り方は7つありますが、選ぶ基準は3つだけです。

  • 近くにあるのが河口・港なら → チニング(ルアー)
  • 堤防があって、撒き餌を使えるなら → ウキフカセ
  • キワにカキ殻が付いた堤防なら → 落とし込み・ヘチ・前打ち
  • 使える時間が1〜2時間なら → チニングかヘチ
  • 撒き餌が使えないなら → まずチニングかヘチ・前打ち

そして、どの釣り方を選んでも「場所」が9割です。浅くて、底が硬くて、カニが歩いている場所。そこを見つけられれば、釣り方はどれでも釣れます。

迷ったらチニングから始めてください。道具が一番少なく、失敗しても損が小さい。そこでチヌの居場所が分かってから、他の釣り方に広げても遅くありません。

もうひとつ、覚えておいてほしいことがあります。

釣り方は、あとから増やせます。最初に選んだ1つで一生やる必要はまったくありません。ルアーで場所を覚えて、冬だけフカセをやる——こういう組み合わせ方が一番強い。店頭にいる常連さんも、たいてい2つ以上の釣り方を持っています。

ですが、最初は1つに絞ってください。同時に2つ始めると、どちらも中途半端になります。1つで1匹釣ってから、次を考えれば十分です。

最後に、道具を買う順番だけ書いておきます。

  • ①ロッドとリール:ここは釣り方ごとに専用。最初に決める
  • ②ライン・リーダー:消耗品だが、ケチると全部に響く
  • ③仕掛け・ルアー最初は1種類でいい。増やすのは釣ってから
  • ④小物:フィッシュグリップ、プライヤー。チヌは歯が危ないので早めに
  • ⑤クーラー:持ち帰ると決めてからで間に合う

③でいきなり10種類買うのが、一番ありがちな失敗です。使い切らないまま次の年になって、また新しいのを買う。1種類で1匹釣ってから増やしたほうが、何が効いたか分かります。

チヌは奥歯で貝を噛み砕く魚です。針を外すときに指を入れると本当に危ないので、これだけは最初に買ってください。

チニングから始めると決めた方へ。道具の具体的な選び方はこちらです。

チヌという魚そのものについて知りたい方は、こちらにまとめています。

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