こんにちは、現役釣具屋店員のみきやです。
チニングのリールで、店頭で一番よく聞かれるのが番手の話です。そしてネットで調べても、なぜか「2500番がおすすめ」で終わっている記事ばかり。
実際にお客さんが知りたいのは、たぶんこういうことだと思います。
どストライクな番手は2500番でいい? 1000番はさすがにちょっと? 2000番でも危なげなく釣れる? 3000番以上はオーバースペック?
この記事では、「2500番です」で終わらせずに、上下の境界まで数字で示します。
あわせて、そもそも型番の記号が読めるようになるところまでやります。「LT2500S-XH」「C2500SHG」——この記号が読めると、リール選びが一気に楽になります。
結論|2500番。理由は「巻取りの速さ」です
先に答えを書きます。
| 番手 | チニングでの判定 | ひとこと |
|---|---|---|
| 1000 | × | そもそもハイギアの設定が無い |
| 2000 | △ | 使えるが、場面が限られる |
| 2500 | ◎ 基準 | 迷ったらこれ |
| 3000 | ○ | シーバスと兼用したいなら |
| 4000 | △ | サーフや、カキ殻の超難所なら |
2500番が基準になる理由は、突き詰めると「巻取りの速さ」です。チニングは遠投した先でアタリが出る釣りなので、糸フケを回収してフッキングまで持っていく速さが足りないと、掛かりません。
では、番手が変わると何がどれだけ違うのか。数字で見てください。
★同じリールで番手だけ変えると、こうなります
いちばん分かりやすいのは、同じ機種の中で番手だけ変えて比べることです。ダイワの26フリームスで並べます。
| 番手 | 自重 | ギア比 | ハンドル1回転 | 最大ドラグ力 |
|---|---|---|---|---|
| LT1000S-P | 175g | 4.8 | 60cm | 5kg |
| LT2000S-XH | 175g | 6.2 | 81cm | 5kg |
| LT2500S-XH | 190g | 6.2 | 87cm | 5kg |
| LT3000-CXH | 200g | 6.2 | 93cm | 10kg |
| LT4000-CXH | 230g | 6.2 | 99cm | 12kg |
1000番と2500番で、巻取りが27cm違います。ハンドル1回転あたりで27cmです。10回転すれば2.7メートルの差になります。
遠投した先で、たるんだラインを回収してから合わせる——この一連の動作で、この差はそのまま結果に出ます。
★型番の記号を読めるようにする
ここが、この記事で一番役に立つところだと思っています。「LT2500S-XH」も「C2500SHG」も、記号の意味が分かれば読めます。
ダイワの場合|LT2500S-XH
| 記号 | 意味 | チニングでは |
|---|---|---|
| LT | LTコンセプト(軽量・タフ) | いまのダイワはほぼこれ |
| 2500 | スプールのサイズ | ここが番手 |
| S | シャロースプール(浅溝) | これが無いとPE0.6号に下巻きが要る |
| -XH | エクストラハイギア | 巻取りが速い。あったほうがいい |
| (-H) | ハイギア | XHの一段下 |
| (-P) | パワーギア | 巻取りは遅い |
| (-C) | コンパクトボディ | 1つ下の番手のボディを使っている |
| (-D) | 深溝スプール | 太い糸を巻く用 |
つまり「LT2500S-XH」= LTコンセプトの2500番、浅溝スプール、エクストラハイギアという意味です。
シマノの場合|C2500SHG
| 記号 | 意味 | チニングでは |
|---|---|---|
| C | コンパクトボディ | C2500は「2000番のボディ」に2500のスプール |
| 2500 | スプールのサイズ | ここが番手 |
| S | シャロースプール(浅溝) | ダイワのSと同じ役割 |
| HG | ハイギア | 巻取りが速い |
| XG | エクストラハイギア | さらに速い |
| (無印) | ノーマルギア | 巻取りは遅め |
| (DH) | ダブルハンドル | エギング用に多い |
シマノの「C」は、ここだけ覚えてください。C2500は、2000番のボディに2500番のスプールを載せたものです。
だからC2500は、ただの2500より軽い。「2500番なのに180gしかない」というリールは、たいていこのCが付いています。重さの想像が外れる原因が、この記号です。
★同じ「2500」でも、まるで別のリールです
記号がなぜ大事なのか。同じ25アルテグラの中で比べると一目で分かります。
| 2500(無印) | C2500SHG | |
|---|---|---|
| 自重 | 215g | 180g |
| 最大巻上長 | 75cm | 83cm |
| 最大ドラグ力 | 9kg | 3kg |
| スプール径 | 47mm | 44mm |
| PE糸巻量 | 1号-320m(深溝) | 0.6号-200m |
| チニングでは | 下巻きが要る/重い/遅い | そのまま使える |
どちらも「アルテグラの2500番」です。それでも自重が35g、巻取りが8cm違います。そして片方はPE0.6号を巻くのに下巻きが要ります。
さらに面白いのが、C2500SHGの自重180gは、C2000SHGとまったく同じだということ。「Cは1つ下のボディ」というのは、こういう意味です。
「2500番を買えばいい」で店に来ると、この2つのどちらかを引きます。記号を見ずに選ぶと、半分の確率で外します。
練習|実際の型番を読んでみる
読み方が分かったところで、実際に売られている型番を分解してみます。この記事のリール記事で挙げた10台です。
| 型番 | 番手 | スプール | ギア | チニング適性 |
|---|---|---|---|---|
| ダイワ 24レブロス LT2500S-XH | 2500 | 浅溝 | エクストラハイ | ◎ |
| シマノ 26ナスキー 2500SHG | 2500 | 浅溝 | ハイギア | ◎ |
| シマノ 25アルテグラ C2500SHG | 2500(2000ボディ) | 浅溝 | ハイギア | ◎ |
| ダイワ 26フリームス LT2500S-XH | 2500 | 浅溝 | エクストラハイ | ◎ |
| ダイワ 25カルディア LT2500S-XH | 2500 | 浅溝 | エクストラハイ | ◎ |
| シマノ 24ヴァンフォード 2500SHG | 2500 | 浅溝 | ハイギア | ◎ |
| シマノ 24ヴァンフォード C3000HG | 3000(2500ボディ) | 深溝 | ハイギア | △(下巻き要) |
| ダイワ 24ルビアス LT2500S-XH | 2500 | 浅溝 | エクストラハイ | ◎ |
| ダイワ 24セルテート FC LT2500S-XH | 2500(FC=軽量版) | 浅溝 | エクストラハイ | ◎ |
| シマノ 26ヴァンキッシュCE C2500SXG | 2500(2000ボディ) | 浅溝 | エクストラハイ | ◎ |
1つだけ「△」があります。ヴァンフォードのC3000HGです。「S」が入っていないので深溝。PE1号が400m巻ける代わりに、0.6号を巻くなら下巻きが要ります。
こうやって並べると、記号だけで判定できるのが分かると思います。店頭で迷ったら、まず「S」を探してください。
この2つを見るだけで、失敗が減ります
- 「S」があるか … PE0.6号をそのまま巻けるか
- ギアの記号 … XH / XG / HG があるか(無印は遅い)
スプールの深さについては、リール記事で詳しく書きました。

番手が変わると、巻ける糸の量も変わります
番手はスプールの大きさなので、当然ながら巻ける量が変わります。25アルテグラの各番手で、PEが何m入るかを並べます。
| 番手 | PE0.6号 | PE0.8号 | PE1号 | スプール径 |
|---|---|---|---|---|
| C2000SHG | 150m | 110m | 80m | 43mm |
| C2500SHG | 200m | 150m | 120m | 44mm |
| 2500(無印) | — | — | 320m | 47mm |
| C3000HG | — | — | 400m | 47mm |
| 4000 | — | — | 490m | 52mm |
チニングで使うのはPE0.6〜0.8号です。そして必要な量は150mもあれば十分。遠投しても、実際に出ていくのは50m前後です。
この表で見てほしいのは、2500(無印)から下は、そもそもPE0.6号の数字が載っていないこと。
載っていないのは「想定していない」という意味です。深溝スプールは、太い糸をたっぷり巻くために作られています。そこに細いPEを巻くのは、設計の外の使い方になります。
C2500SHGならPE0.6号が200m。150m巻いても余裕があり、高切れして短くなっても、しばらく使い続けられます。これが「S」付きを勧める実利です。
使うラインの号数については、こちらでまとめています。

番手別|どこまでが使えて、どこからが厳しいか
1000番|これは厳しいです
できなくはありません。ただ、2回目から持っていきたくなくなります。実際に使ってみた感想です。壁が3つあります。
① 巻取りが遅すぎて、フッキングが決まらない
これが最大の理由です。しかも調べてみると、そもそも1000番にハイギアの設定がほとんどありません。
| 機種 | ギア比 | ハンドル1回転 |
|---|---|---|
| ダイワ 24ルビアス ST SF1000S-P | 4.6 | 57cm |
| ダイワ 26フリームス LT1000S-P | 4.8 | 60cm |
| ダイワ 25カルディア FC LT1000S | 5.1 | 64cm |
| ダイワ 24レブロス LT1000S | 5.2 | 64cm |
1000番は、選ぼうと思ってもハイギアが売っていません。遅いのは選び方の問題ではなく、選択肢が無いからです。
遠投した先でチヌが手前に走ったり、潮でラインがたるんだとき、回収が全然追いつきません。合わせても糸フケを叩くだけになって、フックが貫通せずにバレます。
② そもそも、糸が十分に巻けない
1000番には2つの系統があって、どちらもチニングでは詰みます。
| 系統 | 例 | PE糸巻量 | 問題 |
|---|---|---|---|
| ライトゲーム系(浅溝) | 1000SSPG など | 0.6号-80m | 量が足りない |
| 汎用系(深溝) | サハラ 1000 など | 0.8号-240m | ギア比5.0・巻上66cm・自重205g |
チニングで欲しいPEは0.6〜0.8号を150m前後です。アジング用の1000番は、0.6号で80mしか入りません。高切れを何回かしたら、もう足りなくなります。
では深溝の1000番なら?糸は巻けますが、ギア比5.0・巻上66cm・自重205g。結局、遅くて重いという最初の問題に戻ります。
③ 単純にパワーが足りない
チヌは50cm近くなると、とんでもない突っ込み方をします。1000番はギア自体が小さいので、強い負荷がかかるとボディが歪むような感覚になって、ゴリ巻きしようとしてもハンドルがまともに回りません。
ただし「絶対に上がらない」わけではありません
正直に書いておくと、アジングをしていて外道でチヌが掛かることは、わりとあります。そしてエステルラインでも、時間をかければ上げられなくはない。
ただそれは「掛かってしまったものを、なんとかした」という話です。最初からチヌを狙って1000番を持っていくのは、さすがにきついと思います。
2000番|使えます。ただし場面が決まります
2000番は、条件が合えばむしろ気持ちよく釣れます。私も特定の日には持っていきます。
シマノのC2000SHGを例にすると、スプール43mm・巻取り81cm・ドラグ3kg・自重155〜180g。巻取り81cmは、実用上ぎりぎり足ります。
私が2000番を選ぶのは、こういう日です。
- 3g前後の軽いリグやノーシンカーを、細いPEで壁際に落としていく日。ほぼアジングに近い、繊細な釣りをするとき
- 7ft以下のショートロッドと合わせる小場所。橋脚の明暗や護岸の際など、キャストの精度が全部の場面
- 夏のチヌトップ。軽くて巻取りも速いので、ペンシルを連続で動かすリズムと糸フケの回収が合わせやすい
共通しているのは、タックル全体を軽くして、片手で正確に撃ち続けたい日。1日中しゃくっても手首が疲れません。
逆に、遠投して広く探る日には向きません。ドラグ3kgもチニングでは足りますが、余裕はありません。
2500番|これが基準です
迷ったらここ。理由は最初に書いたとおり巻取りの速さで、ハイギアなら86〜87cm出ます。
それと、エギングとまったく同じ番手だという点も大きい。どちらも同じ河口や港湾でやる釣りなので、1台で2つの釣りに使えます。
この番手の機種選びは、リール記事に10台まとめました。

3000番|シーバスと兼用したいなら
チニングだけを考えるなら、2500で足ります。3000番を選ぶ理由は、ほぼシーバスとの兼用です。
26フリームスで見ると、LT3000-CXHは巻取り93cm・ドラグ10kg。2500(87cm・5kg)より速くて強い。自重は10g増えるだけです。
ただし注意点があります。3000番は深溝のモデルが多いので、PE0.6号を巻くなら下巻きが要ります。「S」が付いているかを必ず確認してください。
4000番|オーバースペック。ただし例外があります
チニング専用で4000番を買いに来る人は、まずいません。自重が230〜265gまで増えて、ボトムの感度がはっきり落ちるからです。
ただ、店頭には4000番でチニングに行く人が実際にいます。理由は2つ。
- カキ殻びっしりのゴロタやテトラで、秒殺ファイトをする人。一瞬でもドラグを出したらラインが擦れて切れる場所では、ドラグをほぼ締め切って水面まで強引にリフトします。4000番のドラグは11〜12kgと、2500番(5kg)の倍以上あります
- 大河川の河口で、シーバス・マゴチ・チヌを1台で兼用する人
それともうひとつ、私自身の話を書いておきます。
私は4000番でサーフのフラット(ヒラメ・マゴチ)を狙うことがあるんですが、そのときに外道でチヌがかかることが、けっこうあります。
チヌは意外と外洋にもいます。サーフでチヌを狙うなら、4000番はむしろありだと思っています。遠投も要りますし、波の中でのやり取りにも余裕が出ます。
河口や港湾のチニングでは重すぎる。でもサーフなら別。番手は「釣りの名前」ではなく「釣り場」で決まる、という一例です。
番手が上がるとドラグも強くなる。ただし読み方に注意
番手が変わると、最大ドラグ力も変わります。ただここには、知らないと混乱するポイントがあります。
| 番手 | シマノ(アルテグラ) | ダイワ(フリームス) |
|---|---|---|
| 2000クラス | 3kg | — |
| 2500クラス | 3〜4kg | 5kg |
| 3000クラス | 9kg | 10kg |
| 4000クラス | 11kg | 12kg |
同じ2500番でも、シマノは3〜4kg、ダイワは5kgと表記が違います。
これはダイワのほうが強いという意味ではありません。測り方の基準がメーカーで違うので、メーカーをまたいでドラグの数字を比べても意味がない——と考えてください。ギア比の数字を機種間で比べられないのと、同じ話です。
チニングに必要なドラグは、どれくらいか
結論を書くと、3kgもあれば実用上は足ります。
チヌは瞬発的に強く突っ込みますが、青物のように延々と走り続ける魚ではありません。最初の突っ込みをドラグでいなせれば、あとは寄ってきます。
だから2500番なら、どのメーカーでも足ります。ドラグの数字を理由に番手を上げる必要はありません。
それでも3000番以上を選ぶ理由があるとすれば
ドラグを「出さない」釣りをするときです。
カキ殻やテトラがびっしりの場所では、一瞬でもドラグが出た瞬間にラインが擦れて切れます。だからドラグをほぼ締め切って、強引に水面まで引き上げる——という釣り方をする人がいます。
この釣り方だと、ドラグの数字がそのままリールの耐えられる負荷になります。3000番の9〜10kg、4000番の11〜12kgという数字が意味を持つのは、この場面だけです。
普通に釣るぶんには、2500番で何も困りません。
番手ごとの「他の釣りへの流用先」
チニングだけのためにリールを買うのは、正直もったいないです。同じ河口や港湾でできる釣りは、他にもたくさんあります。
「次に何を始めそうか」で番手を決めると、1台で2役こなせます。
| 番手 | チニング | そのまま流用できる釣り |
|---|---|---|
| 2000 | △ | アジング/メバリング/トラウト |
| 2500 | ◎ | エギング/ライトロック/ちょい投げ |
| 3000 | ○ | シーバス/タチウオ/ライトショアジギング |
| 4000 | △ | サーフ(ヒラメ・マゴチ)/ショアジギング/青物 |
いちばん相性がいいのはエギングです。番手が2500でまったく同じ。使うPEも0.6〜0.8号と重なるので、巻き替えずに、そのまま持っていけることも多い。
シーバスもやるつもりなら3000番。ただし前に書いたとおり、3000番は深溝のモデルが多いので「S」が付いているかを必ず見てください。
逆に、アジングやメバリングもやりたいなら2000番という選び方もあります。チニングでの守備範囲は狭くなりますが、ライトゲーム全般を1台で回せるのは大きい。
番手を決めるとき、ロッドとの重さのバランスも見る
見落とされがちですが、リール単体の重さではなく、ロッドと組んだときのバランスが大事です。
チニングロッドは自重80〜90g台のものが多い。ここに重いリールを付けると、こうなります。
- 重心が手元に寄りすぎる
- その結果ロッドの先(ティップ)がブレやすくなる
- ボトムでワームを細かく動かす操作がしにくくなる
チニングはワームを止めたり、小さく動かしたりする釣りなので、ティップが安定しないのは地味に効いてきます。
目安として、リールが230gを超えてくると、軽いロッドとのバランスが崩れ始めます。エントリー機は重めなので、そこは価格とのトレードオフです。
逆に言えば、軽いリールを選ぶ意味はここにもあります。腕が疲れないだけでなく、操作そのものがやりやすくなる。
ロッド側の選び方はこちらにまとめました。

店頭でよく見る、番手の選び間違い2パターン
実際に買い直しに来られるパターンです。どちらも避けられます。
① 「軽いから」でアジング用のノーマルギアを買ってしまう
「このリール150gしかない、めっちゃ軽い!」と、アジングコーナーのC2000(ノーマルギア)を買っていかれる——これが一番多い失敗です。
軽さは正義に見えます。ただノーマルギアは巻取りが遅い。結果どうなるか。
- ズル引きで出た糸フケが回収できず、フッキングできない
- チヌが掛かった瞬間、巻き上げるパワーが足りずに根に潜られる
軽さだけで選ぶと、たいてい買い直しになります。自重より先に、ギアの記号(XH / XG / HG)を見てください。
② 「大は小を兼ねる」で深溝スプールを買ってしまう
シャロースプール(2500S など)ではなく、PE2号が200m巻けるような深溝モデルを「大は小を兼ねるだろう」と買って帰るパターン。
そのまま下巻きなしでPE0.6号を150m巻くと、スプールの底のほうに、ちょこんと収まっただけの状態になります。
この状態でキャストすると、ラインがスプールのフチに激しく擦れて、まったく飛びません。「全然飛ばないんですけど」と駆け込んでこられます。
下巻きをすれば直りますが、最初から「S」付きを買えば済む話です。
他の釣りからの流用で、合わなかった例
番手が合っていても、仕様が合わないことがあります。実際によくある2つを挙げます。
エギング用のダブルハンドル(DH)モデル
エギングの2500番には、ダブルハンドルのモデルが多くあります。シャクったあとの糸フケを無意識に巻き取れるので、エギングでは合理的です。
ただチニングに持ってくると、こうなります。
- シングルハンドルより10〜15g重い
- ハンドルの慣性(回り続けようとする力)が邪魔をする
結果、ボトムのゴツゴツした感触がハンドルに伝わりにくくなります。巻き感度が鈍るんです。結局シングルハンドルを買い直す人が多い。
シーバス用の、太いT字ノブが付いた3000番
シーバス用の頑丈な3000番は、握り込んでゴリゴリ巻くには最高です。ただチニングは指2本でつまんで、水中の砂や泥の感触を聴く釣り。
ノブが太すぎると、そこで情報が止まります。いわゆる「ノー感じ」です。
それともう1つ。チニングロッドは自重80〜90g台と軽いので、リールが230gを超えると重心が手元に寄りすぎます。ロッドの先がブレて、ボトムでワームを細かく動かす操作がしにくくなる。
ノブは後から交換できます。流用するなら、まずノブの形を見てください。

ベイトリールの番手は、数字を見ても分かりません
ここまでスピニングの話をしてきましたが、ベイトは事情がまったく違います。
まず数字の体系が別物です。ダイワは80〜1000番、シマノは30〜100番あたりがチニングの範囲になります。スピニングの2500番とは、何の関係もありません。
★ベイトは番手より「スプール径」を見る
そして厄介なのが、ベイトは番手の数字を見ても、大きさが分からないこと。
実際のスプール径を並べます。
| 機種 | 番手の表記 | スプール径 | 最大巻取り |
|---|---|---|---|
| シマノ 22アルデバラン BFS | — | 29mm | 81cm |
| ダイワ ソルティスト BF TW | 8.1 | 30mm | 76cm |
| ダイワ シルバーウルフ CT SV TW | 8.5 | 30mm | 80cm |
| シマノ 25 SLX BFS | XG | 32mm | 82cm |
| ダイワ ソルティスト SV TW 80XH | 80 | 32mm | 81cm |
| ダイワ シルバーウルフ SV TW 1000XH | 1000 | 34mm | 90cm |
番手の数字がバラバラなのが分かると思います。「8.1」はギア比だったり、「80」「1000」はダイワの番手だったり、シマノのBFSに至っては番手の表記自体がありません。
だからベイトは、番手ではなく巻取り長で判断します。スプール径は巻取り長の内訳なので、径だけを見ても足りません。
目安は巻取り80cm以上
上の表は径だけを並べていますが、実際の巻取りはギア比と掛け合わせて決まります。径29mmでも、ギア比が高ければ80cmを超えます。
- 29〜30mm … 軽いリグは投げやすいが、巻取りは76〜81cm
- 32mm … バランス型。81〜82cm
- 34mm … 巻取り90cm。手返しは最速だが軽量リグは苦手
チニングなら最大巻取り80cm以上が基準です。スピニングで「2500番」と言っているのと同じ位置づけだと思ってください。径は32mm前後が多くなりますが、径そのものを基準にする必要はありません。
機種ごとの中身と、なぜ「ベイトフィネス機かどうか」で選んではいけないのかは、こちらに全部書きました。

チニングのリール番手のよくある質問
チニングのリールは何番が標準ですか?
2500番です。ハイギアなら巻取りが86〜87cm出て、遠投した先での糸フケ回収とフッキングが間に合います。エギングとも同じ番手なので、1台で2つの釣りに使えます。
1000番でチニングはできますか?
できますが、勧めません。巻取りが57〜64cmしかなく、2500番と27cm前後の差があります。そもそも1000番にハイギアの設定がほとんどありません。遠投先でのフッキングが決まらず、バレが増えます。
2000番でも危なげなく釣れますか?
場面が合えば釣れます。C2000SHGなら巻取り81cmあり、実用上は足ります。軽いリグを近距離で撃つ釣りには、むしろ快適です。ただし遠投して広く探る日には向きません。
3000番以上はオーバースペックですか?
3000番はオーバースペックではありません。シーバスと兼用したいなら、むしろ合理的です。4000番はチニング専用としては重すぎますが、カキ殻の超難所や、サーフでチヌを狙う場合はありです。
番手が同じなら、どのリールも同じ重さですか?
違います。シマノの「C」が付いた番手は、1つ下のボディを使っています。たとえばC2500は2000番のボディなので、同じ2500でもC付きのほうが軽い。重さの想像が外れる原因はここです。
ドラグは何kg必要ですか?
3kgあれば足ります。チヌは瞬発的に突っ込みますが、青物のように走り続ける魚ではありません。2500番ならどのメーカーでも足りるので、ドラグを理由に番手を上げる必要はありません。
なお同じ2500番でもシマノは3〜4kg、ダイワは5kgと表記が違いますが、これは測り方の基準の違いです。メーカーをまたいで比べても意味がありません。
ベイトリールの番手はどう見ればいいですか?
番手の数字ではなく、最大巻取り長を見てください。ベイトは番手の表記がメーカーごとにバラバラで、そもそも番手が書かれていない機種もあります。チニングなら80cm以上が基準です。
エギング用のリールをそのまま使えますか?
番手(2500)は同じなので、たいてい使えます。ただしダブルハンドルのモデルは、巻き感度が鈍るので注意。PEも0.6〜0.8号を巻いている人が多いので、そのまま持っていけることが多いです。

まとめ|2500番。そして記号が読めれば、もう迷いません
要点をまとめます。
- 基準は2500番。理由は巻取りの速さ(ハイギアで86〜87cm)
- 1000番は厳しい。巻取り57〜64cmで、そもそもハイギアの設定が無い
- 2000番は場面次第。軽いリグを近距離で撃つなら快適
- 3000番はシーバス兼用なら合理的。ただし深溝が多いので「S」を確認
- 4000番は重すぎる。ただしカキ殻の超難所とサーフなら例外
- 型番は2か所だけ見る。「S」の有無と、ギアの記号(XH/XG/HG)
- シマノの「C」は1つ下のボディ。C2500は2000番のボディ
- 軽さだけで選ぶとノーマルギアを買ってしまい、買い直しになる
- ドラグは3kgで足りる。番手を上げる理由にはならない
- ベイトは番手ではなく最大巻取り長(80cm以上)で見る
- エギングは同じ2500番。巻き替えずにそのまま持っていけることも多い
番手の話は、突き詰めると「遠投した先から、どれだけ速く糸を回収できるか」 に集約されます。チヌのアタリは小さく、遅れると乗りません。
2500番のハイギア、そして品番に「S」。この2つを押さえておけば、あとはどれを選んでも釣りになります。
最後に、番手選びで迷ったときの順番だけ書いておきます。
- ①「S」が付いているか(PE0.6号がそのまま巻けるか)
- ②ギアの記号があるか(XH / XG / HG。無印は避ける)
- ③番手が2500か(他の釣りもやるなら2000か3000)
- ④自重(230gを超えると軽いロッドとのバランスが崩れ始める)
①と②を満たしていれば、あとは予算で決めて構いません。メーカーはダイワでもシマノでも問題ありません。
番手が決まったら、次は機種です。10台まとめました。

ベイトを検討している人はこちらもどうぞ。

番手以外の話——釣り場・時期・リグの組み方はこちらにまとめています。



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