こんにちは、現役釣具屋店員のみきやです。
「フカセを始めたいんですが、何を買えばいいですか」——春と秋になると、店頭でこの相談が増えます。
そしてそのうちの何割かは、間違ったものを持ってレジに来ます。号数の違う竿、リールに合わない道糸、使わないウキ——買い間違いには、はっきりした「型」があります。
最初に断っておきます。私はフカセをやり込んではいません。ルアー(チニング)が専門で、チヌは300匹以上釣っていますが、撒き餌を持って磯に立つ釣りは、お客さんから聞く側です。
そのかわり、道具のことは毎日見ています。何が売れて、何が返品になって、どこで初心者がつまずいて店に戻ってくるか。この記事は「店頭で説明していること」をそのまま書いたものです。釣り方の細かいテクニックは、実際にやり込んでいる方の記事を読んでください。
フカセ釣りとは|撒き餌で寄せて、ウキで食わせる
撒き餌(コマセ)で魚を寄せて、その中に仕掛けを同調させて食わせる釣りです。
「フカセ」は、オモリをほとんど使わずにエサを漂わせることを指します。今はウキを使う「ウキフカセ」がほぼ同義で使われています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 狙う場所 | 堤防・磯・砂浜(渚釣り) |
| 撒き餌 | 必要。これが釣りの中心 |
| 何が難しいか | タナ(深さ)合わせと、エサ取りのかわし方 |
| 強み | 魚を寄せられる。数を釣るならこれ |
| 弱み | 荷物が多い。準備と片付けに時間がかかる |
| 向いている人 | 1ヶ所に腰を据えられる人・車で行ける人 |
ルアーが「いる魚を探しに行く」釣りなのに対し、フカセは「魚を呼んでくる」釣りです。だから同じ場所に立ち続けられます。この差が、荷物の量にも釣果の出方にも効いてきます。
「フカセ」と「ウキフカセ」は何が違うのか
本来のフカセは、ウキを使わずにエサの重さだけで漂わせる釣りでした。ただそれだと、竿の長さの範囲しか狙えません。
そこでウキを入れて、遠くまで流せるようにしたのが「ウキフカセ」です。今は単に「フカセ」と言えば、ほぼこちらを指します。この記事も、ウキフカセの話として書いています。
なぜチヌ釣りの王道と言われるのか
チヌが警戒心の強い魚だからです。オモリをほとんど使わず、エサが自然に漂う状態を作れる——この「自然さ」が、賢いチヌには効きます。仕掛けが重いほど見切られやすいというのが、この釣りの根本にある考え方です。
そして撒き餌で寄せられる。「いない場所にも呼んでこられる」のは、他の釣り方に無い強みです。
撒き餌があることの意味
撒き餌は「魚を寄せる」だけの道具ではありません。撒き餌の中に刺し餌を紛れ込ませて、警戒させずに食わせる——これが本当の目的です。
だから撒き餌と仕掛けが別の場所にあると、意味がなくなります。魚は撒き餌のほうに集まっていて、刺し餌だけが離れたところにある状態になるからです。
この「同調」という考え方が分かると、フカセは一気に理解しやすくなります。撒く場所も、撒く量も、全部そのためにあると思ってください。
他の釣り方と迷っている方は、先にこちらを読んでください。

店頭でそろえる買い物リスト|これで全部です
初めての人に、私が実際に取る道具はこれです。上から順に、無いと釣りが成立しないものから並べています。
| 道具 | 選ぶ基準 | 備考 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 磯竿 | 1.5号・5.3m | 号数は「強さ」。入門帯で買えるのは1.5号から。1号は上位機に多い |
| 2 | リール | 2500〜3000番 | レバーブレーキは最初は不要 |
| 3 | 道糸 | ナイロン2号・150m | リールに巻いてもらえる |
| 4 | ハリス | フロロ1.5号 | 50m巻きで十分もつ |
| 5 | ウキ | 円錐ウキ(どんぐり型)の3Bを1つ | Bは浮力の表し方。数字が上がるほど、重い仕掛けでも沈まない |
| 6 | 小物 | ウキ止め糸・シモリ玉・からまん棒・サルカン8号・ガン玉G2とB | 各1袋。号数を聞かれたらこれで通じます |
| 7 | ハリ | チヌ針2号 | 迷ったら2号。小型が多い場所なら1号 |
| 8 | 撒き餌 | オキアミ3kg1枚+チヌ用集魚剤1袋 | これで半日 |
| 9 | 刺し餌 | オキアミ(生)+練り餌 | 撒き餌とは別物。これが無いと釣れません |
| 10 | 撒き餌用のヘラ | 四つ割り用 | バッカンと同時に |
| 11 | オモリ(ナス型3号程度) | 水深を測る用 | 1個で足りる |
| 12 | バッカン | 36cm前後 | 撒き餌を混ぜる箱 |
| 13 | ヒシャク | 柄の長さ60〜70cm | 撒き餌を撒く |
| 14 | 水汲みバケツ | ロープ付き | 撒き餌を混ぜる海水を汲む。無いと始まらない |
| 15 | タモ | 5m前後 | これが無いと獲れません |
| 16 | ライフジャケット | 桜マーク付き | 削らないでください |
1〜9までが「釣るための道具」、10〜16が「無いと成立しない周辺」です。初心者が忘れがちなのは9・14・15。刺し餌は撒き餌とは別物ですし、水汲みバケツが無いと撒き餌が作れません。タモが無いと掛けても獲れません。
店に行く前に決めておくこと
「堤防か磯か」だけは決めてきてください。竿は5.3mで共通ですが、タモの長さと足場の装備が変わります。
堤防なら5.3mで足ります。磯に行くなら5.3mでも足りますが、足場が高い場所ならタモは6m欲しい。タモの長さだけは、行く場所を聞かないと決められません。「とりあえず一式ください」と言われて一番困るのがここです。
もうひとつは「車か電車か」。電車だと、バッカン・水汲みバケツ・クーラーを持って移動することになります。正直かなりしんどいので、電車の方にはルアーかヘチを勧めることが多いです。
荷物の重さで諦めるくらいなら、ルアー(チニング)のほうが続きます。撒き餌が要らず、ロッド1本とケース1個で成立します。

予算の目安
| 価格帯の目安 | 考え方 | |
|---|---|---|
| 竿・リール | 合わせて2万円台〜 | ここは削らない。長く使える |
| 糸・仕掛け・ハリ | 5千円前後 | 消耗品。最初は最低限で |
| 撒き餌 | 1回2千円前後 | 行くたびにかかる。ここが他の釣りと違う |
| バッカン・ヒシャク・バケツ | 1万円前後 | 一度買えば長く使う |
| タモ | 1万円前後〜 | 柄と網は別売りのことが多い |
| ライフジャケット | 1万円台 | 桜マーク付きを選ぶ |
総額でいうと、5万円台から始められます。ただし撒き餌だけは行くたびにかかるので、「月に何回行くか」で年間の費用がかなり変わります。ここはルアーの釣りと決定的に違うところです。
店頭でよく見る、初心者の買い間違い6つ+番外2つ
ここがこの記事で一番書きたかったところです。毎年、同じ間違いを同じ順番で見ます。
① 磯竿の「号数」を長さだと思っている
一番多い間違いです。磯竿の1号・1.5号は「強さ」であって、長さではありません。磯竿全体では0号から5号まであり、チヌはその下のほうを使います。
入門帯で買えるのは1.5号からです。1号は上位機に多く、1万円以下ではほとんど選択肢がありません。チヌなら1.5号で問題ありません。長さは別に「5.3m」と書いてあります。
「2号のほうが長いんですよね」と聞かれることが本当に多いです。号数が上がるほど硬く、太い糸が使えて、大きい魚に対応できる。チヌなら1〜1.5号で、0.6〜0.8号は細ハリス用、1.5〜2号は大型狙いや向かい風用です。
② レバーブレーキリールを最初に買ってしまう
レバーブレーキは、指で糸を出したり止めたりできる機構です。あると確かに楽ですが、堤防のチヌなら最初から要るものではありません。磯でメジナを狙うようになったら考えれば十分です。
値段が倍近く違うので、その差額を撒き餌とタモに回したほうが釣れます。使いこなせないまま「重いだけ」で終わる人を何人も見ています。
最初の1台なら、この価格帯で十分です。2500番でナイロン2号が巻けるので、そのまま道糸を巻いてもらえます。
③ 道糸とハリスの区別がついていない
道糸はリールに巻く糸、ハリスはハリを結ぶ先端の糸です。素材も号数も違います。
| 道糸 | ハリス | |
|---|---|---|
| どこ | リールに巻く | サルカンから先 |
| 素材 | ナイロン(浮きやすい) | フロロ(沈みやすい・見えにくい) |
| 号数 | 2号 | 1.5号 |
| 長さ | 150m巻く | 1ヒロ(約1.5m)ずつ使う |
ハリスを道糸より細くするのは、根掛かりしたときに先だけ切れるようにするためです。同じ号数で組むと、切れたときに仕掛けが全部なくなります。
④ ウキを何個も買ってしまう
棚に何十種類も並んでいるので、つい3つ4つ買っていく人がいます。最初は3Bを1つで足ります。
ウキを増やすより、同じウキで「タナを変える」練習をしたほうが早いです。
形は「円錐ウキ(どんぐりウキ)」を選んでください。棒ウキもありますが、風に強く扱いやすいのは円錐のほうです。釣れない原因がウキだったことは、私の知る限りほとんどありません。たいていはタナか、撒き餌と仕掛けが合っていないかのどちらかです。
⑤ 撒き餌の量を間違える
少なすぎる人と、多すぎる人が両方います。
半日なら、オキアミ3kg1枚+集魚剤1袋が目安です。1日やるなら、その倍。足りないと魚が寄る前に終わり、多すぎると重いだけで持って帰ることになります。
集魚剤は「チヌ用」と書いてあるものを選んでください。比重が高く沈みやすいので、上の層でアジやサバに取られにくくなります。
オキアミは冷凍で売っています。前日に買って解凍しておくか、当日の朝に買って現地で解凍する——カチカチのままだと混ぜられません。これも毎年聞かれます。
⑥ タモを買わずに帰る
これが一番もったいない失敗です。チヌは40cmを超えると、抜き上げるとハリスが切れます。
柄と網が別売りなのも見落とされがちです。「タモください」と言われて柄だけ渡すと、網が無いまま釣り場に行くことになる。セットで確認してください。
長さは5m前後。堤防の高さによりますが、短いと足元まで寄せても届きません。
番外① ライフジャケットを「あとで買う」と言う
これは買い間違いではなく、買わない間違いです。磯はもちろん、堤防でも着けてください。
選ぶなら「桜マーク」の付いたものです。国の基準を満たした製品の印で、船に乗るときは義務、陸っぱりでも安心度が違います。
初期費用を削る場所として、ここだけは選ばないでほしい。店頭でも、これだけは強く言うようにしています。
腰巻きタイプが動きやすく、フカセのように歩く釣りには向いています。桜マークが付いていることを必ず確認してください。
番外② クーラーを買わずに、持ち帰り方で困る
釣れたあとの話が抜けがちです。チヌは40cmを超えると、小さいクーラーには入りません。
目安は20L前後。それ以下だと曲げて入れることになり、鮮度も落ちます。持ち帰る予定があるなら、最初から買っておいたほうが安く済みます。
20Lなら40cm級もそのまま入ります。これ以下だと曲げて入れることになり、鮮度も落ちます。
持ち帰らずにリリースするなら不要です。ただし撒き餌で汚れた手や道具を洗う水は要るので、水汲みバケツだけは必ず。
仕掛けの組み方|半誘導が基本です
フカセの仕掛けは何種類もありますが、最初は「半誘導」だけ覚えれば十分です。
道糸に通す順番
- ①ウキ止め糸:ここでタナが決まる。結んで固定し、動かして調整する
- ②シモリ玉:ウキがウキ止めを乗り越えないよう、あいだに挟む小玉
- ③ウキ:3B
- ④からまん棒:ウキがサルカンまで落ちてこないように止める
- ⑤サルカン:道糸とハリスの継ぎ目
- ⑥ハリス1.5号を1ヒロ(約1.5m)
- ⑦ガン玉:沈みが足りないときだけ打つ
- ⑧チヌ針1〜2号
「半誘導」は、ウキ止めまでは仕掛けが自由に落ちて、そこで止まる形です。ウキ止めを上げれば深く、下げれば浅くなる。ここを上下させるだけで、探る深さが変わります。
逆に「全誘導」という組み方もあります。ウキ止めを付けず、仕掛けをどこまでも沈めていく形です。より自然に流せますが、いま何mを流しているかが分かりません。これは慣れてからでいいと思います。
3Bのウキを使うのは、あとからガン玉を足せる余裕を持たせるためです。浮力が小さいウキだと、少し重くしただけで沈んでしまいます。そのうえで、ガン玉は「打たなくていいなら打たない」のが基本です。重いほど早く沈みますが、そのぶんエサの動きが不自然になります。風や流れで仕掛けが入らないときだけ、小さいものから足してください。
ウキ止めの位置がすべてです
この仕掛けで唯一「毎回変える」のがウキ止めの位置です。ここを動かすことが、フカセにおける「探る」という行為だと思ってください。
底から50cm上と1m上では結果が変わると、常連さんは言います。反応が無ければ50cmずつ動かす。ウキやエサを替える前に、まずここです。
結ぶのは2箇所だけ
道糸とサルカン、サルカンとハリス。この2箇所が結べれば組めます。どちらも「クリンチノット」で足ります。糸同士をつなぐ電車結びとは別の結び方なので、そこだけ注意してください。
PEラインを使うルアーの釣りと違って、FGノットのような難しい結束は要りません。ここはフカセのほうが入りやすいところです。
撒き餌の作り方と、撒き方
作り方
店で聞かれたときに説明している手順です。メーカーの袋にも書いてあるので、迷ったらそちらも見てください。
- ①解凍したオキアミをバッカンに入れ、四つ割りにする(ヘラのような形の道具で切る)
- ②集魚剤を袋の半分だけ入れて混ぜる
- ③海水を少しずつ足しながら、全体をなじませる
- ④残りの集魚剤を入れて、もう一度混ぜる
- ⑤握って軽く固まるくらいの硬さにする
水を入れすぎるのが一番多い失敗です。ベチャベチャだと遠くへ飛びません。足りなければ足せますが、入れすぎたら戻せないので、少しずつ入れてください。
集魚剤は「全部入れる」ではなく、半分ずつ入れて硬さを見るのがコツです。製品によって水分の吸い方が違うので、袋の指示どおりに入れてもちょうどよくならないことがあります。
チヌ用の集魚剤は「比重が高い(沈みやすい)」ものを選んでください。チヌは底の魚なので、上で散ってしまう軽い撒き餌だと、アジやサバばかり寄ります。店では「チヌ用」と書いてあるものを選べば間違いありません。
刺し餌は2種類持っていく
どの餌をどれだけ持っていくかは、釣り方ごとに早見表にまとめました。

基本はオキアミですが、それだけだとエサ取りに全部取られる日があります。
| 刺し餌 | 使いどころ |
|---|---|
| オキアミ | 基本。食いが一番いい |
| 練り餌 | エサ取りが多い日。硬いので残りやすい |
| コーン | 夏場。フグやスズメダイが食べにくい |
| サナギ | チヌが好む。エサ取りに強い |
1つ買うならオキアミ、2つ目は練り餌です。
オキアミは冷凍なので通販では買いにくいですが、練り餌は常温で持ち運べます。夏に行くなら、練り餌は必ず持っていってください。
撒き方の基本
撒き餌と仕掛けを、同じ場所・同じ速度で流すのが目的です。これを「同調」と呼びます。
最初に何杯かまとめて撒いて魚を寄せ、そのあとは仕掛けを入れるたびに1杯——この繰り返しが基本形です。撒く場所は「仕掛けが流れていく先」だと、常連さんは口を揃えます。潮をどう読むかは、実際にやり込んでいる方の解説を見てください。
エサ取りが多い日は、撒き餌を2ヶ所に分けます。手前にたくさん撒いてエサ取りを足止めし、その先に仕掛けと少量の撒き餌を入れる。これが夏場の定番の対処だと、常連さんから聞きます。
釣り場に着いてからの流れ
お客さんから聞く、だいたいの段取りです。時間の感覚だけでも先に知っておくと、当日あわてません。
| 順番 | やること | かかる時間 |
|---|---|---|
| 1 | 水汲みバケツで海水を汲み、撒き餌を作る | 20〜30分 |
| 2 | 竿を継いで、リールと道糸をセット | 5分 |
| 3 | 仕掛けを組む | 10分 |
| 4 | タナを決める(水深の8割から始める) | — |
| 5 | 撒き餌を数杯入れて、魚を寄せる | — |
| 6 | 仕掛けを入れて流す。1投ごとに撒き餌1杯 | — |
| 7 | 片付け。バッカン・ヒシャクを洗う | 20分 |
準備と片付けだけで1時間近く取られます。これがフカセの一番の負担で、行く回数が減る原因でもあります。逆に言えば、行くと決めた日はじっくりやる釣りです。
この表で分かるとおり、竿を出す前に30分近く使います。「着いてすぐ1投目」ができないのがフカセで、ここを知らずに行くと、朝マヅメを撒き餌作りで潰します。
だから常連さんは、暗いうちに着いて明るくなる前に準備を終える。撒き餌は前日の夜に作っておく、という人もいます。時合いに間に合わせる段取りが、この釣りでは釣果に直結します。
片付けを甘く見ないでください。バッカンとヒシャクは、その日のうちに洗わないと本当に臭くなります。車で運ぶ人は、濡れたまま積める箱があると楽です。
撒き餌が余ったら、持ち帰らずに撒いて帰るのが普通だそうです。ただし釣り場によっては禁止されているので、ここもルールの確認が要ります。
タナの決め方
ここは店頭でよく説明する手順です。まず水深を測ります。ウキ止めをうんと上げて、重めのオモリを付けて沈める。ウキが立ったところが底です。
そこから8割くらいの深さに合わせて始めます。チヌは底の魚なので、基本は底付近。反応が無ければ、少しずつ上げ下げして探ります。
釣れないときに確認すること
| 症状 | 考えられること | やること |
|---|---|---|
| まったくアタリが無い | タナが合っていない | ウキ止めを50cmずつ動かす |
| 刺し餌だけ取られる | エサ取り | 撒き餌を手前と沖に分ける/刺し餌を練り餌に替える |
| ウキが不自然に流れる | 二枚潮(上と下で流れが違う) | ガン玉を足して仕掛けを沈める |
| アタリはあるが乗らない | 合わせが早い | ウキが完全に消えるまで待つ |
| 撒き餌が飛ばない | 水を入れすぎ | 集魚剤を足して硬くする |
もうひとつ、初心者に多いのが「撒き餌と仕掛けが別の場所にある」状態です。撒き餌は足元に落として、仕掛けは20m先に投げている——これでは魚が寄っているところに刺し餌がありません。
撒き餌と仕掛けを、同じ場所・同じ速度で流す。フカセで一番大事なのはここだと、常連さんは口を揃えます。釣れないときは、まず「合っているか」を疑ってください。
アワセは「待つ」ほうが難しい
ウキが少し沈んだ瞬間に合わせてしまう人が多いです。これはたいていエサ取りで、合わせても乗りません。
チヌのアタリは、ウキがスッと消し込みます。完全に見えなくなってから合わせる——この「待つ」が、フカセで一番難しいところだと聞きます。
一番多いのはタナです
店頭で「釣れませんでした」と言われて話を聞くと、たいていタナの話になります。底から50cm上と1m上では、まったく結果が変わるそうです。
二枚潮は、初心者が一番気づきにくいと思います。ウキは正常に流れているのに、仕掛けだけが別の方向へ引っ張られている状態。撒き餌と仕掛けがずれるので、いくら撒いても食いません。
季節ごとの違い
| 季節 | 特徴 | 対応 |
|---|---|---|
| 春(乗っ込み) | 年間で一番大型が出る | ハリスを太めに。1.7〜2号 |
| 夏 | エサ取りが最大の敵 | 撒き餌を分ける/練り餌・コーンを使う |
| 秋 | 型は落ちる。夏ほど簡単には出ない | スローに、ポイントを絞る |
| 冬 | 深場に落ちる。難しいが型はいい | ゆっくり流す。撒き餌は控えめに |
フカセは一年中できる釣りです。むしろ冬にルアーが厳しくなる時期でも成立するのが強みで、寒チヌを狙うならこの釣りが本命になります。
真夏の日中は、刺し餌がチヌの前に着く前になくなります。朝夕か、夜に絞ったほうが結果は出ます。
冬に撒き餌を控えめにするのは、魚の活性が低いからだと聞きます。撒きすぎると、少ない魚が撒き餌だけで満腹になります。夏とは逆の考え方になるので、ここは切り替えが要ります。
初めて行くなら、春か秋
夏はエサ取りが多すぎて、初心者には難しいです。刺し餌が5秒でなくなるということが普通に起きます。
冬は魚が深く落ちて、そもそも数が出ません。ベテランには一番おもしろい季節ですが、最初の1匹を釣るには向いていない。
そう考えると、始めるなら春か秋です。水温が安定していて、エサ取りもそこまで多くない。店頭でも、この2つの時期に相談が集中します。
春のハリスを太くするのは、大型が掛かるからです。乗っ込みの時期は、年無し級が掛かる可能性が上がります。1.5号のままだと獲れないことがあります。そのぶん食いは落ちるので、そこは割り切りです。
なお、これはフカセの話です。ルアーで狙う場合の時期は別記事にまとめています。

チヌのフカセ釣りについてよくある質問
Q. 磯竿の号数は何号を買えばいいですか?
1〜1.5号の5.3mです。号数は「強さ」であって長さではありません。1万円以下の入門機は1.5号からなので、最初は1.5号で問題ありません。0.6〜0.8号は細ハリス用、1.5〜2号は大型狙いや向かい風用です。
Q. レバーブレーキリールは必要ですか?
最初は要りません。堤防のチヌなら普通のスピニングで十分です。値段が倍近く違うので、その差額をタモと撒き餌に回したほうが釣れます。
Q. 撒き餌はどれくらい持っていけばいいですか?
半日ならオキアミ3kg1枚+集魚剤1袋が目安です。1日やるならその倍。オキアミは冷凍なので、解凍を忘れると現地で混ぜられません。
Q. タモは本当に必要ですか?
必要です。チヌは40cmを超えると抜き上げでハリスが切れます。柄と網が別売りのことが多いので、セットで確認してください。
Q. 道糸とハリスは何が違うんですか?
道糸はリールに巻く糸、ハリスはハリを結ぶ先端の糸です。道糸はナイロン2号、ハリスはフロロ1.5号が標準。ハリスを細くするのは、根掛かりのときに先だけ切れるようにするためです。
Q. ウキは何個買えばいいですか?
まずは3Bを1つで足ります。ウキを増やすより、同じウキでタナを変える練習をしたほうが早いです。
Q. 全部そろえるといくらかかりますか?
5万円台から始められます。ただし撒き餌は行くたびに1回2千円前後かかります。月に何回行くかで、年間の費用がかなり変わります。
Q. ルアー(チニング)とどちらが釣れますか?
数だけならフカセです。ただし1回の重さが違います。準備と片付けで1時間、撒き餌代も毎回かかる。「1年で何匹」で数えると、手軽なほうが伸びることもあります。7つの釣り方の比較は、別の記事にまとめています。
Q. 撒き餌が禁止の釣り場ではできませんか?
できません。撒き餌がこの釣りの中心なので、代わりがありません。撒き餌が禁止の釣り場は増えています。出かける前に調べておいてください。その場合はルアーかヘチ・前打ちを選ぶことになります。
Q. 夜でもできますか?
できます。むしろ夏はエサ取りが減る夜のほうが釣りやすいという声をよく聞きます。電気ウキに替える必要があります。
Q. ライフジャケットはどれを選べばいいですか?
「桜マーク」の付いたものを選んでください。国の基準を満たした製品の印です。腰巻きタイプが動きやすく、フカセのように動く釣りには向いています。
Q. クーラーボックスは必要ですか?
持ち帰るなら必要です。20L前後を目安に。チヌは40cmを超えると小さいクーラーに入りません。リリースするだけなら不要ですが、水汲みバケツは必ず持っていってください。
Q. 練り餌はいつ使うんですか?
エサ取りが多い日です。オキアミより硬く、ハリに残りやすい。夏場は「オキアミが5秒でなくなる」ということが普通に起きるので、夏に行くなら必ず1つ持っていってください。
まとめ
フカセは「道具をそろえるところ」が一番のハードルです。釣り方は、やりながら覚えれば追いつきます。
- 竿は1.5号・5.3m。号数は強さで、長さではない
- レバーブレーキは最初は要らない。差額をタモと撒き餌へ
- 道糸ナイロン2号/ハリスはフロロ1.5号。細くするのは先だけ切るため
- ウキは3Bを1つ。増やすよりタナを変える
- 撒き餌は半日でオキアミ3kg+集魚剤1袋
- タモを忘れない。40cm超は抜き上げられない
道具がそろえば、あとは通うだけです。フカセは「1回目で釣れる釣り」ではありません。撒き餌の作り方も、タナの合わせ方も、数回行かないと体が覚えません。
逆に、覚えてしまえば一年中使えます。ルアーが厳しくなる冬でも成立するので、この釣りを持っていると、釣りに行ける日が増えます。
そして、私が言えるのはここまでです。撒き餌の投げ分けや潮の読み方は、実際にやり込んでいる方の記事のほうが確実です。この記事は「店で何を買うか」までの案内だと思ってください。
他の釣り方と比べたい方は、こちらで7つを比較しています。

チヌという魚そのものについては、こちらにまとめました。



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