こんにちは、つりはる編集長のはるです。
釣った魚を初めて家で捌こうとしたとき、多くの人が台所の三徳包丁を手に取ります。
小さなアジなら何とかなっても、30cmを超えるクロダイや真鯛になると、ウロコは飛ぶ、頭は落ちない、骨で刃が欠ける、と散々な目にあいがちです。
そこで包丁を買おうとすると、今度は出刃・刺身包丁・小出刃・アジ切りと種類が多く、刃渡りも105mmから180mm以上まであって、どれを買えばいいのか分からなくなります。
私はこれまで、自分で釣った魚を中心に100種類以上を捌いて食べてきました。
アジだけで1,000匹以上、サバは300匹以上、ブリも100匹以上を捌いています。
その経験から、最初に買う1本の決め方と、釣る魚の大きさに合う包丁を書きました。
おすすめは、出刃・刺身包丁・小出刃を安い物から高い物まで3本ずつと、釣り場用のナイフ1本の10本です。
魚を捌くのは何包丁?|最初は出刃1本、次は刺身包丁か小出刃

最初の1本は出刃包丁です。
刃渡りは150mmを基準に考えてください。
アジ・サバから、クロダイ・真鯛・マゴチ・シーバス・イナダまで、釣りで持ち帰ることの多い魚は150mmで捌けます。
包丁の専門店やランキングでは、家庭用の出刃に165〜180mmを勧めることも多いです。
それでも私が150mmを勧めるのは、50cm級のマゴチも、60cm前後のシーバスも、真鯛も、150mmで刃渡りが足りているからです。
70cmを超えるブリでも、私は頭まで150mmで割っています。
家のまな板やシンクで取り回しやすいのも150mmです。
刺身包丁は、出刃で捌けるようになってから考えれば十分です。
よく切れる包丁なら、三徳でも刺身は引けます。
ただ、キジハタやヒラメ、アオリイカのように薄造りがおいしい魚やイカを釣るようになると、刺身包丁があるかどうかで仕上がりが変わります。
私は家で、貝印の関孫六 匠創 出刃150mmを使っています。
Amazonで買うなら、匠創と同じく刃から柄までステンレスでつながった、下村工業 ヴェルダンの出刃150mmを勧めます。
出刃・刺身包丁・小出刃の役割の違い
魚を捌く和包丁は、大きく分けて3種類です。
どれも片側だけに刃が付いた片刃が多く、洋包丁とは研ぎ方も違います。

家庭用は150〜180mmが中心。最初の1本はここから
家庭用は210〜240mmが中心。薄造りをするなら
刃渡り90〜120mm前後。小魚をたくさん捌くなら
出刃には、本出刃・相出刃・身卸出刃といった細かい種類もありますが、家庭で釣った魚を捌くなら、普通に「出刃」として売られている物で困ることはありません。
三徳・牛刀で捌ける魚、捌けない魚
三徳包丁や牛刀は、野菜や肉を切るための両刃の包丁です。
刃が薄いぶん、骨や硬いウロコに当たると刃が欠けたり、刃先が滑ったりします。
| 三徳・牛刀で何とかなる | 出刃がほしい | |
|---|---|---|
| 魚の例 | 小アジ・イワシ・キス・小さいカマス | クロダイ・真鯛・キジハタ・マゴチ・ブリ・イナダ |
| 大きさ | 20cm前後まで | 30cmを超えるもの |
| 理由 | 骨が細く、手や小さな刃で内臓を出せる | 頭の骨と中骨が硬い。ウロコと皮が厚い |
クロダイは頭の骨がかなり硬く、普通の三徳包丁だけでやると苦行になります。
ブリも骨と皮が厚いので、三徳より出刃のほうが安全で、作業も速く終わります。
私も出刃を買う前は三徳で捌いていて、「これは三徳では無理だ」と最初に思ったのがクロダイでした。
逆に、20cm前後までの小アジやイワシは、三徳でも十分に捌けます。
三徳は野菜用として残しておき、魚を捌くために出刃を1本足すのがいちばん無駄がありません。
何本そろえるか|釣る魚別の組み合わせ
全部そろえる必要はありません。
釣る魚と、どこまで自分でやるかで決めてください。
| よく釣る魚 | そろえる包丁 |
|---|---|
| アジ・イワシ・小サバが中心 | 出刃150mm(数が多いなら小出刃を足す) |
| クロダイ・真鯛・根魚が中心 | 出刃150mm(キジハタや真鯛の薄造りもするなら刺身包丁210mm) |
| シーバス・マゴチ・ヒラメ | 出刃150mm(薄造りもするなら刺身包丁) |
| ワラサ・ブリなど70cmを超える青物 | 出刃150mm+刺身包丁(長い刃が好みなら165〜180mm) |
| アオリイカ | 捌くだけなら三徳でもできる。薄造りにするなら刺身包丁 |
| 釣り場で締める・内臓を出す | 家の包丁とは別に、ケース付きの釣り用ナイフ |
2本目は、釣る魚で分かれます。
キジハタやヒラメ、アオリイカを薄く引いて食べたいなら刺身包丁、アジやカマスを一度にたくさん捌く日が多いなら小出刃です。
両方に当てはまる人は、刺身包丁を先にしてください。
出刃150mmでもアジは捌けますが、薄造りは出刃では引きにくいからです。
魚種別|この魚はこの包丁と刃渡りで捌く

包丁選びでいちばん大事なのは、刃渡りが魚の大きさに合っていることです。
短すぎると何回も刃を入れ直すことになり、長すぎると小さな魚では取り回しが悪くなります。
下の表は、私がよく捌く魚と、その大きさに合う包丁です。
2列目は、これまでに自分で捌いてきたおおよその数です。
捌き方の手順は魚ごとの記事に書いているので、右の列から飛んでください。
| 魚 | 私が捌いてきた数 | よく釣れる大きさ | 合う包丁と刃渡り | 捌き方・食べ方の記事 |
|---|---|---|---|---|
| アジ | 1,000匹以上 | 15〜30cm | 小出刃105mmか出刃150mm | アジ |
| サバ | 300匹以上 | 30〜40cm | 出刃150mm | サバ |
| カマス・セイゴ | ― | 20〜35cm | 小出刃105〜120mm(出刃150mmでも可) | カマス・セイゴ |
| キジハタ | 200匹以上 | 25〜40cm | 出刃150mm+刺身包丁 | キジハタ |
| 真鯛・クロダイ | 真鯛50匹以上 | 30〜50cm | 出刃150mm | 真鯛・クロダイ |
| マゴチ・シーバス | マゴチ100匹以上 | 40〜60cm | 出刃150mm | マゴチ・シーバス |
| エソ | ― | 30〜40cm | 出刃150mm | エソ |
| イナダ・ツバス | 100匹以上 | 40〜60cm | 出刃150mm | イナダ |
| ワラサ・ブリ | ブリ100匹以上 | 70cm以上 | 出刃150mm(長い刃が好みなら165〜180mm) | ブリ |
アジ・サバ・カマス|数が多い小型〜中型の魚
アジのように数が釣れて1匹が小さい魚は、大きな出刃より小出刃のほうが手早く終わります。
何十匹も内臓を出していると、刃渡りの短さと軽さの差がはっきり出ます。
カマスも身が細長く薄いので、小回りの利く刃のほうがやりやすい魚です。
一方で、30cmを超えるサバやアジは、出刃150mmでも困りません。
小魚しか釣らない人以外は、まず出刃150mmを買い、数を捌くようになったら小出刃を足す順番がおすすめです。
私も、アジをたくさん捌く日は小出刃を使っています。
真鯛・クロダイ|骨とウロコが硬い魚
真鯛やクロダイは、ウロコが大きくて硬く、頭や中骨もしっかりしています。
刃の薄い包丁で骨に当てると刃こぼれしやすいので、出刃が欲しくなる代表的な魚です。
150mmの出刃なら、40〜50cmのクロダイでも長さは足ります。
どれも刺身がおいしい魚なので、慣れてきたら刺身包丁を足すと、薄く引いた刺身を楽しめます。
マゴチ・シーバス・エソ|40〜60cm前後の魚
50〜60cmになると刃渡りが足りるか気になると思いますが、私は匠創の150mmで、50cm級のマゴチも60cm前後のシーバスも捌いています。
30〜40cmのエソも150mmで足ります。
マゴチは皮が硬く、エソは小骨が多いので、刃の薄い包丁より、刃に厚みのある出刃のほうが仕上がりがきれいになります。
ブリ・イナダ|70cmを超えるブリも150mmで捌ける
イナダやツバスのような40〜60cmの青物なら、150mmの出刃で捌けます。
皮が厚いので、刃先の鋭さより刃の厚みと重さが効いてきます。
70cmを超えるブリになると、頭の骨と中骨が太くなります。
それでも私は、ブリの頭も匠創の150mmで割っていて、180mmが欲しいと思ったことはありません。
ただ、ワラサやブリばかり持ち帰る人で、太い中骨に沿って長く刃を入れる作業を1回で済ませたい人は、165〜180mmを選ぶのもありです。
匠創には、150mmと同じ作りの180mmもあります。
魚を捌く包丁の選び方|素材・片刃と両刃・柄の3つ

刃渡りが決まったら、次の3つを見ます。
ステンレスか鋼か|釣り人はステンレスが扱いやすい
和包丁には、鋼(はがね)で作られた物と、ステンレスで作られた物があります。
鋼は切れ味が鋭く研ぎやすい一方で、水気や塩分が残るとすぐに錆びます。
釣った魚には、海水と血とぬめりが付いています。
捌いた後にすぐ洗って拭けないこともあるので、初心者の1本目はステンレスの包丁が安心です。
この記事で紹介している包丁も、すべてステンレスです。
片刃と両刃、左利きの人は
出刃と刺身包丁は、片側だけに刃を付けた片刃が基本です。
片刃は、身を骨からはがすときに刃が骨に沿いやすく、刺身を引いたときの切り口もきれいになります。
片刃は、利き手によって刃を付ける側が逆になります。
売られている片刃の包丁は右利き用が多いので、左利きの人は、商品名に「左利き用」とある物を選んでください。
藤次郎のように、同じ包丁の左利き用(型番の末尾にL)を用意しているメーカーもあります。
三徳と同じ両刃の出刃もあり、こちらは利き手を選びません。
柄の素材と重さ、食洗機に入るか
和包丁の柄は、木の柄、樹脂の柄、刃と柄が一体になったオールステンレスの3つに分かれます。
出刃は重さがあるほど、頭を落とすときに包丁の重さを使えます。
木の柄は手になじみますが、濡れたまま放っておくと黒ずみやカビの原因になります。
釣った魚を捌くと、柄にも血やぬめりが付きます。
柄まで丸洗いでき、食洗機にも入れられるオールステンレスか樹脂の柄だと、手入れがずっと楽です。
魚を捌く包丁おすすめ10選|種類別・価格帯別の一覧
ここからは、出刃・刺身包丁・小出刃を、それぞれエントリー(安い)・ミドル・ハイエンド(高い)の3本ずつと、釣り場用のナイフ1本の、合わせて10本を紹介します。
番号を押すと、それぞれの説明に移動します。
(表は横にスクロールできます。)
| 番号 | 種類 | クラス | 商品 | 価格帯 | 刃渡り | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 出刃 | ミドル | 下村工業 ヴェルダン 出刃 | 5千円台 | 150mm | 最初の1本。私が使う匠創と同じオールステンレス |
| 2 | 出刃 | エントリー | 関孫六 碧寿 出刃 | 2千円台後半〜3千円台前半 | 150mm | まず安く出刃を試したい人 |
| 3 | 出刃 | ハイエンド | 藤次郎 プロDP 出刃 | 1万円台後半〜2万円台 | 165mm | 切れ味と刃持ちにこだわる人 |
| 4 | 刺身包丁 | エントリー | 関孫六 碧寿 刺身 | 2千円台後半 | 210mm | 初めての刺身包丁 |
| 5 | 刺身包丁 | ミドル | 関孫六 匠創 刺身 | 3千円台後半 | 210mm | 出刃と同じ匠創でそろえたい人 |
| 6 | 刺身包丁 | ハイエンド | 藤次郎 柳刃 | 1万円台後半〜2万円台 | 240mm | 大きな柵を一引きで切りたい人 |
| 7 | 小出刃 | エントリー | 関孫六 碧寿 小出刃 | 2千円台前半 | 105mm | 小出刃を安く試したい人 |
| 8 | 小出刃 | ミドル | 関孫六 金寿 105mm | 3千円台後半 | 105mm | 木の柄がいい人。私が使っている小出刃 |
| 9 | 小出刃 | ハイエンド | 藤次郎 プロDP 小出刃 | 1万円台前半 | 105mm | アジを何十匹も捌く人 |
| 10 | 釣り場用 | ― | シマノ シース小出刃 | 2千円台半ば | 85mm | 釣り場で締めて内臓まで出す人 |
価格は変動するので幅で示しています。
正確な価格は各商品リンクから確認してください。
セール時は幅より安くなることもあります。
魚を捌く出刃包丁おすすめ3選|エントリー・ミドル・ハイエンド

1本目はミドルのヴェルダン、2本目は安く始めたい人向けのエントリー、3本目は切れ味が長く続くハイエンドです。
3本とも、メーカーが出している仕様をもとに、どんな人に向くかを書いています。
刃渡りは3本とも150〜165mmで、釣りで持ち帰る魚の大半に合う長さです。
1 下村工業 ヴェルダン 出刃150mm|ミドル・匠創と同じオールステンレスの出刃
手入れの楽さと150mmの長さで、最初の1本に勧めやすい出刃です。
下村工業は、新潟の燕三条で1874年に刃物鍛冶として創業した、キッチン用品のメーカーです。
ヴェルダンはその包丁のシリーズで、刃から柄までがステンレスでつながった、継ぎ目の無い一体の作りになっています。
この形のいちばんの良さは、手入れの楽さです。
魚を捌いた後は、柄の付け根に血やぬめりが残りやすいのですが、継ぎ目が無いので丸ごと洗えて、食洗機にも入れられます。
私が家で使っている匠創も同じ作りで、釣りから帰って疲れているときでも、洗って拭くだけで済みます。
刃はモリブデンとバナジウムを加えたステンレスの刃物鋼で、柄は18-8ステンレスです。
刃渡り150mmは、真鯛やクロダイ、50cm級のマゴチ、60cm前後のシーバスまで足りる長さです。
重さは約200gで、匠創(約230g)より少し軽く、頭を落とすときにも包丁の重さを使えます。
右利き用です。
柄の中を空洞にして軽くしてあり、刃元に近いところを握って力を入れやすい形になっています。
- 初めて出刃を買う人
- アジ・サバから50〜60cmのマゴチ・シーバスまで、いろいろな魚を捌く人
- 捌いた後の手入れを楽にしたい人(丸洗い・食洗機対応)
同じくらいの値段で木の柄がいい人は、関孫六の金寿にも150mmの出刃があります。
柄は木を樹脂で固めた積層強化木で、食洗機には入れられません。
2 貝印 関孫六 碧寿 出刃150mm|エントリー・まず安く1本ほしい人に
関孫六の中でも手ごろな、碧寿(へきじゅ)シリーズの出刃です。
刃渡りはヴェルダンと同じ150mmで、刃はステンレス、柄は樹脂(ポリプロピレン)です。
重さは約138gと、ヴェルダン(約200g)より60gほど軽くなります。
軽いぶん扱いやすい一方で、頭を落とすときに包丁の重さを使える感覚は、重いヴェルダンのほうが上です。
樹脂の柄は熱に強く、食洗機にも入れられます。
柄の付け根まで継ぎ目無く洗えるヴェルダンほどではありませんが、手入れは楽な部類です。
値段はヴェルダンより下なので、出刃がどれくらい役に立つかをまず試したい人や、釣りに行く回数がまだ少ない人の1本目に向いています。
3 藤次郎 プロDP 出刃165mm F-636|ハイエンド・切れ味と刃持ちにこだわる人に
藤次郎は、新潟県燕市の刃物メーカーです。
この出刃は、硬い刃物鋼のV金10号(VG10)に、錆びにくい13クロムステンレスを貼り合わせた2層の刃で、柄もステンレスです。
ヴェルダンや碧寿と比べると値段はかなり上がりますが、そのぶん切れ味が長く続くのが特長です。
刃渡りは165mmと少し長く、ワラサやブリも捌く人にも合います。
包丁を研ぐのが好きな人や、1本を長く使い込みたい人に向いています。
左利き用のF-636Lもあります。
私も、家の匠創150mmとあわせてこの藤次郎を使っています。
刺身包丁(柳刃)おすすめ3選|薄造りと皮引きをするなら

刺身は、よく切れる包丁であれば三徳でもきれいに引けます。
刺身包丁は、出刃で捌けるようになり、キジハタやヒラメ、アオリイカを薄く引きたくなったら足す包丁です。
出刃との違いがはっきり出るのは皮引きです。
皮とまな板の間に刃を寝かせたまま、刃元から刃先まで一息で引けます。
出刃でも皮は引けますが、刃が厚く短いので途中で止まりやすく、皮に身が残りがちです。
刺身包丁は、私も関孫六 匠創の210mmを使っていて、アオリイカやキジハタを薄造りにするときはこれで引きます。
キジハタの刺身は、薄く引けるかどうかで味が変わります。
もともとは、アオリイカを薄造りにするために買った包丁です。
家庭のまな板で扱いやすいのは210mm、大きな柵を一引きで切りたい人は240mmです。
ここでは、エントリー・ミドル・ハイエンドの3本を紹介します。
4 貝印 関孫六 碧寿 刺身210mm|エントリー・初めての刺身包丁に
関孫六のステンレスの刺身包丁で、刃渡りは210mmです。
家庭のまな板で使いやすく、キジハタや真鯛の柵なら1回で引き切れる長さです。
柄は樹脂で、食洗機にも入れられます。
重さは約95gと軽く、刺身包丁を初めて持つ人でも扱いやすいです。
値段も手ごろなので、刺身包丁があるとどれくらい違うかを試すのにも向いています。
5 貝印 関孫六 匠創 刺身210mm|ミドル・出刃と同じ匠創でそろえたい人に
私が家で出刃とそろえて使っている、匠創シリーズの刺身包丁です。
刃渡りは210mmで、刃から柄までがステンレスでつながった継ぎ目の無い作りも、出刃と同じです。
刃は片刃で、丸洗いと食洗機に対応しています。
碧寿より値段は上がりますが、出刃と刺身包丁を同じ手入れの仕方でそろえられるのが良いところです。
6 藤次郎 柳刃240mm F-622|ハイエンド・大きな柵を一引きで切りたい人に
刃渡り240mmの、藤次郎の柳刃包丁です。
刃が長いので、ブリや大きな真鯛の柵でも、刃元から刃先までを使って1回で引き切れます。
引き切りの回数が少ないほど、切り口が平らになって角が立ちます。
刃はモリブデンバナジウム鋼で、柄まで一体のステンレスなので、匠創と同じく丸洗いできる、片刃の右利き用です。
家庭のまな板では240mmが長く感じることもあるので、まな板が小さい人は210mmのほうが扱いやすいです。
私は匠創の210mmに加えて、この藤次郎の柳刃240mmも使っています。
小出刃・アジ切りおすすめ3選|数釣りの小魚はこれが速い

小出刃は刃が短く軽いので、腹を開いて内臓を出す、ゼイゴ(アジの尾に近い硬いウロコ)を取る、小骨をすく、といった細かい動きがしやすい包丁です。
大きな魚の頭を落とすのには向かないので、出刃の代わりではなく、出刃に足す1本です。
私がアジなどの小魚を捌くときに使っている小出刃は、関孫六の金寿105mmです。
7 貝印 関孫六 碧寿 小出刃105mm|エントリー・小出刃を安く試したい人に
出刃の2本目に紹介した碧寿シリーズの小出刃で、刃渡りは105mmです。
重さは約67gととても軽く、柄は樹脂で、食洗機にも入れられます。
値段が手ごろなので、アジをたくさん釣った日に、小出刃があるとどれくらい速く捌けるかを試すのに向いています。
8 貝印 関孫六 金寿 105mm|ミドル・私がアジに使っている小出刃
関孫六の金寿シリーズの、刃渡り105mmの小出刃です。
柄は積層強化木と呼ばれる、木を樹脂で固めた素材で、普通の木の柄より水に強くなっています。
八角形の柄は握る向きが分かりやすく、小さな刃先を細かく動かすときに手の中で回りにくいです。
私もアジなどの小魚は、この金寿の小出刃で捌いています。
重さは約103gで、碧寿の小出刃(約67g)より重くなります。
樹脂の柄より木の握り心地が好きな人は、こちらを選んでください。
9 藤次郎 プロDP 小出刃105mm F-633|ハイエンド・刃持ちのいい小出刃がほしい人に
出刃の3本目に紹介した藤次郎F-636と同じシリーズの小出刃です。
刃はF-636と同じ、V金10号(コバルト合金鋼)に13クロムステンレスを貼り合わせた2層で、柄もステンレスです。
刃渡りは105mm、重さは約130gと、碧寿や金寿の小出刃より重めです。
アジを何十匹もまとめて捌く人や、小出刃も研ぎながら長く使いたい人に向いています。
私も、金寿の105mmに加えて、この藤次郎も使っています。
釣り場で締める・内臓を出すナイフ

魚は、釣ってすぐに締めて血を抜き、夏場や大型の魚なら内臓も出しておくと、身の臭みが出にくくなります。
家の包丁を釣り場に持って行くのは危ないので、刃を覆うケースが付いた釣り用のナイフを1本用意しておくと便利です。
私は釣り場では、シマノのシース小出刃を使っています。
10 シマノ シース小出刃 CT-511N|私が釣り場で使っている1本
シマノの、ケース付きの小型の出刃です。
刃渡りは85mmで、厚さ3mmの刃にフッ素加工がしてあるので、海水に濡れても錆びにくくなっています。
ケースは樹脂製で水抜きの穴があり、使った後に刃を入れても水がたまりません。
エラを切って血を抜くだけでなく、中型までの魚なら、腹を開いて内臓を出す作業までこなせる大きさです。
もっと安く小さい物がいい人には、ダイワのキャップデバ85もあります。
刃渡りは約82mm、全長も約205mmと小さく、タックルボックスやバッカンに入れておけます。
エラを切る、脳を突く、小魚の内臓を出す、くらいの作業ならこれで十分です。
釣り場に刃物を持って行くときの注意
刃物の持ち歩きは、法律で決まりがあります。
銃刀法では、原則として、刃体の長さ(刃渡りとほぼ同じ、刃の部分の長さ)が6cmを超える刃物を、業務その他正当な理由なく携帯することは禁止されています。
6cm以下の刃物でも、正当な理由なく隠して持ち歩くと、軽犯罪法に触れることがあります。
ここで紹介したシース小出刃とキャップデバ85も、メーカーが公表している刃渡りは6cmを超えています。
釣りで使う必要があり、そのために持ち運ぶ場合は、正当な理由にあたり得ます。
ただし、釣りと関係のない場面で持ち歩いたり、使う予定のない日まで車に置きっぱなしにしたりすることまで認められるわけではなく、正当な理由があるかどうかは、そのときの状況で判断されます。
ケースに入れていれば必ず問題ない、というわけでもありません。
釣りに行く日だけ、刃をケースで覆ってタックルボックスやバッグにしまって持ち運び、帰宅したら車やバッグに残さず家にしまってください。
一緒にあると捌くのが速くなる道具
包丁のほかに、次の道具があると捌く時間がぐっと短くなります。
うろこ取り|包丁の背でやると台所じゅうに飛ぶ
ウロコは包丁の背でもこそげますが、真鯛やクロダイ、マゴチのように硬いウロコは、勢いよく飛び散って台所の壁や床まで汚れます。
ギザギザの刃でこそげるうろこ取りで、ウロコを受け止めるカバーが付いた物なら、飛び散りもかなり抑えられます。
貝印のSELECT100のうろこ取りは、ステンレスの一体成形で、カバーを外して丸洗いでき、食洗機にも入れられます。
値段も安いので、出刃と一緒に買っておくと、ウロコを取る時間が短くなります。
骨抜きとまな板
刺身にする魚は、身の中央に残る小骨(血合い骨)を骨抜きで抜きます。
先が平らで幅の広い、魚の骨抜き専用の物が、細い骨をつかみやすいです。
まな板は、魚の頭から尾までが乗る、幅の広い物があると作業しやすくなります。
小さいまな板しか無いときは、濡らして絞ったタオルを下に敷くと滑り止めになり、平たい魚でも安定します。
砥石|切れなくなったら研ぐ
どんなに良い包丁でも、使っていれば切れ味は落ちます。
刃が魚の皮で滑るようになったり、刺身の切り口がつぶれたりしてきたら、研ぎ時です。
私は匠創を砥石で研いでいて、これまで錆びたことはありません。
シャプトンの刃の黒幕 #1000は、普段の研ぎに使う中砥石で、水に浸けて待たなくても、表面を濡らせばすぐに研ぎ始められます。
片刃の和包丁は、刃の付いている表側を中心に研ぎ、裏側は軽く当てて返りを取るのが基本です。
砥石を使うのが難しいと感じる人は、溝に刃を通して引くだけのシャープナーでも、ある程度は切れ味が戻ります。
ただ、多くのシャープナーは三徳のような両刃用です。
片刃の出刃や刺身包丁に使うときは、片刃に使えると書かれている物を選んでください。
アニサキスライト|刺身にする前に身を照らす
アジやサバ、イカを刺身で食べるなら、アニサキスライトがあると安心です。
紫外線のライトを当てると、身の中のアニサキスが光って見つけやすくなります。
私が刺身にするときに使っているのはひとつ前のYF-980で、いま買うなら充電式のYF-990です。
ただ、身の奥にいる虫までは見えないので、目で見て探す、内臓を早く取る、心配なら冷凍か加熱する、と合わせて使ってください。
使い方と限界は、アニサキスライトは意味ない?の記事でくわしく書いています。
包丁を長持ちさせる手入れ|海水と血を残さない
ステンレスの包丁でも、塩分や血が付いたまま放っておくと、錆びたり、くすんだりします。
捌き終わったら、次の順で手入れしてください。
- すぐに洗う:台所用の洗剤とスポンジで、刃と柄の付け根まで洗う。血やぬめりは時間がたつほど落ちにくい
- すぐに拭く:乾いた布巾で水気を拭き取る。水切りかごに立てたままにしない
- 乾かしてからしまう:木の柄は特に、湿ったまましまうと黒ずむ
捌いている最中の注意も1つあります。
太い骨は出刃の刃元で押し切り、冷凍した魚や骨に刃先を打ち付けないでください。
刃が欠けます。
食洗機に入れられるのは、メーカーが食洗機対応としている包丁だけです。
木の柄の包丁は、手洗いしてください。
釣り場で使ったナイフも、帰ったら真水で洗って、ケースの中まで乾かしておきます。
海水が残ったままケースにしまうと、ステンレスでも錆が出ることがあります。
魚を捌く包丁でよくある質問

Q. 魚を捌くのに最強の包丁は?
料理人が使うような、鋼で作られた本格的な出刃は、切れ味では上です。
ただ、錆びやすく、使うたびに手入れと研ぎが欠かせません。
釣った魚を家で捌くなら、錆びにくいステンレスで、魚の大きさに合った刃渡りの出刃がいちばん扱いやすいです。
私が使っているのは匠創の出刃150mmで、丸洗いできて手入れが楽です。
Amazonで買うなら、同じ作りのヴェルダンの出刃150mmを選んでください。
Q. 出刃は150mmと165mm、どっちがいい?
迷ったら150mmです。
アジやサバ、根魚、マゴチやシーバス、40〜60cmのイナダやツバスまで、150mmで捌けます。
70cmを超えるブリも、私は150mmで頭まで割っていて、180mmが欲しいと思ったことはありません。
ワラサやブリばかり持ち帰る人で、長い中骨に沿って1回で刃を通したいなら、165mmにするのもありです。
Q. 魚をさばく包丁セットを買うのはあり?
出刃と刺身包丁の2本がセットになった物なら、ありです。
ただ、三徳やペティナイフまで入った5本セットのような物は、魚を捌くには使わない包丁が多くなります。
セットは刃渡りが選べないことも多いので、まずは出刃を1本、自分の釣る魚に合わせて選ぶほうが失敗しません。
釣り好きへのプレゼントで包丁を選ぶなら、釣り好きが本当に喜ぶプレゼントの記事も参考にしてください。
Q. ダイソーやニトリの包丁でも魚は捌ける?
小アジやイワシの内臓を出すくらいなら、100円ショップの包丁でもできます。
ただ、刃が薄く柔らかいものが多く、30cmを超える魚の頭や骨には向きません。
ニトリやホームセンターにも出刃包丁は売られています。
選ぶときは、ステンレスかどうか、刃渡りが釣る魚に合っているかを見てください。
Q. 出刃で刺身は引ける?
引けます。
出刃でも、よく研いだ物なら刺身は作れます。
ただ、出刃は刃が厚く短いので、薄造りのような薄い刺身を何枚も引くのは難しくなります。
キジハタやヒラメ、真鯛を薄く引きたくなったら、刺身包丁を足してください。
Q. 釣り場に包丁を持って行っていい?
釣りで使うために持って行くなら正当な理由にあたり得ますが、ケースに入れていれば必ず問題ないわけではありません。
使う日以外は家に置いてください。
くわしくは、釣り場に刃物を持って行くときの注意で書いています。
まとめ|最初の1本は、釣る魚の大きさで選ぶ出刃
- 最初の1本は出刃包丁の150mm。70cmを超えるブリの頭も、私は匠創の150mmで割っている。長い刃が好みなら165〜180mm
- 三徳で捌けるのは20cm前後まで。クロダイや真鯛、ブリは出刃のほうが安全で速い
- 2本目は釣る魚で決める。キジハタやアオリイカの薄造りなら刺身包丁210mm、アジ・カマスの数釣りなら小出刃。両方なら刺身包丁が先
- 価格帯で選ぶ。安く始めるなら碧寿、手入れの楽さで選ぶならヴェルダン、長く使い込むなら藤次郎
- 釣り人はステンレス。丸洗いできる柄なら、捌いた後の手入れが楽
下の2つは、最初の1本に勧めるヴェルダンの出刃150mmと、2本目に足すなら最初に勧めたい碧寿の刺身包丁です。
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