こんにちは、つりはる編集長のはるです。
シイラは、夏から秋にかけて沿岸や沖でよく釣れる大型回遊魚です。
大きい個体は1mを超え、引きが強いことで釣り人にはお馴染みの人気の魚で、実際に私も船や陸で100匹近くのシイラを釣って食べてきた経験があります。
「マヒマヒ」という名前で食用としても流通しており、回転寿司チェーンやスーパーで見かける事も多い魚ですが、かなり安い値段で売られていることが多く、ネットやSNSでは「まずい魚」として名前が挙がることもしばしばで、「シイラまずい」と検索する人も多い魚です。
味に関しては賛否が分かれるのが事実です。
先に結論を書きます。私の正直な評価も、刺身は基本まずい寄りです。その評判は的外れではありません。ただし条件が揃えば、刺身も加熱もはっきり美味しくなります。
この記事では、100匹近く釣って食べた私の正直な評価を先に書きます。そのうえで、どういう条件なら美味しくなるのかと、まずいと言われる理由を分けて解説します。
「実は美味しい魚です」で終わらせるつもりはありません。
シイラがまずい魚だと言われる理由

シイラが「まずい」と感じられやすいのには、いくつかの共通要因があります。
処理で消せるものと、消せないもの(そもそも脂が乗っていない個体)が混ざっているので、分けて見ていきます。
私の評価そのものを先に読みたい人は、正直な話、シイラは美味しいのかへ飛んでください。
①臭みが出やすい
シイラは非常に鮮度が落ちやすい魚で、特に真夏の炎天下では釣り上げた瞬間から劣化が始まります。
釣り上げた瞬間は綺麗な青色の魚体をしていますが、その後すぐに黄色に変わっていきます。
夏場は海水温も高く、魚の体温も上がりやすいため、適切な処理を怠ると数時間で強い臭みが出てしまうこともあります。
この臭みは、処理でほぼ消せます。具体的なやり方は後半の処理の章にまとめました。
②身が水っぽくなりやすい
シイラは身に水分が多く含まれる魚で、鮮度が落ちるとさらに水っぽさが際立ち、食感や旨みが損なわれます。
しっかり処理をすれば特に気になりませんが、釣った後の処理を怠った場合、身が締まらずにベチャっとした食感になってしまい、刺身では物足りない味になります。
実際に私も、夏場に釣って処理を一切していない鮮度の悪いシイラを食べたことがありますが、刺身でもフライでも水っぽくて美味しくありませんでした。
残すのは嫌だったので漬けにして食べましたが、やはり本来の旨みは感じられず、処理の重要性を痛感しました。
③寄生虫や身の色変化が敬遠される
シイラは実際に私もアニサキスの寄生や、謎の卵のような見た目の寄生虫が大量に身についていた個体を見つけたことがあります。
体感では10匹釣ったら1〜2匹で、決して低い数字ではありません。
夏の大型魚特有の、身に大量に寄生されている個体を目にした事がある方は、そういった見た目のインパクトから「気持ち悪い」と敬遠されるケースが多い印象です。
また、釣り上げた後の処理や保存状態によっては身の色が変化しやすく、それもマイナスイメージにつながる要因の一つです。
正直な話、シイラは美味しいのか|100匹近く釣って食べた私の評価

私は船釣りや陸で累計100匹近くのシイラを釣ってきました。
実際に食べて感じたのは、鮮度管理と処理次第で味の評価が大きく変わる魚だということです。
夏〜秋によく釣れるため、適切な処理をしないとすぐに味が落ち、「まずい」と感じられてしまうケースも少なくありません。
ただし処理さえすれば美味しくなる、という単純な話でもありません。ここでは、実際に何度も食べ比べてきた体験をもとに、忖度抜きで書きます。
★なぜ「シイラは美味しい」という話になるのか
刺身は、釣りたてを船の上で食べると本当に美味しいんです。
私が最初にシイラの刺身を食べたのが、まさにそれでした。だから長いあいだ「シイラ=美味しい魚」というイメージを持っていました。
ところがそのあと普通に持ち帰って食べると、「うーん…」となる。同じ魚なのに、船の上で食べたときの感動がありません。
大事なのはここです。その「うーん」となった個体も、血抜きと氷締めはしてあります。処理をサボったからまずかった、という話ではないんです。
つまり、正しく処理することは必要条件であって、十分条件ではありません。
「シイラは実は美味しい」と紹介している記事はたくさんありますが、その美味しさの記憶が船の上で作られたものだとしたら、家の食卓で同じ体験はできません。ここを正直に書いている記事が少ないので、私はそこから書きます。
ただし、船の上でしか美味しくならない魚だとは思っていません。脂が乗った個体は、家に持ち帰って食べてもちゃんと美味しい。実際に「これは化けた」と思った個体が家でもありました。
つまり分かれ目は、船か家かではなく脂のほうです。
刺身|基本は「まずい寄り」。ただし条件が揃えば別物
刺身は、正直に言うと基本はまずい寄りです。
ただし脂が乗っている個体を、きちんと処理して食べれば美味しい。この2つが揃ったときだけ、はっきり美味しくなります。逆に言えば、どちらか欠けると平凡です。
それでも刺身が嫌いではない理由
正直、マグロやカンパチのような深みのある味わいかというと微妙で、鯛やハタ系の魚のように甘みもあまり強くありません。
それでも、刺身って結局、醤油とわさびが美味しいんですよね…
だから私はシイラの刺身もけっこう好きです(笑)。脂が乗った個体に当たれば、癖のない身として十分楽しめます。
加熱|味は弱いが、だからこそ料理で化ける
シイラは身が淡白なので、最も向いているのは間違いなく加熱料理です。
淡白な分だけ味が染み込みやすく、フライや煮付けとよく合います。
癖もないため食べやすく、我が家では妻も子供も好んで食べています。
また、大きい個体が多く1匹から大量の身が取れるので、冷凍保存しておけば子供のお弁当のおかずにも活用できます。
手軽に調理でき、食卓でも活躍する万能な魚です。
シイラは高級魚なのか|ハワイでは定番なのに日本で安い理由
「シイラは高級魚ですか」という質問をよく見ます。日本では高級魚ではありません。スーパーではマヒマヒの名前で安く並びますし、回転寿司で使われることもあります。
ところがハワイではマヒマヒが定番の食用魚で、レストランのメニューに普通に載っています。同じ魚なのに扱いがまるで違う。
私は、これは魚の評価軸の違いだと思っています。日本で高く評価される魚は、刺身で強い魚です。マグロもタイもブリも、生で食べて美味しいから値段がつく。その物差しで測ると、シイラは分が悪い。
逆に加熱前提で見ると、シイラはかなり優秀な素材です。癖がなくて何にでも合う、1匹から身が大量に取れる、値段が安い。ハワイでよく食べられているのは、この長所が評価される料理の中にいるからでしょう。
つまり安いのは「まずいから」ではなく、日本の物差しと噛み合っていないからです。
高級魚ではないけれど、安い理由には納得しています。
私が「まずい」と感じた個体と、旨かった個体の違い
同じシイラでも評価が割れるので、何が違ったのかを並べておきます。
| 放置した個体 | 処理したが平凡だった個体 | 旨かった個体 | |
|---|---|---|---|
| 処理 | 釣った後に放置した | 釣ってすぐ血抜き・氷締め | 釣ってすぐ血抜き・氷締め |
| 匂い | 水っぽく、酸っぱい匂いが出る | 匂わない | 匂わない |
| 脂 | 乗っていない | 乗っていない | 脂が乗っている |
| サイズ | ペンペン(小型) | 個体による | 80cm前後 |
| 味 | どう料理してもまずい | 可もなく不可もなく終わる | 刺身で化ける |
臭いが出ていたら足切りです。
鮮度が落ちたシイラは水っぽくなり、独特の臭みや酸っぱい匂いが出ます。こうなると、どんな調理をしても正直まずい。
ただし臭いが無いのは「食べられる」の条件であって、「美味しい」を決めているのは脂のほうです。真ん中の列がそれで、処理は同じようにやったのに、食べると可もなく不可もなく終わります。
「シイラ 色変わる」と検索する人がいますが、体表の色が釣り上げ直後の青や黄色から抜けて灰色っぽくなるのは自然なことで、これ自体は味と関係ありません。見るのは身のほうが赤茶けてきていないかです。
脂が乗った個体は見分けられるのか|サイズで味は変わるのか
「大きいシイラのほうが美味しい」とよく言われます。100匹近く釣ってきた私の実感は、少し違います。
| サイズ | 私の実感 |
|---|---|
| ペンペン(小型) | 美味しくない。刺身にしても水っぽさが目立つ |
| 80cm前後 | 脂が乗った個体が一番多い。刺身が化けるならこのあたり |
| 1m超の大型 | たまに脂ぶりぶりのがいるが、見た目ほど乗っていない個体のほうが多い |
大きければ良い、という単純な話ではありません。狙い目は80cm前後です。
刺身にするかどうかは、その個体に脂が乗っているかで決めています。ただし正直に言うと、これは捌いてみないと分かりません。外から見て当てる方法を私は持っていません。
だから切ってから決めるのが現実的です。身を見て「これは薄いな」と思ったら、刺身をあきらめて加熱に回す。そのほうが満足度は高くなります。
シイラを美味しく食べるための処理と保存方法

シイラは鮮度落ちが非常に早い魚で、釣った直後の処理が美味しさを左右すると言っても過言ではありません。
夏〜秋に釣れることが多く、高水温下では身の劣化スピードがさらに加速します。
ここでは、私が実際にシイラを100匹近く釣ってきた経験から、鮮度を保ちつつ美味しく食べるための処理と保存のコツをご紹介します。
釣ったらすぐに血抜きと氷締めを行う
シイラは血の量が多く、血が残ると臭みや劣化の原因になります。
釣り上げたらすぐにエラや尾を切って血抜きを行い、氷締めするのが基本です。
血抜きをするかしないかだけで、臭みの出方はかなり変わります。
ちなみに、よく氷だけ入れたクーラーボックスで氷締めを行う方がいますが、これだと味が落ちます。理由は2つあります。
1つは冷え方です。氷に触れている面しか冷えないので、魚の芯まで下がるのに時間がかかります。水に浸ければ全面が接するので、冷えるスピードがまるで違う。しかも海水は真水より低い温度まで下がるので、より速く冷やせます。
もう1つは氷焼けです。氷が直接あたった部分は白く変色して食感が落ちます。かといって溶けた真水に浸けると、今度は身が水を吸って水っぽくなる。
だから「海水+氷」が正しい締め方です。クーラーに海水を汲んでから氷を入れる、それだけです。
神経締めで鮮度と食感をさらに向上
より美味しく食べたい場合は神経締めも効果的です。
神経締めを行うことで死後硬直の進行を遅らせ、鮮度を長く保つことができます。
私も神経締め自体はやりますが、シイラにわざわざやることはあまりありません。数が釣れる魚なので、そこまで手が回らないというのが正直なところです。
ただ、船釣りで釣ったシイラを船長さんに神経締めしてもらったことがあり、そのときは明らかに違いが分かるほど刺身の食感がプリッとして、水っぽさも軽減されました。慣れれば数十秒で終わります。
1匹をじっくり味わいたいときには、やる価値があります。
捌き方|ウロコは引かずに皮ごと剥ぐ
シイラはウロコが細かくて量が多いので、まともに引くと台所が大変なことになります。私はウロコを引きません。三枚におろして、皮ごと剥いでしまいます。これが一番早いし、後片付けも楽です。
刺身にするときは、血合いを切り落とします。血合いは臭みが出やすい部分なので、迷ったら落としたほうが安全です。もともと味が強い魚ではないので、残して得することがありません。
もう1つやっているのが、キッチンペーパーで水分を抜くことです。シイラは身に水分が多く、それが水っぽさの正体です。サクの状態でペーパーに包んで冷蔵庫に少し置いておくだけで、刺身の食感がはっきり変わります。
「刺身を水で洗っていいか」という質問も見かけますが、私は洗いません。水っぽさが弱点の魚なので、水を足す方向は逆効果です。汚れが気になるなら、捌く前に魚体を洗っておけば十分です。
シイラは刺身で食べていいのか|寄生虫・毒・食中毒の実際
刺身にするうえで一番気になるところなので、私が見てきた範囲をそのまま書きます。
10匹釣ったら1〜2匹には入っている
私の体感では、10匹釣ったら1〜2匹には寄生虫が入っています。
しかも入っている個体は1匹だけということが少なく、何匹もくっついていることが多い。個体差がはっきり出るので、ベイト(食べているもの)の違いではないかと思っています。
種類でいうと、アニサキスより「卵みたいなやつ」のほうをよく見るかもしれません。アニサキスも見たことはありますが、それ以外の寄生虫のほうが遭遇率は高い印象です。
正直に書くと、釣り場で内臓までは抜いていない
他の魚は釣り場で内臓を抜くようにしていますが、シイラはあまり釣り場で処理していません。数釣りになることが多く、そのぶん手が回らないからです。内臓は早く抜いたほうがアニサキスが身に移りにくいと言われるので、褒められた話ではありません。
その状態でこの遭遇率なので、刺身にするなら身をよく見てからにしてください。私は目視の補助にアニサキスライトを使っています。紫外線を当てると白く浮かび上がるので、薄く引いた身でも見落としにくくなります。
ただし万能ではありません。何ができて何ができないかはアニサキスライトの記事にまとめています。
「シイラに毒がある」は本当か
シイラの身に毒はありません。「シイラを食べて下痢をした」という話も見かけますが、原因は毒ではなく鮮度落ちかヒスタミンと考えるほうが自然です。ときどき「皮の粘液に毒がある」という話を見かけますが、はっきりした根拠は見当たりません。ぬめりに雑菌が付きやすいのは確かなので、刺身にするなら皮ごとよく洗ってから捌けば十分です。
食あたりは一度も無い
100匹近く食べてきて、私も家族も同行者も、食あたりは一度もありません。
シイラはヒスタミンが問題になりうる魚としてよく名前が挙がります(マグロ・カツオ・サバなどと同じ扱いです)。ヒスタミンは加熱しても消えないので、常温に長く置かないことが唯一の対策です。
逆に言うと、釣ったらすぐ冷やす、というごく普通のことを守っていれば起きていないというのが100匹分の結果です。「シイラは危ない魚」と身構える必要はないと思っています。
シイラの美味しい食べ方|味を足す料理が正解

ここからは、味が弱いという前提でどう料理するかの話です。
シイラは淡白でクセが少ないぶん、味を足す料理と相性がいい。ここでは私が実際に作っている食べ方3つと、よく使うスパイスを紹介します。
シイラの旨味を引き出す最強のスパイス「黒瀬のスパイス」
味が弱い魚なので、味付けで結果がほぼ決まります。私が魚料理でずっと使っているのが「黒瀬のスパイス」です。粗挽きの黒胡椒・ガーリック・ハーブなどが混ざった調味料で、これ1本で味の輪郭がつきます。
シイラのようにそれ自体の味が弱い魚とは特に相性がいいと感じています。ムニエル・フライ・パン粉焼き、どれに振っても外しません。ちなみに目玉焼きにかけても美味しいです(笑)。
最初は友人に勧められて試したのですが、それ以来ずっと使っています。ムニエルやパン粉揚げの仕上げにサッと振ると、家族から「これ本当にシイラ?」と言われる程度には変わります。
シイラのマヨネーズ&ゆかりのパン粉揚げ
我が家で一番作っているのが、マヨネーズとゆかりで味付けしたパン粉で揚げたフライです。
淡白なシイラの身に、マヨネーズのコクとゆかりの酸味・香りが乗って、味の輪郭がはっきりします。
パン粉でカリッと揚げれば、外はサクサク、中はふっくらジューシーな仕上がりに。
衣で包む料理なので、加熱しすぎなければパサつきを抑えられます。パン粉揚げとの相性は良いです。しかも身崩れしにくいので、揚げ物初心者でも失敗が少なく作れます。お弁当のおかずにしても冷めても美味しく、お酒のおつまみやご飯のお供にもぴったりです。
ゆかりの風味が苦手な方は、マヨネーズだけで味付けしてパン粉焼きにし、仕上げに黒瀬のスパイスを振りかけるのもおすすめ。
ちなみに妻は普段ゆかりが苦手ですが、これだけは「美味しい!」とおかわりします(笑)。子供から大人まで楽しめる、我が家の定番です。
バター香るシイラのムニエル
淡白なシイラは、バターと小麦粉で仕上げるムニエルとよく合います。
バターの香ばしい風味があっさりした身に絡んで、味の弱さが気にならなくなります。
安価で手に入りやすいシイラが、ちょっと贅沢な洋食メニューに早変わりする瞬間です。
作り方はシンプルで、塩胡椒を振って小麦粉をまぶし、バターで両面をこんがり焼くだけですが、塩胡椒の代わりに黒瀬のスパイスを使うと、より本格的な味わいになります。
スパイスの香りがバターのコクに乗って、味の輪郭がはっきりします。
さらに仕上げにレモンを絞れば爽やかさが加わり、口の中が一気にリフレッシュします。
手間がかからないわりに見た目が華やかなので、人が来るときにもよく作ります。味の弱さがそのまま長所に変わるのがムニエルで、シイラの使い道としては一番わかりやすいと思います。
シイラの漬け
シイラは刺身で食べると淡白すぎて物足りなく感じることがありますが、そんな時におすすめなのが漬けです。
醤油・みりん・酒・生姜などの調味料をベースに、しっかりと味を染み込ませることで、旨味が引き立ちご飯が進む一品に変わります。
作り方はシンプルで、醤油4:みりん2:酒1の割合に、おろし生姜と少しのごま油を加えたタレを用意し、薄めに切ったシイラの身を30分ほど漬け込むだけ。
漬け時間を長くすると味がより染み込みます。
余裕があれば冷蔵庫で半日ほど寝かせると、タレが中までしっかり入り、噛むたびに旨味が広がります。
漬け丼にするなら、炊きたてご飯の上に漬けたシイラをたっぷり乗せ、刻み海苔・大葉・白ごまを散らし、仕上げに温泉卵をトッピングするのがおすすめ。
水っぽくなってしまった個体や、鮮度がやや落ちた場合の逃げ道としても使えます。
刺身で食べて物足りなかった個体の行き先としても、漬けは優秀です。
持て余したら干物という手もある
大きい個体を持って帰ると、とにかく食べきるのに困ります。1mクラスだと家族で何日も食べ続けることになる。
そこで一度、三枚におろして干物にしてみたことがあります。感想は、悪くはないです。絶賛するほどではありませんが、干すと水分が抜けて味が寄るので、シイラの弱点である水っぽさは減ります。
この魚の弱点が「水分が多い」「味が弱い」の2つだと考えると、水を抜いて味を凝縮する干物は理屈に合っています。冷凍と並んで、量が多いときの逃げ道として覚えておくといいと思います。
料理の注意点|シイラ料理で外さないために
シイラ料理で失敗する原因はだいたい決まっています。味が弱い魚だということを前提にしないことです。
- 薄味で仕上げない。魚の味を頼りにすると物足りなくなる。塩・スパイス・ソースで輪郭を作る
- 火を入れすぎない。身がパサパサになりやすい。加熱は短めに
- 臭み消しは後追いになる。釣った直後の血抜きと氷締めで、そもそも臭みを出さないほうが早い
- 冷凍するなら早めに。鮮度落ちが早い魚なので、迷ったらその日のうちに冷凍する
鯛やキジハタのように素材の味を引き算で楽しむ魚ではありません。シイラは足し算で美味しくする魚です。唐揚げなら下味をしっかり、塩焼きなら塩を強めに。この魚に関しては、それで正解だと思っています。
スーパーの切り身(マヒマヒ)を買うなら
シイラは「マヒマヒ」の名前で切り身が安く売られていることがあります。回転寿司で使われることもあります。
買うときに見るのは身の色です。透明感のある淡い色ならよく、赤茶けてドリップが出ているものは避けます。安いからと状態の悪いものを買うと、まさに「まずいシイラ」に当たります。
切り身なら最初から加熱前提で買うのが無難です。刺身にするかどうかは、上に書いたとおり脂の乗り方次第なので、切り身から判断するのは難しい。
よくある質問
シイラは漢字でどう書きますか?
「鱰」と書きます。魚へんに「暑」で、夏によく釣れる魚であることが由来とされます。「鬼頭魚」と書くこともあります。レシピサイトなどでは、ひらがなで「しいら」と表記されることもあります。
シイラの別名は?
地方によってマンビキ・マンサク・クマビキなどと呼ばれます。ハワイではマヒマヒで、日本のスーパーでもこの名前で切り身が売られています。
シイラは英語で何と言いますか?
mahi-mahi(マヒマヒ)が一般的です。dolphinfishとも呼ばれますが、イルカとは無関係です。
シイラは白身魚ですか、青魚ですか?
見た目は白っぽいのですが、水産学上はミオグロビンの量で赤身魚に分類されます。白身魚として売られていることもあるので混乱しやすいところです。青魚(背が青い回遊魚)の仲間として扱われることもあります。
シイラの旬はいつですか?
夏から秋です。釣りのシーズンとも重なります。ただし私の実感では、時期より個体の脂の乗り方のほうが味に効きます。
シイラの栄養は?
高たんぱくで低脂質の魚です。ビタミンB群、特にナイアシンが多いとされ、ハワイやアメリカでは日常的に食べられています。
シイラの身の色が変わるのはなぜ?
釣り上げた直後は青や黄色に鮮やかに輝きますが、時間が経つと色が抜けて灰色っぽくなります。これは体表の色で、身の劣化とは別の話です。ただし身のほうが赤茶けてきたら鮮度落ちのサインです。
シイラの臭みを消すには?
臭みは処理の失敗で出ます。後から消すより、釣った直後に血抜きと氷締めをするほうが確実です。それでも気になるなら、塩を振って出た水分を拭く、酒や牛乳に浸ける、といった一般的な下処理が効きます。
シイラは加熱すれば大丈夫ですか?
寄生虫については、加熱すれば問題ありません。ただしヒスタミンは加熱では消えないので、常温に長く置かないことが前提です。
シイラはどんな味ですか?
淡白でクセがなく、味そのものは弱い魚です。マグロやカンパチのような深みも、鯛やハタのような甘みもありません。だからこそ味付けや料理で際立たせるのが向いています。
まとめ|魚の味を楽しむより、料理で際立たせて食べる魚

シイラは確かに「まずい」と言われることが多い魚です。100匹近く釣って食べた私の結論はこうです。
シイラは「実は美味しい魚」ではありません。かといって、まずい魚でもありません。
刺身は基本まずい寄りで、脂の乗った個体をきちんと処理したときだけ化ける。加熱は味が弱いぶん、料理で際立たせれば食卓の戦力になる。それが100匹近く食べた私の結論です。
口コミを見渡しても、シイラの味の評価は「普通」あたりに落ち着きます。私の実感もそこと一致します。
期待の置きどころを「魚そのものの味」から「料理で仕上げる素材」に変えれば、この魚はちゃんと使えます。
今回ご紹介したマヨネーズ&ゆかりのパン粉揚げ、ムニエル、漬けはいずれも簡単に作れて、家族からの評判も高いおすすめレシピです。
味付けの幅を広げたい方は、魚の旨味を引き立てる黒瀬のスパイスもぜひ試してみてください。
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