こんにちは、現役釣具屋店員のみきやです。
エギングロッドを選びに来たお客さんから、「何フィートを買えばいいですか?」と聞かれることがよくあります。
売り場に並ぶエギングロッドは、8ftから9ft前後までが中心です。
型番の83と86のように、数字で見ると小さな違いなのに、どちらにするかで長く迷う人が少なくありません。
私自身も、8ftから8ft6inまで長さの違う竿を何本か持っていて、常夜灯まわりや狭い漁港では8ftのほうが楽だと感じています。
扱うのは、堤防や磯、サーフからアオリイカを狙う、陸っぱり用のエギングロッドです。
エギングロッドの長さで釣りやすさが変わる理由

エギングロッドの長さは、エギを投げる、シャクる、イカを取り込むという、エギングのどの動作にも関わります。
長い竿が有利な場面と、短い竿のほうが楽な場面は、かなりはっきり分かれています。
長い竿が有利なこと|遠投・高い足場・磯での取り込み
竿が長いほど、振ったときに竿先が大きな弧を描くので、同じエギでも遠くへ投げやすくなります。
足場の高い堤防や磯では、長い竿のほうがラインを水面から持ち上げやすく、風や波にラインを取られにくくなります。
イカを掛けたあと、足元の岩や堤防の角をよけながら寄せてこられるのも、長さがあってこそです。
短い竿が楽なこと|シャクリと1日の疲れ
エギングは、エギを投げてはシャクる動作を、何時間も繰り返す釣りです。
竿が短いほど、手元から竿先までの距離が短くなるので、シャクったときに腕にかかる負担が軽くなります。
エギの動きも細かく付けやすく、1日の終わりの疲れ方が変わります。
フィートとセンチの換算表|エギングロッドの8.6ftの読み方
エギングロッドの長さは、フィート(ft)とインチ(in)で表します。
1ftは30.48cm、1inは2.54cmです。
型番の頭の数字が長さを表していて、86なら8ft6in、83なら8ft3inです。
エギングロッドで見かける「8.6ft」も、8フィート6インチと読むのが一般的です。
ただ、メーカーや釣りによっては、8.6ftを小数のまま(約262cm)で表している竿もあるので、全長のcmも一緒に見ておくと安心です。
| 型番の数字 | 長さ | 全長 |
|---|---|---|
| 76 | 7ft6in | 約2.29m |
| 79 | 7ft9in | 約2.36m |
| 80 | 8ft | 約2.44m |
| 83 | 8ft3in(8.3ft) | 約2.51m |
| 86 | 8ft6in(8.6ft) | 約2.59m |
| 89 | 8ft9in | 約2.67m |
| 90 | 9ft | 約2.74m |
| 93 | 9ft3in | 約2.82m |
83と86の差は3インチで、センチにすると約7.6cmです。
表に無い長さをセンチに直したいときは、こちらの変換ツールが使えます。

エギングロッドの長さ別のメリット・デメリット

売り場のエギングロッドは、長さで大きく3つに分けられます。
短い竿(7ft台〜8ft)|取り回し重視。8ftなら1本目にもなる
メリット
- 狭い足場や常夜灯のまわりで振りやすい
- シャクリが軽く、1日振っても疲れにくい
- 軽いエギでも細かく動かしやすい
デメリット
- 磯やサーフでは、沖まで届かない場面がある
- 足場の高い場所では、ラインが風に取られやすい
- 足元でイカを寄せるとき、竿の角度を付けにくい
私がシマノで使っているのは、セフィアSSのS80MLです。
8ftの長さで、漁港や常夜灯のまわりで何時間シャクっていても、体が楽なところが気に入っています。
短い竿は小場所用と思われがちですが、8ftなら、釣りをエギングに絞る人の最初の1本にもなる長さです。
標準の竿(8ft3in〜8ft6in)|番手がいちばん揃う長さ
8ft3inから8ft6inは、漁港や堤防を中心に、8ft6inなら磯やサーフまで1本で回れる長さです。
シマノのセフィアBB・SSやダイワの26エメラルダスMXでは、8ft6inの番手がいちばん多く揃っています。
メリット
- どの釣り場へ持って行っても、大きく困らない
- 硬さや値段の違うモデルが多く、選びやすい
デメリット
- 狭い漁港では、少し長く感じることがある
- 遠投では長い竿に、シャクリの軽さでは短い竿に一歩譲る
私がダイワで買ったのは、26エメラルダスMXの86Mです。
秋の小さなイカの数釣りでも、1kgを超えるイカでも、長さにも強さにも不満を感じたことはありません。
長い竿(8ft9in〜9ft台)|サーフ・地磯・高い足場向け。最初の1本ではない
堤防や漁港が中心なら、最初から選ぶ必要はない長さです。
メリット
- サーフや広い湾で、沖までエギを届けやすい
- 足場の高い堤防や地磯で、ラインを操作しやすい
- 足元の障害物をかわしてイカを寄せやすい
デメリット
- 狭い漁港では振りにくい
- シャクリが重くなり、1日振ると疲れが出やすい
- 9ftを超えると自重も増える(セフィアSSのS93MLは111g)
持ち運びも、長い竿ほど不利です。
2本に分けたときの長さ(仕舞寸法)は、2本継の8ft6inで133cm前後、9ft3inで145cmです。
電車や飛行機で運ぶなら、5本に分かれるパックロッドもあります。
シマノのセフィア エクスチューンMBは、8ft3inと8ft6inで仕舞寸法が53.6〜55.8cm、ダイワのエメラルダス ストイストST 82ML-5は60cmです。
どちらも上のクラスの竿なので、車で運べるなら2本継で困ることは少ないと思います。
釣り場別のエギングロッドの長さの選び方|堤防・磯・サーフの早見表

長さを決めるとき、釣り場で効くのは、広さと足場の高さです。
表で漁港や小場所に短めが出ているのは、竿をエギングだけに使う前提です。
ほかの釣りにも使う人と、まだ決めていない人は、どの釣り場でも8ft6inで考えてください(最初の1本に選ぶ長さ)。
| 釣り場 | 長さ | 足場と理由 | 硬さ(番手の例) |
|---|---|---|---|
| 漁港・堤防 | 8ft〜8ft3in | 足場が低く、遠投より取り回し。一番多い釣り場 | ML〜M(26MX 83M・Vなど) |
| 磯・ゴロタ | 8ft6in(〜8ft9in) | 足場が高く、足元に岩が多い。寄せるのに長さを使う | M(26MX 86M・Vなど)。流れが速い磯が多ければMH |
| サーフ | 8ft6in〜8ft9in | 遠浅で、遠くへ投げて広く探る | M。86Mから、遠くを狙う日が多ければ8ft9inの89M |
| 小場所・常夜灯まわり | 8ft前後 | 狭い足場と周りの人。振りやすさを優先 | ML〜M(私はセフィアSS S80ML) |
秋の小さなイカは8ft前後の短めでも十分楽しめ、春の大きなイカを狙う日は8ft6inが安心です。
季節ごとに竿を買い分ける必要はありません。
漁港・堤防は8ft〜8ft3in|遠投より取り回し
陸っぱりのエギングで、一番多い釣り場です。
足場が低く、手前のかけあがりや岸壁沿いを探ることが多いので、飛距離より振りやすさを優先します。
磯・ゴロタは8ft6in|足場と取り込みに長さを使う
磯は足場が高く、手前に岩が張り出しているので、長さがあるとラインを岩に擦らせずにエギを動かせて、掛けたイカも岩を越えて寄せやすくなります。
沖の潮目まで投げたい磯なら、8ft9inまでが目安です。
サーフは8ft6in〜8ft9in|遠くへ投げて広く探る
遠浅の砂浜では、エギをどこまで届けられるかで、探れる範囲が変わります。
足場は低いので、長さは飛距離のために使います。
小場所・常夜灯まわりは8ft前後|振りやすさを優先
常夜灯のまわりは夜に人が集まりやすく、後ろや横に余裕が無いこともよくあります。
短い竿なら、周りを気にせずコンパクトに投げられます。
釣り場と時期ごとに、どのシリーズのどの番手が合うかは、こちらの早見表で見られます。

初心者が最初の1本に選ぶ長さ|エギングだけか、ほかの釣りにも使うか

私が店で薦める長さ|まず「ほかの釣りにも使いますか?」と聞く
これからエギングを始める人から長さの相談を受けたとき、私がまず聞くのは、その竿をエギングだけに使うのか、ほかの釣りにも使いたいのかです。
ほかの釣りにも使いたいなら、8ft6inです。
シーバスやちょい投げにも回しやすく、磯やサーフのような大場所でも長さが足ります。
エギングだけに使うなら、8ftから8ft3inです。
取り回しがよく、漁港や堤防でシャクり続けても疲れにくい長さです。
8ftと8ft3inの差も3インチなので、どちらを選んでも大丈夫です。
まだどちらか決まっていないなら、8ft6inにしておくと、あとで行く釣り場が広がっても困りません。
8ft3inと8ft6inの細かい違いは、数字を並べて比べています(8.3ftと8.6ftで迷ったら)。
身長・体力による微調整|見るのは1日振り続けられるか
身長で番手を細かく決めるより、見てほしいのは、その竿を1日振り続けられるかどうかです。
女性や腕の力に自信のない人には、8ft3in以下を薦めています。
エギのメーカーのヤマシタも、7ft台のショートロッドは女性や腕力に自信のない人でも扱いやすいと紹介しています。
ただ、同じシリーズのMLなら、8ft3inと8ft6inの自重の差は多くても3gです。
疲れの差は重さより、竿が長いぶん腕にかかる負担から来ます。
長さと一緒に決める硬さ|最初の1本はM
長さが決まったら、次は硬さです。
最初の1本なら、私はMを基準にしています。
エギングで一番よく使うのは3号のエギで、2.5号や3.5号をときどき投げるくらいなら、Mで困ることはありません。
秋の小さなイカが中心で2.5〜3号を投げる日が多い人や、浅い場所によく行く人はMLにします。
反対に、3.5号以上のエギで大型を狙う人や、潮の流れが速い場所が多い人はMHです。
うちの店でも、売れる順はM、ML、MHです。
8.3ftと8.6ftで迷ったら|差は7.6cmと2〜3g。使いやすいほうでいい
エギングロッドの長さの相談で、いちばん多いのがこの2つのどちらにするかです。
うちの店でも83と86は同じくらい売れていて、ほかの長さより圧倒的に人気があります。
最初の1本なら、まずはこのどちらかを選べば間違いありません。
数字で見ると差はほとんど無い|変わるのは振った感触と、使える場所
同じシリーズの83と86を、メーカー公式のスペックで並べると次のとおりです。
| シリーズ(83/86) | 全長 | 自重 | 仕舞寸法 | 適合エギ |
|---|---|---|---|---|
| 26エメラルダスMX 83ML・V/86ML・V | 2.51m/2.59m | 98g/100g | 130cm/133cm | どちらも 1.8〜3.5号 |
| 23セフィアSS S83ML/S86ML | 2.51m/2.59m | 100g/102g | 129cm/133cm | どちらも 1.8〜3.8号 |
| ダイワ エギングX 83ML/86ML | 2.51m/2.59m | 108g/110g | 130cm/134cm | どちらも 1.8〜3.5号 |
長さの差は約7.6cm、自重の差は2〜3gで、扱えるエギの重さも同じです。
硬さもMLにそろえて並べているので、違うのはほぼ長さだけと言っていいくらいです。
数字に出ない差は2つあります。
1つは振った感触で、8ft3inのほうが少しでもシャクリやすく、手に持ったときも軽く感じます。
もう1つは使える場所の広さで、8ft6inは磯やサーフのような大場所にも、シーバスやちょい投げへの流用にも合う万能な長さです。
飛距離は、3インチの差では感じにくいので、ここで決めるものではありません。
8ft3inが向いている人
- 少しでもシャクリやすく、軽い竿がいい
- 釣りをエギングに絞っている
- 漁港や堤防の、狭い足場で釣ることが多い
- 女性や、腕の力に自信がない
私がショートロッド派で、8ft3inくらいの長さが好きなのも、この取り回しの良さと竿先の落ち着きが理由です。
8ft6inが向いている人
- 磯やサーフなど、大場所で釣ることが多い
- シーバスやちょい投げにも流用したい
- 足場の高い堤防によく行く
- 行く釣り場がまだ決まっていない
短めの竿が好きな私でも、26エメラルダスMXでは86Mを買いました。
エギング以外の釣りにも回しやすい長さだからです。
この86Mがかなり良かったので、次は同じ26MXで8ftの80MLMを足そうと思っています。
私が店で言っていること|軽さなら83、万能なのは86
少しでもシャクリやすく軽いほうがいいなら83、大場所が多い人や、ほかの釣りにも流用したい人なら万能な86。
お店でこの2本を見比べている人には、そう答えています。
ただ、表の数字のとおり、2本の差は大きくありません。
どちらを買っても失敗ではないので、両方を持って軽くシャクる動きをしてみて、使いやすいと感じたほうを選んでください。
硬さは、最初の1本ならMが基準です。
そのうえで、シャクリの軽さを取りたくて、秋の小さなイカや浅い場所が中心なら、26エメラルダスMXの83ML・Vが合います。
ほかの釣りにも使うなら、また決めきれないなら、同じ26MXの86M・Vです。
迷ったまま選ぶなら、8ft6inにしておけば困る場面はほとんどありません。
長さ別のおすすめエギングロッド|8ft・8ft3in・8ft6in・8ft9in

長さごとに、私が勧めている竿を1本ずつ挙げます。
8ftと8ft3inはどちらもエギングに絞る人向けで、シマノとダイワから1本ずつです。
値段は時期によって動くので、各リンク先で確かめてください。
8ft|23セフィアSS S80ML
自重96g、適合エギ1.8〜3.8号で、私が自分で使っている1本です。
8ftと短く、狭い足場でも振りやすく、軽めのエギも細かく動かせます。
セフィアのほかの番手は、こちらで比べています。

8ft3in|26エメラルダスMX 83ML・V
全長2.51m、自重98g、適合エギ1.8〜3.5号です。
私が持っているのは同じシリーズの86Mで、83MLはそれより7.6cm短く、硬さも1段やわらかい番手です。
狭い足場や、シャクリの軽さを優先したい人に合います。
8ft6in|26エメラルダスMX 86M・V
私が使っているのもこの86M・Vで、漁港から磯、サーフまで持ち出していますが、長さが足りないとも、長すぎるとも感じたことはありません。
これから1本目を買う人にも、硬さが基準のMになるこの86M・Vを薦めています。
全長2.59m、自重102gで、ほかの釣りにも回したい人と、長さで迷っている人に合います。
エメラルダスのほかのシリーズや番手は、こちらです。

8ft9in|23セフィアSS S89ML
全長8ft9in(約2.67m)、自重102g、適合エギ1.8〜3.8号、仕舞寸法は137cmです。
自重はS86MLと変わらず、長さのわりに重くありません。
サーフや広い磯で、もっと遠くを狙いたい人向けです。
8ft6inを使ってみて、届かないと感じる場面が増えたら、2本目に考えてみてください。
エギングロッドの長さでよくある質問

Q. 8.3ftと8.6ftは、どっちがいいですか?
どちらも同じくらい売れている人気の長さで、最初の1本ならどちらかを選べば間違いありません。
少しでもシャクリやすく軽いほうがいいなら8ft3in、大場所が多い人やほかの釣りにも使う人なら8ft6inです。
同じシリーズの同じ硬さなら差は約7.6cmと2〜3gなので、手に持って使いやすいほうで大丈夫です(8.3ftと8.6ftで迷ったら)。
Q. 長いエギングロッドのほうが、遠くへ飛びますか?
同じエギと同じ投げ方なら、長い竿のほうが飛ばしやすくなります。
ただ、83と86の3インチの差では、投げ比べても違いを感じにくいと思います。
飛距離を伸ばしたいなら、長さより先に、エギの号数(エギ王Kなら3号16g→3.5号22g)、PEラインの太さ(0.6号→0.5号)、風向きを見直すほうが効きます。
号数ごとのエギの重さは、こちらにまとめています。

Q. 9ft以上のエギングロッドは必要ですか?
サーフや地磯で遠くを狙う人向けの長さです。
漁港や堤防が中心なら、8ft6inまでで足ります。
Q. 仕舞寸法の短いエギングロッドはありますか?
2本継の8ft6inは133cm前後です。
もっと短くしたいなら、5本継のパックロッドで55〜60cmまで縮みます(長い竿 8ft9in〜9ft台)。
シマノのセフィアとダイワのエメラルダスの2本継で、長さごとの仕舞寸法は次のとおりです。
| 長さ | 2本継の仕舞寸法 |
|---|---|
| 8ft | 125.5〜126cm |
| 8ft3in | 129〜130cm |
| 8ft6in | 133〜134cm |
| 8ft9in | 137〜138cm |
| 9ft | 140.5cm |
| 9ft3in | 145cm |
Q. 船のティップランも、同じ長さで選べますか?
船の上から重いエギを沈めて釣るティップランは、専用のロッドを使う釣りです。
長さも硬さも、陸から投げるエギングロッドとは分けて選んでください。

まとめ|迷ったら8ft6in、エギングだけなら8ft〜8ft3in
- 長い竿は遠投・高い足場・磯での取り込みに強く、短い竿はシャクリが軽く疲れにくい
- 漁港・堤防は8ft〜8ft3in、磯は8ft6in、サーフは8ft6in〜8ft9inが目安
- 8.3ftと8.6ftは同じくらい売れている人気の長さ。差は約7.6cmと2〜3gで、どちらを買っても失敗ではない
- 硬さは、最初の1本ならMが基準
- 9ft以上はサーフや地磯で遠くを狙う人の2本目
1本目に迷ったら、大場所でもほかの釣りでも使える26エメラルダスMXの86M・Vです。
少しでもシャクリやすく軽いほうがいいなら8ft3inを選んでも、差は大きくないので大丈夫です。
値段の帯で12本を比べた一覧はこちらです。

リールやエギも一緒にそろえるなら、次の2つが参考になります。



